古典文法 動詞のナ行変格活用(ナ変)まとめと問題

古典文法 動詞のナ行変格活用(ナ変)まとめと問題

今回は古文動詞のナ行変格活用(ナ変)に関するまとめと、活用表の問題です。

ナ行変格活用になる動詞は「死ぬ」「往ぬ(去ぬ)」のみです。現在ではナ行変格活用はありません。

変則的な活用をする、ナ行変格活用の活用のしかたを確認しておきましょう。

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古文動詞 ナ行変格活用(ナ変)

ナ行変格活用の動詞は、な・に・ぬ・ぬる・ぬれ・ねと活用します。ナ行変格活用になる動詞は「死ぬ」「往(い)ぬ」のみです。現代語ではナ行変格活用はありません。

往ぬ(去ぬ)」は「去る」「死ぬ」などの意味があります。今はあまり使われない言葉ですが、西日本の方言では残っています。

「死ぬ」「往ぬ」ともに近世で四段活用に、後に五段活用になりました。

ナ行変格活用の活用表

ナ行変格活用の活用表です。未然形は「ず」、連用形は「たり」、連体形は「とき」、已然形は「ども」に続く形です。














死ぬ ぬる ぬれ
往ぬ ぬる ぬれ

「な・に・ぬ・ね」の四段にわたって活用していますが、四段活用とも異なる変則的な活用になっています。

▼口語の動詞活用はコチラの記事を

参考:国語文法 動詞の活用5種類の見分け方と問題

▼動詞の活用9種類と見分け方はコチラの記事を

参考:古典文法 動詞の活用の種類・見分け方のまとめと問題

ナ行変格活用動詞の活用形

ナ行変格活用の動詞は、次のように活用します。

・死ぬ+ず → 死なず(未然形)

・往ぬ+ば → 往なば(未然形)

※「未然形+ば」で順接の仮定条件(もし~ならば)

・去ぬ+けり → 去にけり(連用形)

・死ぬ+けむ →死にけむ(連用形)

・死ぬ+べし → 死ぬべし(終止形)

・往ぬ+らむ →往ぬらむ(終止形)

・死ぬ+とき → 死ぬるとき(連体形)

・死ぬ+ども → 死ぬれども(已然形)

・往ぬ+ば → ぬれば(已然形)

※「已然形+ば」で順接の確定条件(~ので)、偶然条件(~と)など

・往ぬ→ 往ね(命令形)

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【問題編】動詞のナ行変格活用

問1 ナ行変格活用の活用表の空欄を埋めましょう。














死ぬ
往ぬ

 

 

 

【正解】














死ぬ ぬる ぬれ
往ぬ ぬる ぬれ

問2 [     ]内の現代語の意味になるように、(    )内の動詞を活用しなさい。

(1) ( 死ぬ )ば [もし死ぬならば]

 

 

 

【正解】死な

(2)( 往ぬ )ば [行ってしまうので]

 

 

 

【正解】往ぬれ

(3)( 死ぬ )とき [死ぬとき]

 

 

 

【正解】死ぬる

まとめ

・ナ行変格活用は「な・に・ぬ・ぬる・ぬれ・ね」

・ナ行変格活用は「死ぬ」「往ぬ(去ぬ)」のみ

・連体形で四段・五段活用と混同しないように