私立中学から公立高校受験は難しいのか?合格した例と勉強の進め方

私立中学から公立高校受験は難しいのか?合格した例と勉強の進め方

私立中学(中高一貫校)に入学できたものの校風が合わない、進学したい高校が見つかった…などの理由で公立高校を受験したいと考える中学生やそのご家庭もあるようです。私立中から公立高校を受験するのは難しいのでしょうか?

実際に筆者の塾で私立中から公立(都立)高校を受けて、無事第一志望の高校に合格した塾生がいましたので、そのときの経験もふまえつつお伝えしたいと思います。

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私立中学から公立高校の受験は難しいのか?

私立中学(中高一貫校)から公立高校の受験は、一般的には難しいといえます。生半可な気持ちでの受験はおすすめしません。

その理由として学校側が外部受験を許可するか、調査書を書いてもらうよう相談が必要、外部受験すると内部進学の権利がなくなること(プレッシャーになる)、公立中生に比べ内申が低く受験で不利になることがあげられます。

可能かどうか学校に確認が必要

公立高校を受けるのに、調査書が必要となります。中高一貫校だと本来は外部受験するのは想定外のことがほとんどでしょう。入学時に誓約書を書かせる学校もあります。

筆者が受け持った生徒で「調査書を書いてくれなかった」というケースは今までありませんでしたが、まず外部受験したい旨を早めに学校側に伝える必要があります。

また中学側が積極的に段取りしてくれるわけではないので、ご家庭からいつまでにどうしてほしいか連絡する必要もあります。

過去に塾対象の説明会に出席したとき、「うちは外部受験のチャレンジも歓迎!」とおっしゃっていた私立中もありました。学校にもよりますが、やはりたいていの私立中高一貫校は難しいかと。

落ちたら内部進学できない?

特に中高一貫校の場合、外部受験をして落ちたら内部進学できないというケースが多いです。ただし学校によっては内部進学の権利を失わないケースも。おそらく入学時には説明があったかと思いますが、そうでないならこちらも学校に確認を。

内申点が不利、併願優遇が無理か

お子さんがレベルの高い私立中(中高一貫校)に進学しているとなると内申点でかなり不利でしょう。今通っている学校と同レベルの公立高校に入るとなるとそれ相応の内申が必要です。

トップクラスの公立高校ならオール5かそれに近い成績のお子さんが多いです。各地域・学校により内申点の比重が異なりますが、私立中の生徒は損になると経験上感じます。また東京の場合私立の併願優遇(内申での合格確約)もとりにくいでしょう。

併願優遇がとれれば都立入試対策にフォーカスしやすいのですが、とれない場合私立も公立もどちらも対策が必要。中学受験時並みにキツイ日々を送ることになります。

入試では有利なことも?

進学に実績のあるような中高一貫校にお通いで、そこそこ学校の勉強についていけてるお子さんなら、公立高校の入試問題は簡単に感じるかもしれません。いきなり模試や過去問を解いてみても9割がた解けてたりします。(中堅の私立中のお子さんでも学年で3番以内とかトップクラスのお子さんになると、新中問発展編なんてスラスラ解いてしまうんですよね。)

中学受験で公立中で習う内容よりはるかに難しい内容を勉強している上、前倒しかつ難しい問題を日々解いている中高一貫校生はかなり力をつけているので(もちろん学校の勉強についていけていることが前提)、入試での高得点が期待できます。

おすすめはできないが学力が伴えば可能か

私立中学から公立高校の受験は難しいですし、手続きや学力に不安があるならおすすめはしません。しかしやむを得ない事情があり、学力があるお子さん(かつ中学受験時と同様の勉強漬け生活をする覚悟がある)なら、可能かもしれません。

実際に私立中学から公立高校を受けて合格した例

過去に筆者の塾で私立中学(中高一貫校)からほぼ同レベルの都立難関高校を受験し、合格したお子さんたちがいました。(※2010年代の話です。)おおよそ次のような状況でした。

  • 中高一貫の中堅上位で成績は3~4中心、難関校でオール3
  • 模試では(ノー勉でも)得意教科で100点も出す、志望校は「余裕」でクリア
  • 保護者の方が模試の段取り、テストの採点などサポート

ちなみに都立難関高校に合格できた生徒さんたちは、毎日学校のある日でも4、5時間、休みの日は8時間以上は勉強していたと思います(塾の他のどの受験生よりも勉強していました)。

保護者の方が塾にもこまめに学習状況を連絡してくれたり、学校とも外部入試のことで先生と話し合いをしたり、かなり熱心なサポートをされていたようです。

私立中学から公立高校を受験するときの勉強の進め方

参考までに、私立中から公立高校を外部受験するときの勉強の進め方についてまとめました。(なお中高一貫校でそこそこの成績はとれていることを前提としています。)

内申をとにかく上げる

私立中→公立高を受験する場合、ふつうは内申で不利な状況になります。内申をとにかく上げるために、各教科の予習・復習をしっかり行い、テストで良い点をとるようにしましょう。

都立高入試では以前は内申を見ない「特別枠」なるものがありましたが、現在はなくなりました。それでも東京では中3の成績だけ見るので中3からでもまだチャンスがあるかもしれません。

私立中のテスト対策は市販の教材では厳しいこともあります。中高一貫校向けの通信教育や、1人で対策するのは難しいなら個別指導や家庭教師を利用することをおすすめします。

高校受験対策も並行して進める

お子さんのお通いになっている学校や学力状況によっては、中3の1学期時点でも公立入試なら簡単に解けてしまうかもしれません。内申点で「不利」ですから受ける学校よりずっと高いレベルで得点しないといけないので、公立入試が簡単に解ける力がないとむしろ私立中→公立高は難しいでしょう

まずは入試を解いてみてどんな基礎知識が抜けているのか確認、入試対策教材で力をつけていくと良いでしょう。公立高なら市販教材でも良いと思います。問題は私立高対策ですが、こちらはさすがに難しくなります。(といっても上で紹介した生徒は私立高の過去問もかなり高得点がとれてましたが…)

中高一貫校でそこそこ成績をとっているお子さんなら解けるかもしれませんが、学校によりクセのあるところも。難関校に挑戦する場合はやはりプロの手を借りて勉強するのもおすすめです。

模試を受ける

中学受験を経験しているご家庭に言うまでもないことですが、模試を定期的に受けて立ち位置を確認しておくことは必要です。レベルの高い中高一貫校に通っている生徒は驚くほど良い判定が出ることがありますが、もちろん油断は禁物です。各教科・単元で何ができていて何ができていなかったのかをしっかり把握しておくことが大事です。

おすすめの通信教育・オンライン家庭教師・オンライン塾については次の記事で紹介しています。

内申対策に⇒Z会中高一貫校コースの詳細・評判

内申対策・高校受験対策に⇒おすすめのオンライン家庭教師

高校受験対策に⇒ 中学生向けおすすめのオンライン塾

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まとめ

私立中学から公立高校を受験をするのは難しく、内部進学できないリスクもあります。特に内申点で不利になことも多いので、それなりの公立高校に入るなら相当な「猛勉」が必要です。

安易な気持ちでの公立高校受験をおすすめはしませんが、やむを得ない事情で受験を決めたならご紹介した経験談(生徒本人とご家庭の頑張り具合)や勉強の進め方も参考にしていただければと思います。