中1理科 顕微鏡の使い方まとめと問題

  • 2019.01.07
  • 理科
中1理科 顕微鏡の使い方まとめと問題

顕微鏡には一般的な接眼レンズが1つあるタイプの顕微鏡(鏡筒上下式顕微鏡・ステージ上下式顕微鏡)と、接眼レンズが2つある双眼実体顕微鏡があります。

今回は接眼レンズが1つの一般的な顕微鏡の各部の名称と役割、顕微鏡の使い方・手順についてのまとめと問題です。

なぜ接眼レンズを先に取り付けるのか、ピントを合わせるとき対物レンズをプレパラートから遠ざける理由、プレパラートの作り方についても確認します。

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顕微鏡の特徴と名称

一般的な接眼レンズが1つあるタイプの顕微鏡の名称と役割を確認します。

顕微鏡の特徴

接眼レンズが1つあるタイプの顕微鏡に、鏡筒が上下する顕微鏡(鏡筒上下式顕微鏡)と、ステージが上下する顕微鏡(ステージ上下式顕微鏡)があります。

これらの顕微鏡は、

・高い倍率(40~600倍)で観察できる

上下左右逆に見える

プレパラートを作る

という特徴があります。プレパラートは観察対象物を2枚のガラスで水を垂らしてはさんだものです。ふつうの顕微鏡では立体的なものは観察できません。

※ 双眼実体顕微鏡は倍率が20~40倍で、上下左右はそのまま、プレパラートを作る必要がありません。

参考:中1理科 双眼実体顕微鏡の使い方まとめと問題

顕微鏡各部の名称と役割

接眼レンズ 顕微鏡の一番上にあるレンズです。顕微鏡を使うときは接眼レンズをのぞいて見ます。
視度調節リング 接眼レンズについているリングで、細かくピント調節したいときに使います。
鏡筒 接眼レンズ下の長い筒です。
レボルバー 対物レンズを装着するところで、レボルバーを回転して対物レンズの倍率を変更できます。
対物レンズ レボルバーに装着するレンズです。
ステージ プレパラートをのせる台です。
クリップ ステージ上にあるクリップは、プレパラートをはさむためにあります。
しぼり ステージ下にあり、回すことで光量を調節します。
調節ねじ アーム、ステージの下にあるねじで、鏡筒またはステージ上下させてピントを合わせます。
反射鏡 明るさを調節します。
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顕微鏡の使い方・手順

(1) 顕微鏡は直射日光のあたらない明るく水平なところに置く。

直射日光があたると目を悪く(痛めて)しまいます。

(2) 接眼レンズをとりつけてから、対物レンズを取り付ける。レンズは低倍率にする。

対物レンズは下側なので、先に取り付けると接眼レンズに付いているゴミ、ほこりが入る恐れがあるからです。

高倍率だと暗くせまい範囲しか見えないので、最初はレンズを低倍率でセットします。

(3) プレパラートをステージの上に乗せてクリップで留める。

(4) 鏡筒上下式顕微鏡では、ステージ上のプレパラートのすぐ近くまで鏡筒を下げておく。ステージ上下式ではステージを上げておく。

(5) 接眼レンズをのぞきながら鏡筒を上げて、ピントを合わせる。

接眼レンズをのぞきながら鏡筒を下げると、対物レンズがプレパラートにぶつかり、プレパラートを壊す恐れがあるためです。

高倍率でみるときは見たい部分が真ん中になるようプレパラートの位置を調整します。顕微鏡では上下左右逆なので、動かしたい向きと逆向きにプレパラートを動かします

(6) 視野全体を明るくするように、反射鏡しぼりを調節する。

接眼レンズと対物レンズ、倍率

接眼レンズは短いほうが高倍率で、対物レンズは長いほうが高倍率です。

顕微鏡の倍率=接眼レンズの倍率×対物レンズの倍率

接眼レンズが10倍、対物レンズが40倍なら、400倍になります。

倍率が高いほど観察対象が大きく見えますが、見える範囲が小さく暗くなります

倍率が低いほど観察対象は小さく見えますが、見える範囲が大きく明るいです。

そのためいきなり高倍率で見るのは難しいです。低倍率で見たいものが真ん中にくるよう動かしてから、倍率を高くしていきます。(低倍率 → 高倍率

プレパラートの作り方

プレパラートは顕微鏡で観察対象物をスライドガラスカバーガラスではさんだものです。

(1) スライドガラスの上にを1滴落とす。

スライドガラスとカバーガラスを密着させるのと、試料を乾燥させないようにする意味もあります。

(2) スライドガラスの上に観察対象をのせる。

(3) 空気の泡(気泡)ができないように、柄付き針とピンセットを使ってカバーガラスをかぶせる。

気泡が入ると観察したいものがきれいに見えないからです。カバーガラスをかぶせるとき水がはみ出たら、ろ紙で水を吸い取っておきます。

【問題編】顕微鏡の名称と使い方・手順

一般的な顕微鏡(鏡筒上下式・ステージ上下式顕微鏡)についての問題です。

問1 ア~エの名称を答えなさい。

→答え

問2 顕微鏡はどのような場所に置いて使うべきですか。

→答え

問3 鏡筒上下式顕微鏡を使う手順を正しく並べなさい(記号で答える)。

ア 視野全体を明るくするように、反射鏡やしぼりを調節する。
イ 接眼レンズを取り付ける。
ウ 接眼レンズをのぞきながら鏡筒を上げて、ピントを合わせる。
エ ステージ上のプレパラートのすぐ近くまで鏡筒を下げておく。
オ 対物レンズを取り付ける。
カ プレパラートをステージの上に乗せてクリップで留める。

→答え

問4 レンズは高い倍率から取り付けますか、低い倍率から取り付けますか。

→答え

問5 接眼レンズを15倍、対物レンズを40倍にしたとき、顕微鏡の倍率は何倍になりますか。

→答え

問6 倍率を高くすると視野が明るくなりますか、暗くなりますか。

→答え

問7 対物レンズを先に取り付けるのはなぜですか。

→答え

問8 対物レンズは倍率が高いほど長くなりますか、短くなりますか。

→答え

問9 鏡筒上下式顕微鏡では先に横から見ながら鏡筒を下げておいて、接眼レンズをのぞきながら鏡筒を上げてピントを合わせます。このようなピントの合わせ方をするのはなぜですか。

→答え

問10 プレパラートをつくるとき、カバーガラスをかけるときに注意しなければいけないことは何ですか。

→答え
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まとめ

顕微鏡の名称、使うときの手順を確認してきました。

特に顕微鏡を使うときの注意点は以下のことです。

・顕微鏡は直射日光のあたらない、明るく水平なところに置く。
・接眼レンズ → 対物レンズの順に取り付ける。
・対物レンズは横からのぞきながら先に下げておき、接眼レンズをのぞきながら鏡筒を上げてピントを合わせる。