中高一貫校の英語は進みが速く、難易度の高い教科書を利用している学校も多いため、勉強についていけず落ちこぼれ感を抱えてしまう生徒も少なくありません。また英語という科目の特性上、一度ついていけなくと挽回するのが非常に難しいという面もあります。
この記事では個別指導塾で指導経験のある元塾講師が、英語でつまずいた中高一貫校生のための勉強法、必要に応じて検討したい塾や家庭教師の選び方と活用法についても解説しています。ぜひ英語立て直し対策の参考にしてみてください。
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中高一貫校の英語が難しい理由

中高一貫校の英語が難しい理由として教材や授業の難易度の高さ、進みの速さ、英語という科目の性質があげられます。
教科書や副教材が難しい
中高一貫校ではニュートレジャー、プログレス21、バードランドといった検定外教科書を利用することが多く、これらの教科書はいずれもレベルが高いものとなっています。また検定教科書を使用している学校でも英語教育に力を入れており、副教材のレベルが高いケースも見られます。
授業のレベルが高く予習が必要
小学校までは学校の授業は簡単で、一度聞いたら理解できることが多かったかもしれません。すでに塾で習っていることもあったでしょう。しかし中高一貫校の授業はレベルが高く、予習をしておかないと授業の内容を十分理解することが難しくなります。
進みが速く中学生で高校範囲に入る
大学受験を意識したカリキュラムを組んでいる中高一貫校は進みが速く、中学生のうちから高校英語の範囲に入り、高2までには高校範囲を終わらせて大学受験対策をスタートする学校が多いです。
英語は積み上げ型の科目
英語は前の知識をベースに次の内容を理解する「積み上げ型」の科目であり、単語や文法での積み残しがあると英語全体の理解に悪い影響が出ます。特に進みの速い中高一貫校は、英語で一度つまずくと大きな痛手となります。
中高一貫校生が英語で落ちこぼれてしまう原因

中高一貫校生が英語で落ちこぼれてしまう主な原因として次の3つがあげられます。
単語・文法の基礎不足
英語は積み上げ型の科目のため、基礎が不足しているとリカバーするのが難しいです。単語や文法の基礎力が足りないと英文の意味が理解できず、新しく習った文法を理解できてもいざ問題を解こうと思っても解けないことが多々あります。
予習・復習をしていない、やり方がわからない
上でも述べたように中高一貫校の英語はハイレベルなことが多いため、予習や復習が必要となります。そのため勉強の進め方がわからなかったり、そもそも自宅学習の習慣がないと、その分遅れをとってしまいます。
授業のスピードについていけない
中高一貫校の授業のスピードに一度ついていけなくなると、「前の内容の理解が不十分⇒さらに授業が難しく感じる⇒ますます理解できない」という負の連鎖に陥ってしまいます。この状態になると勉強を頑張ろうと思っても教科書の内容も理解できないため、学習への意欲も下がってしまいがちです。
英語の落ちこぼれを回避!中高一貫校生のタイプ別立て直し勉強法
中高一貫校の英語事情を考えると、普通に授業を受けているだけでは落ちこぼれてしまうのも無理はないのがわかります。また落ちこぼれてしまう原因は一つに決まるものではなく、苦手の原因ごとに適切な対策も変わってきます。まずはどのタイプに当てはまるか、次の質問に答えて確認してみましょう。
✅英語が苦手な原因チェックリスト
- 英単語がわからない、覚えても忘れてしまう
- 文法のルールがいまいちわかっていない
- 予習や復習をしていない、後回しにしてしまう
- 学校の進度が速すぎて、理解する前に次の範囲に進んでしまう
- 学校の定期テストで教科書にない長文や難しい問題が出ると手も足も出ない
当てはまる番号によってあなたのタイプとおすすめ勉強法がわかります。複数の番号に当てはまる人は、複数タイプの勉強法を組み合わせると効果的です。
- 1・2に当てはまる ⇒ 基礎力不足タイプ
- 3に当てはまる ⇒ 習慣化が苦手なタイプ
- 4に当てはまる ⇒ スピードについていけないタイプ
- 5に当てはまる ⇒ 応用力不足タイプ
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基礎力不足タイプ

1・2に当てはまる人は「基礎力不足タイプ」です。まずはわからなくなったところまでさかのぼって、英単語や文法の基礎を固めることが重要です。
中学レベルを固めたいなら『高校入試 でる順ターゲット 中学英単語1800』のような高校入試レベルの英単語集がおすすめです。もっと易しいものが良い方は『中学英単語をひとつひとつわかりやすく。』のような教材も良いでしょう。単語アプリもゲーム感覚で覚えやすいです。
文法は学校の教材を使って復習しても良いですが、もっと易しいものが良いという方には基礎から学べる『英文法パターンドリル』のような教材で演習を進めてみてください。
習慣化が苦手なタイプ

3に当てはまる人は「習慣化が苦手なタイプ」です。授業前に予習できない、授業で聞いても理解が追いつかない。復習のやり方もわからず積み残しが増えてしまっている・・・とお悩みでありませんか?まずは予習・復習の進め方をチェック、習慣化できる工夫が必要です。
📣英語の予習と復習の進め方
- 予習・・・単語の意味を調べる、文法を確認する、音読、教科書の英文を和訳する
- 復習・・・音読、単語を暗記する、日本文を英訳できるようにする、副教材の問題を解く
予習で全文訳を書き出す時間をとるのが難しそうなら、ざっと読んで意味がよくわからないところにチェックをつけておき、授業で確認しましょう。予習は必ず授業の前日までに毎回行い、復習は毎回は難しければ週末にまとめて行っても良いです。
また予習・復習を習慣化する工夫も必要です。まずは学習計画表を作り、1週間の予定を可視化しましょう。さらに「Studyplus」や「コソ勉」のような学習管理アプリを活用することで日々の学習量や達成度を確認でき、勉強へのモチベーションを高めることができます。
スピードについていけないタイプ

4に当てはまる人は「スピードについていけないタイプ」です。「授業の内容が理解できないまま先へ進む⇒復習が追いつかない⇒苦手が雪だるま式に広がる」という悪循環に陥っていませんか?
英語は積み上げ型の科目なので、まずはつまずいた単元までさかのぼることが重要です。教科書の予習・復習は最低限行いつつ、わからなくなった文法までもどって復習したり、単語の確認をしておきましょう。ただし定期テスト前はテスト範囲の勉強を最優先に、本文の音読・精読、単語や文法事項の確認、問題集での演習などを進めます。
基本的にこのタイプの人には学校の教材を優先するのがおすすめですが、ニュートレジャーやプログレスなどの中高一貫校生用の教材は難しく、歯が立たないということもあります。その場合は中学生なら『ニューコース問題集』のような公立中向けの問題集で基礎を固めると、英語への自信もつけやすいです。
応用力不足タイプ

5に当てはまる人は「応用力不足タイプ」です。ハイレベルな指導を行っている中高一貫校では、定期テストで教科書範囲外の問題が出題されることもあります。単なる「教科書本文の暗記学習」ではこのようなテストに太刀打ちできません。
学校の教材以外で、まずは易しいレベルの英文から多読することで読むスピードや語彙力、文脈から推測する力を身につけられ、未知の英文への耐性をつけることができます。
多読の教材に『ラダーシリーズ』はおすすめです。中学で習う基本語約1,000語レベルから中上級者レベルまで揃っています。今の段階で難しそうであれば、検定教科書用の問題集を活用するのも良いでしょう。今のレベルや教材との相性も見てお選びください。
中高一貫校生におすすめな英語教材は次の記事でも紹介しています。

塾や家庭教師の活用で中高一貫校生の英語の苦手克服!

自学自習は苦手、わからない問題があると手が止まってしまう、プロのアドバイスが欲しいという中高一貫校生は、塾や家庭教師を活用するのがおすすめです。
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補習なら中高一貫校専門塾や個別指導塾がおすすめ
中高一貫校生の補習に特におすすめなのが、補習対応型の「中高一貫校専門塾」です。ニュートレジャーやプログレス21、バードランドなど中高一貫校で利用している教科書に対応しています。ただし数は多くはありません。
個別指導塾の多くは中高一貫校生の指導にも対応していますが、検定外教科書を指導できる先生は限られてきます。中高一貫校生が集まる個別指導塾や教室を選ぶようにしましょう。


家庭教師やオンライン授業なら通わずに済む
通学時間や部活の関係で塾に通う時間がとれない、近所に良い塾がないという中高一貫校生は、家庭教師やオンラインを活用するのがおすすめです。中高一貫校生の指導に強いプロ教師や中高一貫校出身の先生などを指名できるところもあります。


大学受験まで見据えた英語対策に
中学英語の範囲は大体終えているので大学受験を見据えた対策を進めたい、自分に合った対策を進めたいという人は、大学受験で実績のある英語指導に強い塾がおすすめです。次の記事では大学受験におすすめなコーチングや個別指導塾を含むさまざまなタイプの塾を紹介しています。

まとめ
英語力は一朝一夕で身につくものではありません。しかし、中高一貫校生がつまずきやすい「基礎の抜け」を補うことで、挽回することは可能です。大切なのは焦らず基礎から一歩ずつ積み上げることです。正しい方法で学習を継続することで「落ちこぼれ」状態から脱出し、英語を得点源に変えることができます。
📣今回のポイント(中高一貫校の英語で落ちこぼれる原因と対策)
- 中高一貫校の英語が難しい理由・・・中高一貫校の教材が難しい、授業のレベルが高く進みが速い、英語が積み上げ型の科目
- 英語で落ちこぼれてしまう主な原因・・・単語・文法の基礎不足、予習・復習が不十分、授業のスピードについていけない
- 基礎力不足タイプ⇒単語・文法の総復習、基礎固めの教材を準備
- 習慣化が苦手なタイプ⇒予習・復習の進め方を確認、学習計画を立てる、アプリの活用
- スピードについていけないタイプ⇒つまずいた単元までさかのぼり、予習・復習は並行、テスト前はテスト範囲に集中
- 応用力不足タイプ⇒勉強のやり方を見直し、多読用の教材や長文の問題集を活用
- 独学が厳しければ塾や家庭教師も検討
中高一貫校生におすすめな通信教育や教材は次の記事で紹介しています。
首都圏で中高一貫校生の英語指導に強い塾は次の記事で紹介しています。
中高一貫校生におすすめなその他の塾や家庭教師は次の記事で紹介しています。
