塾を選ぶとき、大手塾に行くべきなのか地域密着型の塾に行くべきなのか?これも保護者の方にとって悩む問題だと思います。
当然大手塾でしょ?名前を聞いたこともない塾なんてどうせ大したことないんだろうし…と思っている方、もしかしたらこちらの記事を読んだら少し考えが変わるかもしれません。
もちろん良い大手塾もたくさんありますが、大手塾だからノウハウがしっかりして講師も研修をしっかり受けているのかというと、必ずしもそういうわけではありません。
大手塾の特徴
大手塾なら任せて安心
CMでもおなじみの大手塾、全国にあるし名前を聞いたこともない塾よりは安心して子どもを任せられます。引っ越しで他県の学校を受験する場合も、全国に情報網がある大手塾なら適切な指導をしてもらえます。
塾生もたくさんいるので合格実績もすごい数、特に大手進学塾(主に集団塾)は有名校に数多くの生徒を合格させています。それだけ講師の指導力もしっかりしているのでしょう。ベテラン講師も多く進路相談も安心して聞けます。
コース別で対策できる!しかし問題も?
生徒の人数が多い塾では学力のレベルに応じたクラスが多数あります。難関校を狙っているお子さんは、トップのクラスで自分の力に合ったレベルの高い問題に多く取り組むことができ、また他校にライバルもいることを身にしみて感じ、ますますモチベーションも高まりやすいです。
しかし平均以下のクラスに入ったお子さんだとどうなるか?塾の雰囲気が良ければ自分のレベルに合った授業でわかりやすい!となりますが、「自分はもっと難しい問題も解きたい」「先生の説明が難しい」など個々の不満も出やすくなる恐れもあります。
大手個別指導なら解決できる?
大手個別指導塾なら成績が奮わないお子さんに良いのかというと、それも塾によりけりです。ビシッと生徒が授業を受けている塾もあれば、教室の雰囲気が悪かったり、ゆるい雰囲気になっている塾もあります。つまりただ通っているだけの状態になっていることもあります。
教室の雰囲気を一度見学、体験授業を受けてから通わせるかどうかを決めるのがおすすめです。
▼低料金・高品質をうたう「個別指導塾」に関する記事はコチラ
授業・講師の質が本当に高い?
しかし大手塾は直営校だけでなくフランチャイズもあり、すべての教室でバラつきなく指導できているというわけではないようです。フランチャイズの場合塾長・教室長次第で授業の質や教室の雰囲気がだいぶ変わってきます。
講師研修の実情は各大手塾によって大きく異なります。
- 広い会場で数日間一斉研修
- 各教室で何度も模擬授業をさせる特訓研修
- マニュアルの確認とDVDを見るだけの2~3時間で終わる研修
ニュースにもなりましたが、大手塾によっては非常に「ブラック」な塾も多く、講師が定着しないというケースもあります。特に学生の時間講師を抱えている大手個別指導塾では、忙しい学生にいろいろな仕事を任せたり無茶ブリなシフトを組まされるなど、時間講師が不満を持ちやすい現状があります(講師側に問題があるケースもあれば、塾側に問題があるケースも)。
ちなみに教室長も、社員として入社したらいきなり教室長にさせられ、授業経験も進路指導の経験もほとんどないまま手探り状態での教室運営をさせられた、という人もいます。(最近はこういうケースが少なくなったとは思いますが…。)
塾の月謝・講習費など費用がかかる
大手進学(集団)塾も月謝や講習費が高額になることがありますが、特に塾の費用が高くなるのが大手個別指導塾。
初回1ヶ月は無料、月謝も週1回から1万円台で通えて、テスト対策まで見てくれるなんてとっても良心的!と思われますが、
「集団コースも受けてみませんか?1ヶ月○円で受けられます」
「講習会は〇〇高校を目指すなら40回コースがおすすめです、合格している生徒のほとんどがこちらのコースを取っています」
「勉強合宿にぜひ参加してください!合宿で偏差値○upを目指します!」
などなど、教室長=社内屈指の営業マンが(表現が悪いかもしれませんが)言葉巧みに誘ってきます。最初は40万円ぐらいのコースがおすすめされ、少しずつ値段を下げて20万円ぐらいのコースになったところで保護者の方も「これぐらいなら払えるかな」という気持ちになりYESと言ってしまうようです。
20万円のコースをとっても40万円のコースをとっても、本人にやる気がなければ成績は上がらないでしょう。特に個別指導の場合、やる気がないし集団塾ではついていけないからと塾に入れさせられているお子さんが多いです。講習会ではダラダラ鉛筆を動かしているだけになる恐れもあります。
逆にある程度学力があり、やる気が十分あるお子さんが個別指導授業を真面目に受ければ、学力の大幅アップが見込めます。
大手塾のメリット・デメリットまとめ
メリット…ネームバリューがある、合格実績多数、勉強のできる子どうしで切磋琢磨できる、他地域の受験にも強い
デメリット…塾によって授業や講師の質が悪いことも、学費が高い
地域密着型塾の特徴
地域密着型の塾とは?
地域密着型の塾といっても近隣の駅に数教室展開しているような大規模な地域密着型の塾もあれば、その地域に一教室のみの小規模な個人塾までさまざま。
地域密着型塾は信頼できる?
大規模であれ小規模であれ、その地域で長年やっている塾であればかなり信頼できる塾でしょう。大手でない塾が実力不足であれば、一年も経たないうちに撤退となります。もちろん別口の稼ぎがあるので塾を続けていけるという、例外のケースもあるでしょう。
地域密着型の塾や個人塾を経営している塾長先生は、中小~大手塾で長年講師経験があるという先生が多いです。授業や進路指導の経験がない塾長が経営してる、フランチャイズ大手塾より信頼できそうです。
ただし理念もなければシステムもしっかりしていないような、「ゆるゆる」な個人塾もあるのでご注意を。
大手塾では見られないような、「個性的な先生」もいるかもしれません。生徒との相性が良いのが一番ですが。
地域密着型塾は進学実績が大したことない?
地域密着型の塾は、進学実績は塾によって異なります。驚くほどの進学実績を出している塾もあります。中には来年、再来年の入塾を予約しないと入れないような「超エリート塾」もあります。
入塾を「お断り」する塾もある
地域密着型塾は大手のように生徒の人数を多人数集められるとは限らず、授業の質を保つため成績に一定以上の基準を設けて、基準を満たさない生徒は「お断り」するケースもあります。ちょっと授業中ふざけただけで保護者に連絡、最悪のケースでは退塾させられることも。
特に進学塾タイプの地域密着型塾では、入塾審査が厳しい塾もあります。
月謝・講習費が良心的
一般的には地域密着型の塾の月謝や講習費は、大手塾と比較して良心的です。大手塾の夏期講習で20万円のコースをすすめられたのに、地域の塾だとほぼ同じような授業時間で10万円もかからないなんてことも。
地域密着型塾のメリット・デメリットまとめ
メリット…実力のある塾長が運営していることが多い、費用が大手より抑えめ
デメリット…実績が少ない、信頼できるか不安、入塾を断られるケースもある
大手塾と地域密着型塾、塾選びの正解は?
大手塾と地域密着型塾について、特徴を下表にまとめてみました。あくまでもそれぞれの一般的な塾の特徴であり、すべての塾に当てはまるわけではありません。
大手塾 | 地域密着型塾 | |
信頼できるか |
○ 安心して通わせやすい |
△ 長年やっている規模の大きい塾なら○ |
進学実績 |
○ (合格率は不明なことも) |
△
長年やっている大型塾は○ |
難関校の進学実績 | 進学塾は○
一般的な個別指導は△ |
塾によってまちまち
難関校専門塾は○ |
他県の入試 |
○ |
△ |
生徒の受け入れ | いろいろな生徒を受け入れる | 塾によっては入塾基準があったり退塾も |
学費 | 高い | 抑えめ |
大手塾と地域密着型塾のどちらが良いか?というよりは、「大手だから~」「小さい塾だから~」と偏った見方をしない方が良いでしょう。
塾の費用をムダにかけたくないという方が多いかと思われます。毎月の費用だけでなく、講習費もかかることも念頭に入れ、年間どれぐらいの費用がかかるのかもチェックしておくのがおすすめ。
塾に通っている生徒や保護者の評判も塾選びのポイントになります。
まとめ
一般的な大手塾、地域密着型の特徴について見てきましたが、いかがでしたでしょうか。実情は塾によってもさまざまですが、塾選びの際の参考になると思います。
他地域の受験も考えている、多くの生徒が通っている、コースが豊富な塾が良いなら大手塾、授業料・講習費が抑えめ、あまり知っている人に会いたくない、地域の学校情報に詳しい塾なら地域密着型塾がおすすめです。
のちのち後悔しないためにも、どのような塾に通わせたい(通いたい)のか、よく考えた上で塾を選ぶのが一番です。