中学受験は5年生からでも間に合うの?【6年生夏までにカリキュラム完成で可能!中学受験が間に合う条件も】

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多くの進学塾では4年から中学受験の本格的なカリキュラムがスタートします。塾講師をしていた筆者も別記事で受験するなら(特に難関中志望なら)3年~新4年から受験勉強をスタートするべきと紹介しています。(⇒「中学受験するなら塾はいつから通うべき?」

しかし個別指導塾にいると5年生(の途中)から「中学受験をさせたいと思って…」「子どもが受験したいと言い出して」と保護者の方から相談されることが多々ありました。

中学受験は5年生からでも間に合うのでしょうか?元塾講師が考察してみました。

執筆者:まいにちマナブ
元個別指導塾講師。20年以上中学生や中学受験生を中心に指導、教室長、塾長の経験もあり。保護者の方と多数面談も行ってきました。2018年より当サイトの運営を開始。

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中学受験は5年生からでも間に合うの?

中学受験は5年生からでも間に合います。もちろん志望校のレベルとお子さんの学力状況との兼ね合いもあったり、誰でも間に合うとは断言できませんが、受験のカリキュラムを6年の夏までに追いつけば間に合わせることが可能です。

かつては大手進学塾でも5年から本格的な中学受験カリキュラムとしていました。実際、筆者が以前在籍していた個別塾では5年~6年夏前までに受験のカリキュラムを終わらせるパターンが多かったです。5年生から勉強勉強でギュウギュウ状態になる覚悟もあるなら大丈夫です。秋以降の受験勉強スタートもお子さんの頑張りとご家庭のサポート次第で可能です。

中学受験のカリキュラムとは?

一般的な中学受験のカリキュラムは、4・5年生で受験に必要な知識のほとんどを学習します。社会の公民分野のみ6年生で学習し、6年生では今まで学習した内容を復習します。

中学受験で最も難しいのは算数、4年生で小学校で習うレベルの計算は完了し、植木算・つるかめ算・過不足算・和差算など学校で習わない特殊算の学習もスタートします。ただ1度やったらそれで終わるわけでなく、総合問題で復習したり、1度学習した単元の応用題や発展させた内容が繰り返し出てきます。

そして6年の夏休み以降から入試までは総合問題や分野別の復習・強化、志望校対策を進めていきます。

6年の夏休みまでに追いつくのが目標

進学塾でも季節講習の期間はカリキュラムは進まず復習や応用力養成が中心に、新単元を進めるわけではありません。そのため5年生の春や夏からのスタートでも追いつくことが可能です。長期休みを活用ししっかり勉強すれば、初めは苦労しても集団塾でやっていくことも可能です。ももちろん復習を2周、3周と何度もできる分、新4年生からの通塾がおすすめではあります。

大変なのは5年生の秋以降、中学受験することを決めた場合です。

新3、4年生から通塾していた受験生ほど何周も復習はできないのは不利ですが、進学塾では2月までに終わらせている勉強の内容を、6年夏休みまでに終わらせることができれば勝算があります。6年の夏休みまでに追いつけば秋以降に入試対策をしつつ、苦手分野や知識の定着を時間をかけて進められます。

ただし5年秋以降で集団・進学塾は大変

進学塾の入室テストを通過できても、入ってみたら進みが早くて勉強が大変、宿題もたくさん出てならってないところを勉強する余裕なんてない・・・といった状況に陥ることもあります。特に難関中対策が中心の進学塾だと、お子さんを途中から入塾させるのは酷かも。

教育費に余裕があるならば個別指導塾や家庭教師と併用で進めるのがベストだと思われます。個別指導併設の進学塾も多数あります。

おすすめは個別指導塾

5年生から(特に秋以降)の受験対策なら進学塾を利用せず、中学受験の個別指導塾のみ利用するという方法もあります。マンツーマンの個別指導だけでとなるとコストがかかりますが、1対2以上の個別なら多少費用が抑えられます(もちろんプロ講師はお高め)。

上位~難関中目標ならプロ講師や難関中に高い実績のある個別指導塾がおすすめです。中堅校なら中学受験で合格実績を毎年出しているような、地域の個別指導塾でも良いでしょう。(実績のない個別指導は避けましょう、教えられる講師が不足してる場合もあります)

5年生からでも中学受験に間に合う条件

6年生の夏までにカリキュラムを終えれば大丈夫と述べましたが、もちろんお子さんの学力状況などいくつか条件もあります。

ある程度の学力が必要

中学受験をするなら学校のテストで100点は当たり前・・・と言われていますが、それは中堅校以上の学校の場合。進学校ではなくスポーツや芸術に強い中学で偏差値も45未満ぐらいの学校なら、そこまで完璧でなくても大丈夫です(もちろん基礎学力は必須ですが)。

個人的には国語の力はある程度あった方が良いと感じています。目安は学校のテストで90点以上。読解力があれば算数や理科・社会の力もつけやすいです。

お子さんの受験への本気度が高い

個別指導塾の塾長をしていたとき、「うちの子が突然中学受験したいと言い出して」と保護者の方から相談されることがありました。学校では割と勉強のできるお子さんです。

どうもお子さんのお友達がみんな中学受験をするらしく、やってみたくなったそうです。今から集団塾に入るのは厳しいということで塾で受験のための勉強をスタートしてみたところ、どうもいまいちやる気がなさそう。おとなしく勉強はしているものの、マルつけで答えを写すだけになってたり、いまいち暗記テストも対策してこない。保護者の方もイライラがつのり、結局受験勉強をやめてしまいました

一方勉強はむしろ嫌いなお子さんで、5年生からの中学受験に成功した例も。親に言われて最初はしぶしぶ、学校見学に連れて行かれて「楽しそう」とどこかでスイッチが入ったのか、嫌いだったはずの勉強も取り組み方が変わりました。(勉強嫌いではありましたが、国語の力はあるお子さんでした)

さまざまな要因、条件はありますが、お子さんの中学受験への本気度が高いことは大前提です。

家庭で勉強をフォローできる

中学受験はご家庭のフォローが大事です。塾に通っているなら保護者の方が解説までする必要はありませんが、漢字や語句の知識、計算問題、理社の基本事項などのフォローをするのがおすすめです。忘れっぽいお子さんは宿題やテスト準備がしっかりできてるかも見てあげた方が良いでしょう。

もしご両親ともお仕事が忙しく十分お子さんの勉強が見られない場合は、タブレット教材を活用するのもおすすめです。毎日漢字や計算を必ず「何分または何問取り組む」とノルマを決めて取り組ませます。お子さんがどれだけ勉強したか、でき具合も後から保護者の方がチェックできる教材が良いです。

志望校のレベルが見合ってる

「5年生から」に限りませんが、お子さんの学力状況と志望校のレベルが見合っているかは重要です。

学校の算数で苦手単元もいくつかあるお子さんが、偏差値60以上の学校を受けるのはかなり厳しいでしょう。(筆者の感覚ですが)公立小の学校のテストがほぼパーフェクトで偏差値55以上が期待できるかなという印象です。

ご自宅で(市販の問題集や通信教育などで)コツコツとハイレベル問題にも取り組んでいたお子さんなら、模試の結果も参考になるかもしれません。伸びしろもあることを仮定して志望校を設定できるでしょう。

しかし受験勉強をしていないまっさらな状態のお子さんがいきなり模試を受けても、惨憺たる結果となる可能性が大きいです。ただ模試の問題の中には受験生でなくても解けそうな問題も出題されていることがあります。そういう問題で得点できているかもチェック。特に国語の成績は参考になるでしょう。

また実際に志望校の問題を見て、あと1年でお子さんが志望校の入試問題を解けそうかの確認も。

良い塾・家庭教師を選ぶ

5年生から、特に秋・冬からとスタートが遅れた場合、遅いスタートでも対応してくれる中学受験塾、家庭教師を選ぶことをおすすめします。切磋琢磨できる環境が良ければ集団塾でも、ただし4年からカリキュラムがスタートしてる難関中向け進学塾はついていくのが大変かもしれません。(ご家庭でもともと中学受験の基礎だけでも進めていたご家庭なら大丈夫かも。)

個別指導塾はどんなお子さんでも対応してくれることが多いですが、一般的な個別指導塾では中学受験の指導に慣れてない学生講師、中学受験の経験すらない講師にあたってしまうこともあります。(一般的な個別はどちらかといえば高校受験や、勉強が苦手なお子さん向けです。)

中学受験のプロ講師や指導実績のある学生講師が在籍している、中学受験で合格実績のある塾や家庭教師を選ぶことをおすすめします。

まとめ

お子さんの学力状況や頑張り、志望校のレベル、ご家庭のフォロー、良い塾選びなど条件はありますが、中学受験は5年生(の秋以降)でも間に合います。夏までに受験カリキュラム終了させられれば、志望校対策も十分できます。

志望校合格に向けて日々学習を他の受験生以上に頑張る覚悟がお子さんにあるなら、チャレンジする価値は大いにあるでしょう。そこまでの本気度はないかな・・・という場合は、高校受験を見据えた勉強の方がお子さんのためになるのかもしれません。

中学受験の勉強をしたものの、途中であきらめて高校受験に切り替えたご家庭もあります。どちらが良いかはお子さんの気持ち、ご家庭の事情もありますので一概には言えませんが、受験勉強の大変さもご理解いただき、受験するかどうかご家庭でよく話し合った上で決めるのが良いでしょう。

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