この記事では中高一貫校生は大学受験対策で塾にいつから通うべきか、塾選びのポイントや早くから塾通いするメリット・デメリットについても、元個別指導塾講師がまとめました。
まとめ
- 中1、2生は必ずしも通う必要はない、学校の勉強が難しければ補習塾
- 大学受験を見据えた対策は中3、高校からでもOK
- 医学部・最難関大学受験対策を有利に進めたいなら中1からでも
中高一貫校生は大学受験に向けて塾にいつから通うべき?
高校受験がない中高一貫校生は、大学受験に向けて塾にいつから通うべきなのでしょうか。
中1・2生なら必ずしも通う必要はない
中高一貫校生は高校受験がありません。ですから特に中1・2生のうちは塾に通う必要はないと言えるでしょう。
「中学生はほとんど塾に通っていない」という中高一貫校もよく聞かれます。そもそも学校のカリキュラムが大学受験を意識したカリキュラムなので、学校の勉強でも十分受験対策ができると。
また補習も行い手厚いサポートを売りにしている学校もあります。
学校の勉強に問題なければ、必ずしも塾に通う要はないでしょう。まずは学校の勉強にしっかりついていく、予習・復習をして学習の習慣をつけることが大事です。
学校の勉強がキツイと感じ始めたら通うべき
「学校の勉強に問題なければ」塾に通う必要がないと述べましたが、逆にいえば「キツイ」状態になったら手遅れになる前に通うべきとも言えます。
筆者も塾講師時代私立の中高一貫校生を担当する機会が多くありましたが、大体中2あたりから特に数学が、次に英語がついていけないというケースが多かったです。(特に中3生は数学ばかり担当していた記憶があります。)
特に数学・英語は「積み重ね」の教科なので、苦手を克服するのに時間がかかります。早めに中高一貫校生向けの補習塾で対処すべきでしょう。
大学受験を見据えた通塾は中3~高2から
中高一貫校にもよりますが中3あたりから、遅いところでも高2あたりから「そろそろ通わないと」という雰囲気になってくるようです。
特に医学部や難関大学向けの塾で、中高一貫校の中3生を対象に大学受験コースをスタートしているところも多いです。勉強へのモチベーションを高める意味でも良いでしょう。
もしくは苦手教科があれば個別指導塾で強化して、高校での本格的な大学受験に向けて基礎力をつけておくのもおすすめです。
医学部・最難関大学対策は中1からでも
医学部や最難関大学、海外の難関大学を視野に入れている、余裕で合格できる力をつけておきたいという中高一貫校生は、東京でいえば鉄緑会やSEGのような難関校の生徒向けの塾に早くから通うと良いでしょう。ただし塾についていくのが大変で別の塾や家庭教師のサポートが必要になるケースもあるようです。
中3からの難関大学受験対策におすすめな塾は次の記事でご紹介しています。
大学受験に向けて中高一貫校生が塾を選ぶポイントは?
今の学習状況や時期により、中高一貫校生が選ぶべき塾は異なってきます。
最難関・医学部対策なら進学塾や予備校
東大・京大・医学部や海外の大学の対策、学校の勉強では物足りない、特に切磋琢磨できる環境が合う生徒に、速習型の進学塾や予備校(中高一貫校生コース)がおすすめです。
ただしほとんどの大学受験向けの塾では学校のテスト対策に対応していません。学校の勉強に問題がない、苦手教科がほとんどないことが前提です。
苦手科目があるなら個別指導や中高一貫校専門塾
苦手科目があるなら大学受験の基礎固めも兼ねて個別指導塾や補習に対応している中高一貫校専門塾がおすすめ。中高一貫校専門塾はたいてい中学生は学校補習がメイン、高校で大学受験というケースが多いです。
なお一般的な個別指導塾の多くは公立中生向きで、先生も中高一貫校生の指導に不慣れなことも。中高一貫校生が通っている個別指導塾を選ぶことをおすすめします。
中高一貫校生が中学から塾に通うデメリットは?
中高一貫校生が中学から塾に通うデメリットとして次の2つがあげられます。
費用がかかる
特に私立中高一貫校にお通いになるご家庭は学費もかかり、塾に早くから通うことで家計への負担も。大学受験までにかかる費用も考慮し、初めは通塾回数を少なめにしたり、自習室が活用できる塾を選ぶなど、ご負担の少ない塾選びや使い方をおすすめします。
通塾が負担になる
塾の選び方のところでも触れましたが、初めての電車通学やハードな部活、習い事などもしている上で塾にも通うとなるとお子さんへの負担は大きいです。学校の宿題やテスト対策もある上に、塾の予習・宿題もこなすとなると、よほど体力のあるお子さんでないときつい場合も。
通塾で体力を消耗するのが心配・・・というお子さんも最近はオンラインに対応している塾も増えているので、そちらを利用してみては。
中高一貫校生が中学から塾に通うメリットは?
中高一貫校生が中学生のうちから早めに塾通いをしておくメリットとして、次の4つがあげられます。
大学受験に向けて良い勉強法が身につけられる
中学受験までは塾に言われるまま勉強をこなしてきたお子さんたちは、中学に入ると自分で計画を立てて勉強するのが当然という状況になりとまどうようです。
実際筆者のいた塾でも、「勉強のしかたがわからなくて・・・」と入塾してきた有名中高一貫校のお子さんがいました。ニュートレジャーを塾で予習することで英語の理解も深まったようでした。
どう勉強したら良いかわからないというお子さんも塾通いすることで、正しい勉強法を身につけられるメリットがあります。
中だるみが防げる
中高一貫校では高校受験がないため、特に中学生のうちは勉強に本腰が入らないお子さんも少なくありません。
学校や教室の雰囲気もありますが、周囲があまり勉強モードでないと中だるみ状態に陥りやすくなるのも当然でしょう。
中学受験時のように多く通う必要はないですが、週1回でも塾通いすることで勉強への意識も上がり、中だるみに陥るのを防ぐことが可能です。
タイミングもありますが、中には塾がお子さんに「響かない」こともあります。塾や先生との相性も大事かと思われます。
学校の授業をサポートすることで大学受験の基礎固めに
進みが早く難易度も高い中高一貫校では、中学受験まで優秀だったお子さんでも勉強に手こずることがあります。塾に通うことで難しい学校の勉強をサポートになり、大学受験の基礎固めができます。
早くから受験対策することで、大学受験が有利になる
ハイレベルな予備校・塾では中学生のうちに大学受験できるレベルまで予習を進めているところも多いです。特に医学部や最難関大学を目指している中高一貫校生は早いうちから大学受験対策を進めておくことで、受験を有利に進めることができるでしょう。
ただし塾の勉強で手いっぱいになり、学校の勉強がおろそかになってしまうのでは良くありません。今の学習状況も冷静に判断して、最適な塾を選ぶことをおすすめします。
まとめ
大学受験に向けて中高一貫校生はいつから塾に通うべきか、塾選びのポイント、早くから通うメリット・デメリットについても見てきました。
今後の学習計画や塾選びのヒントになれば幸いです。
まとめ
- 中1、2生は必ずしも通う必要はない、学校の勉強が難しければ補習塾
- 大学受験を見据えた対策は中3、高校からでもOK
- 医学部・最難関大学受験対策を有利に進めたいなら中1からでも