2020年度から小学校でプログラミング必修化を背景に、習い事にプログラミングを選ぶ小学生のご家庭が増えてきました。筆者がかつて在籍していた塾でもプログラミング教室に通っているというお子さんの話を聞くことがあり、今のお子さんたちにとってプログラミングは非常に身近なものとなっています。
中学受験といえば国算理社の4科がスタンダードでしたが、最近では適性検査型や英語入試もスタンダードに。そして数は多くありませんがプログラミングが入試で利用されるケースもあります。
この記事ではプログラミング入試を採用している学校を東京・神奈川・兵庫の学校からセレクト、入試内容などをまとめたのでよかったら参考にしてください。
※記載の情報は情報取得時のものです。最新の情報は各学校の入試要項などでご確認ください。
中学受験でプログラミングが活用できる?
中学入試でプログラミングを利用した選抜を実施している私立中学校があり、ジュニア・プログラミング検定の資格が求められるケースもあります。
ただしプログラミング入試を実施している学校は非常に少なく、募集人数や合格者数が少ないようです。プログラミング入試の内容もScratchやマイクラなど、学校によりまちまち。
また以前プログラミング入試を行っていた学校も、今では実施していないケースもちらほらと見かけられます。最新の入試情報や受験資格など、内容を確認しておく必要があります。
プログラミング入試を採用している私立中学校【2025年度】
プログラミング入試を採用している私立中学校を一部ご紹介します。いずれも各学校の2025年度募集要項を参考にしています。
※こちらで紹介していない学校でも採用している場合があるかもしれません。あらかじめご了承ください。
※詳しくは各学校の募集要項をご覧ください。
駒込中学校
東京都文京区にある駒込学園(最寄り駅:本駒込駅)は仏教系の私立中高一貫校(共学)です。中学は全員「国際先進コース」、高校からは「理系先進コース」「国際教養コース」「Sコース」に分かれます。
駒込中学校のプログラミング入試(第3回入試)では算数分野とScratchを使ったプログラミング問題が出題されます。算数は第3回入試と共通、プログラミングはScratchとSTEAM(科学、技術、工学、芸術・リベラルアーツ、数学)の総合力を問う内容となっています。これまでにプログラミングと算数や化学との総合力を問う問題が出題されました。
日程:2025年2月2日(日)
募集人数:10名(プログラミング・自己表現・英語入試)
内容:算数とScratchとSTEAMの総合力
聖徳学園
東京都武蔵野市にある共学の聖徳学園(最寄り駅:武蔵境駅)はグローバルマインドの育成に注力しており、STEAMという枠に収まらない独自の教育を実践、多彩な国際研修旅行が行われています。
聖徳学園のプログラミング入試ではマインクラフトが利用され、ICT + STEAM 教育に関心のある受験生が対象。面接あり。
日程:2月2日(日)午前
募集人数:5名
内容:マインクラフト(実技/作文)、面接(計約90分)
八王子実践中学校
東京都八王子市にある共学の八王子実践中学校(最寄り駅:八王子駅)は1学年1クラスの少人数教育。3学年での協働学習、英語力の習得とともに自国の文化理解を深められます。八王子実践の入試では2科・4科の入試は行わず、得意分野を活かした試験が受けられるのが特徴です。
プレゼンテーション入試においてプログラミング型・自己表現型・英語型から一つ選択、プログラミング型はジュニア・プログラミング検定Scratch部門Bronze・Silver・Gold取得者が対象となっています。面接でプログラミングの作品を発表する形式となっています。
八王子実践中学校プレゼンテーション入試 プログラミング型(2025年度)
日程:1回 2月2日(日)午前、2回 2月5日(水)午後
募集人数:15名(プレゼンテーション入試1回・2回)
内容:面接(プログラミング作品を発表、10分程度)※要資格
聖和学院中学校
神奈川県逗子市にある聖和学院中学校(最寄り駅:逗子駅)はキリスト教精神にもとづく教育が行われている女子校です。国際教育にも力を入れ、ネイティブの先生によるプログラミング授業も実施しています。
聖和学院中学校ではKOOV(ロボットプログラミング学習キット)を利用した英語プログラミング入試が導入されています。事前説明の後英語プログラミングテストが行われ、ロボットを作成。ネイティブの試験官の前で発表します。
日程:2月2日(日)午前
募集人数:10名
内容:英語プログラミング(ロボット作成と発表)
相模女子大学中学部
神奈川県相模原市にある女子校の相模女子大学中学部(最寄り駅:相模大野駅)。中学部のプログラミングカリキュラムではロボットプログラミング学習を通じて考える力、発信力、協働力、創造力などび養成を目指しています。
相模女子大学中学部のプログラミング入試では授業とプログラミング、その後に作品の発表とディスカッション、基礎計算力テストが実施されます。
日程:1回 2月3日(月)、2回 2月14日(金)
募集人数:(教科型・適性検査型・プログラミング入試全体)120名
内容:授業・プログラミング⇒発表とディスカッション、基礎計算力テスト
武庫川女子大学附属中学校
日程:1月19日(日) 午後
募集人数:(SOAR 探究コース全体)200名 ※令和6年度の合格者は3名(受験者5名)
内容:実技試験
神戸山手女子中学校(神戸山手グローバル中学校高等学校)
日程:1月18日(土)午前
募集人数:<全体の人数> グローバル選抜探究コース 60名(男子・女子)未来探究コース 30名(女子)
内容:作文、面接 ※学校のプログラミング講座参加、一定以上の評価
プログラミング入試のメリット・デメリット
中学受験におけるプログラミング入試のメリット・デメリットについてまとめました。
プログラミング入試のメリット
プログラミング入試のメリットを2つあげてみました。
特技を活かせる
教科試験だけでは心配という場合、特技を活かして中学入試を受けられるのは大きなメリットです。
受験のチャンスが増える
教科入試もプログラミング入試も受けることで受験のチャンスを増やすことができます。
プログラミング学習自体が将来役立つ
プログラミングの学習は共通テストの情報Ⅰや総合型選抜の活動実績など大学受験でも役立つことがあり、将来社会に出たときも役立つスキルが身につけられます。またプログラミング的思考を養うことで教科学習でも良い影響が期待できます。
プログラミング入試のデメリット
プログラミング入試のデメリットもあげてみました。
実施している学校は少ない
適性検査型入試や英語型入試と比較すると、プログラミング入試を実施している学校は圧倒的に少ないです。
募集枠は少ない
厳密に募集人数が示されていない学校もありますが、合格者数など見ても受かる生徒はかなり少ないです。
教科入試対策との両立が必要
上記の理由でプログラミング入試のみにかけるのは難しく、教科入試対策との両立が必要になり、お子さんの学習状況によっては負担になることも考えられます。
まとめ
プログラミング入試を導入している私立中学校をご紹介してきました。初めて当サイトで紹介したのは2021年で、厳密にカウントしているわけではありませんが、首都圏は以前より減ってきた印象も受けました。
募集枠が少ない、今後もプログラミング入試が行われる保証はないなど、デメリットや懸念点もありますが、プログラミング自体は将来役立つもので、大学入試の「情報」にも関わり、総合型選抜でも実績として評価されるケースがあります。
もちろん教科入試の準備で大変なお子さんに無理にプログラミングをさせるのは酷ですが、プログラミングやゲーム制作に興味があるお子さんの習い事、受験勉強の息抜きとしてプログラミングを習うのも良いかもしれません。
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