私立中学に入っても塾は必要か?必要なケースと塾選びのポイント

私立中学に入っても塾は必要か?必要なケースと塾選びのポイント

私立中学に入っても塾は必要なのか。これから私立中学に入学するご家庭や、私立中学受験を検討中のご家庭にとって気になることかもしれません。

この記事では

長く苦しい受験勉強生活を終え、私立中学に入学したらもう塾は必要ないのでは?

私立中学はサポートが手厚いと聞くけれど・・・

でも私立中学でも塾に通っている人はいると聞くから、やはり塾は必要なの?

という方に向け塾が必要か否か、私立中学生の指導も多く経験した元塾講師がまとめました。

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私立中学に入っても塾は必要か?

学校によっては「塾に通う必要はありません」と言っている私立中学もあると聞きます。しかし筆者が個別指導塾で塾講師をしていたときも(公立中生がメインの塾でも)私立中高生は一定数在籍しており、現在でも多くの塾で私立中学生(中高一貫校生)向けのコースが用意されています。塾の必要性を感じ、塾通いをさせている私立中生のご家庭は少なくないことも事実です。

私立中学生の塾通い事情

文部科学省「令和3年度子供の学習費調査」調査結果の概要によると、私立中学生の塾にかける年間費用の平均は175,435円、公立中生は250,196円でした。ただしこれはあくまでも全体の平均。

調査結果には学習塾費の分布も示されており、半数近くは塾にかけている費用が0円、15.6%の家庭が年間40万円以上の塾代を払っていることも示されています。年間1円以上塾代を払っている家庭での学習塾費平均は326,000円。つまり塾に通っている私立中学生の月あたりの塾代平均は約27,000円ということになります。

学習塾費の金額分布

金額 割合
0円 46.1%
~1万円未満 1.5%
~5万円未満 4%
~10万円未満 6.1%
~20万円未満 9.2%
~30万円未満 10.5%
~40万円未満 6.9%
40万円以上 15.6%

※文部科学省「結果の概要-令和3年度子供の学習費調査」調査結果の概要【学習塾費の金額分布】をもとに作成(参考URL文部科学省「結果の概要-令和3年度子供の学習費調査」

塾代平均から、塾に通っている私立中生の多くは週に1~2回程度塾を利用しているのではないかと予想されます。

私立中学に入ったら塾が必要ないと言われる理由

データによれば私立中学生の半数近くは塾に通っていないようです。私立中学に入ったら塾が必要がない理由をあげてみました。

手厚いサポートがある

サポートの手厚さを強みにしている私立中学も多数あります。テストの結果が良くないときに補習を行ったり、勉強合宿や講習会なども実施。まさに塾のようなサポートを学校でしてくれます。

大学受験に有利なカリキュラムを提供している

6年間の中高一貫教育を行っている多くの私立中では、中3で高校内容に入り、高2までに高校内容の学習を終えるカリキュラムを提供しています。早くから塾にわざわざ通わなくても、高3の1年間を大学受験対策にあてることができます。

大学付属校なら内部進学ができる

大学付属校の私立中学なら、学校の成績を一定以上とっていればそのまま内部進学できます。外部受験をしない限り、受験のために塾に通う必要もなさそうです。

教育費がかかる

ただでさえ学費が高い私立、補習や手厚いサポートがあるなら、わざわざ塾にお金をかける必要はなさそうです。

私立中学に入ってからも塾が必要なケース

次のようなケースでは私立中学に入ってからも塾が必要になることがあります。

東大・京大・医学部・海外の大学を目指している

難関中学でもトップ層、東大・京大・医学部や海外の大学を目指している生徒には、学校の勉強と自学だけでは対策が不十分なことも。高2までに合格ラインに達成できる力をつけて確実な現役合格を目指したいとなると自学だけでは難しいので、専門の受験塾が必要になってきます。

宿題が一人で進められない

学校の宿題が難しく一人で進められない、学校でも質問できるけれど限界がある・・・というケースも塾が必要に。特に数学は解説を見ても難しく1人で考えこんでしまい、なかなかはかどらないことも。わからないところを聞きたいだけなら(オンライン)家庭教師を利用するという手もありますが、家だと集中して勉強できない私立中生は自習室も利用できる塾の方が向いていると考えられます。

学校の勉強が難しくてついていけない

大学受験に向けて理想的なカリキュラムとサポートがあっても、授業の内容が難しくついていくのが大変であれば塾が必要に。予習・復習しようにも理解するのに時間がかかるようなら、塾で教えてもらった方が早くて効率的でしょう。

家で勉強ができない

中学受験が終わってからは気がすっかり抜けてしまい、家でほとんど勉強しなくなった私立中生には、学習の習慣づけに塾を利用するのもおすすめ。学習の習慣づけなら通信教育という手もありますが、途中で投げ出してしまうお子さんも・・・向き・不向きがあるようです。

最近の大学受験事情も塾が必要な理由に?

以前の大学受験は推薦・AO入試は少数派でしたが、今は推薦(学校推薦型選抜・総合型選抜)の比重が大きくなりました。特に私立大学は半数以上が推薦での合格者、一般選抜は狭き門となっています。

推薦では一定以上の評定平均が求められることが多く、高1から良い成績を取る必要があります。(日頃の行動も重要。)推薦を利用するなら中学のうちから校内で良い成績をとるだけの実力をつけておかないといけません。

私立生が中学のうちから塾通いをしておき学校で上位をキープしておくことは、大学受験でもメリットとなります。

私立中学生の塾選びのポイント

私立中学生が塾を選ぶなら「私立中生向け」の塾を目的に合わせて選びましょう。

難関大学受験対策

難関私立中高一貫校生でも成績上位な生徒は、中高一貫校生向けの大学受験塾を。鉄緑会、SEG、平岡塾、予備校の中高一貫校生向けコースなど。地域の実績が高い中高一貫校専門塾もおすすめ。ただし塾により学校のテスト対策に対応していないことがあります。テスト対策も対応してほしいなら事前に確認を。

学校授業のサポート

私立中の学校授業サポートには個別指導塾を利用されることが多いです。個別指導は学校の進度に合わせやすいメリットがある一方、一般的な個別塾は公立中生の利用が多く、講師が私立生の指導に慣れていないことも。塾の教材も私立中向けのものがそろっていない場合もあります。(新中問、シリウスあたりは割と多くの塾で置いてありますが。)

各私立中学の最寄り駅近くにある個別指導塾なら通っている私立中生も多く、テストの情報なども豊富に持っていそうです。あとは私立中や中高一貫校専門の個別指導、地元の私立中テスト対策を行っている地域の進学塾などもおすすめです。

難関校にお通いなら講師のレベルが高い個別指導塾(中高一貫校向けやプロ講師の塾)も選択肢に入れると良いでしょう。(※プロ講師は中学受験同様、料金がかなりお高め。ご予算に応じてご検討を。)

まとめ

私立中学に入ったら必ずしも塾は必要ありませんが、目指している大学や学校での成績状況、家庭での学習状況によっては塾通いが必要になることもあります。学校のサポートとお子さんの相性もあるかもしれません。

お子さんの状況によって塾がベストな選択とは限りませんので、よく検討の上塾通いするかどうかお決めになれば良いかと思います。

当サイトでは中学受験や私立中高一貫校生におすすめな塾や通信教育もご紹介しています。よかったら参考にしてください。