小6生が中学入学前にしておくべき勉強とは何でしょうか?
長年多くの小中学生を指導してきた元塾講師がまとめました。
経験上冬休み~3学期の過ごし方が、中学校での成績を決めると言っても過言ではないと思います。もちろんそれまでに家庭学習の習慣をつけておくことも大事です。
※この記事は一部PRを含みます。
小6生が中学生までにやっておくべきこととは?
小6生が中学生までにやっておくべきことといえば、小学生のうちにしかできない思い出作り?・・・もちろんそれも大切ですが、特に勉強面でやるべきことを元塾講師の立場からあげておきたいと思います。ざっくり言えば小学校の復習と、中学校の予習の2つです。
※冬休み以降でもOKですが、苦手分野の復習と得意分野の先取りは早くから進めておいてもOKでしょう。
小学校内容の復習
- 算数・・・計算(特に小数・分数・四則)、文章題(基本的なもの)、図形(図形の名称と基本公式)
- 国語・・・漢字(読み・書き)
- 理科・・・できたら基礎の確認
- 社会・・・できたら基礎の確認、苦手なお子さんは都道府県(県庁所在地)、世界の主な国、歴史の時代の順序
算数は特に大事な教科。基本計算をミスなくできるようにするのが目標です。国語は漢字が苦手なお子さんは小学校のうちに克服しましょう。
理科・社会は超基本的なところだけおさらいすればOKです。5、6年生でそこそこできていたというお子さんはそれほど復習に時間をかける必要はありません。
中学校内容の予習
- 英語・・・英単語・できたら英文法も少し
- 数学・・・正の数・負の数(計算をできるように)
英語と数学は積み上げ型の学習です。中1最初の段階でつまずくとその後ずっと勉強をスムーズに進められません。最初でつまずかないためにも最低限英単語の読み書き、正の数・負の数の計算まで予習をしておきましょう。
復習・予習を通じて学習習慣をつける
復習・予習をおすすめするのは知識を定着させる意味が第一ですが、「学習習慣を身につけること」も意図しています。
小学校のうちはさほど勉強しなくてもテストで90点や100点をとれたというお子さんでも、中学校に入ると挫折を味わうことは珍しくありません。(割と「天才肌」なお子さんでもテスト対策なしで90点台は難しいでしょう。)
そこまで気合を入れなくても中学最初の定期テストは割と良い点取れてしまうかもしれませんが、その後は・・・保護者の方もご存知のようにできるお子さんとそうでないお子さんの点数差はどんどん開いていきます。
今まで宿題以外は家で勉強する機会がなかったお子さんも、遅くとも6年生の冬休み以降は家での過ごし方を少し変えてみることをおすすめします。
小6生のうちはのびのび過ごしてもいいのでは?
中学校に入ったらどうせ忙しいんだし、のびのび過ごしてもいいんじゃないの?という保護者の方もいらっしゃるかもしれません。そのお気持ちもわかります。
しかし筆者が個別指導塾で中学生たちに接していると、準備をしてきたお子さんとそうでないお子さんでは差が大きいと感じます。
準備というのは早い時期から塾に通わせることではありません。学習の習慣をつけることです。もっと言えば「考える」習慣です。
なお「のびのび過ごすだけでは良くない」という根拠になりそうなデータもあります。
Z会グループ「アオイゼミ」のアンケート(参考URL:https://www.aoi-zemi.com/blog/survey/azsurvey-preparation-for-jhs/)によると、中学生が「小学生の時にやっておけば良かった」こととして勉強しておくことがあげられています。
小学生の時にやっておけば良かったこと(中学生の回答)
- 学習習慣をつけておくこと(60.53%)
- 小学校内容の総復習(48.07%)
- たくさん遊ぶこと(40.06%)
- 中学校の内容の予習(31.16%)
約6割の人が学習習慣をつけておくこと、約半数が小学校の内容を復習しておくこと、3人に1人ぐらいは「中学校の予習をしておけば良かった」と悔やんでいるそうです。
約40%の人が「たくさん遊ぶこと」と答えているのは、いかに中学校生活が大変かを物語っているようです。小学生のうちの思い出作りも良いことですが、確かに塾に通っている公立中の生徒たちは予想以上に忙しいようです。
筆者が塾で見ていた中学生たちから、「もっと早くから勉強しておけば・・・」「小学校のときは何もしなくてもテスト良かったのに、中学が大変だってもっと早く教えてほしかった」というボヤキを聞くことがあります。受験直前に気づいても後の祭り・・・ということにならないためにも、少しずつでも学習の習慣と中学の勉強で必要となる「基礎学力」をつけておくことをおすすめします。
小6生が中学生までにやっておくべき勉強8つ
塾講師が長年の経験から最低限、特にやっておいた方が良いと思う勉強を8つあげてみました。
小数・分数の計算を完璧にする
特に小数と分数、四則の計算は絶対に完璧にしましょう。複雑な計算は今はできなくても良いですが、基本的な計算でミスをしないということがとても重要です。
なお小数の計算は中学理科でもとても重要です。公式を覚えていても小数のわり算ができず、テストで点が取れないなんて中学生をこれまで多数目撃しました。(中学数学では小数の計算の出番が減る)
また分数の計算ができないと中学数学から大変苦労することになります。計算も関数も図形の面積・体積もすべて分数が関わってきます。かけ算・わり算で途中で約分をしていない(最後に約分する)お子さんがたまに見られますが、数が大きいまま計算すればミスも出やすくなります。途中式も確認した方が良いでしょう。
算数の文章題の復習も(ただしほどほどに)
文章題も基本的なものを確認、複雑な文章題まではできなくても良いです。最低限、たす・ひく・かける・わるの文章題はできるようにしたいですね。
単位量あたりの大きさ・割合・速さは多くのお子さんが苦手とする単元ですが、基本問題をミスなくできればOKです。
この分野は小学生のうちに完璧に理解するのは難しいと思います。抽象的な考えを扱うのがうまくなるのは中学生になってからなので・・・。小学校のときは苦手だったというお子さんも中学に入ると割と解けることが多いです。むしろ計算ミスで損してるお子さんが多いというのが塾講師の個人的な感想です。
図形の復習は時間をかけ過ぎない
なお図形は図形の名称、基本公式(面積や円周)をミスなくできるようにしておけば良いです。中学でまた同レベルの問題を解きますので、深入りする必要はないでしょう。(円がらみのものは文字を使うので計算ミスが減ります。これも分数ができないと致命的ですが。)
図形問題をやってもやってもミスするから心配、と小6の3学期でやたら時間をかけても、中学校で図形を習う頃にはやり方を忘れているように(これまでの生徒たちを見ていて)感じます。
頑張って練習させても「暗記」になってしまってるだけならあまり意味がありません。進学塾の入塾テストとかで必要ならするしかないですが・・・。個人的には「ほどほど」で良いと思っています。
数学の予習は正負の数の計算までを完璧に!
小学生でも+、-の概念は日常でも使うことがあり、中学生たちも初めて習っても割と早く理解できます。(「-5度下がるを正の数を使って言い換えると?」というクイズ的な文章題には引っかかるお子さんも多いですが、最初ですからまずは概念が理解できれば良いかと。)
加法・減法もまあまあできています。長い式(3つ以上の数の加法・減法の混合)は注意が必要です。左端から順々に解くのもなるべく効率的に解けるようにしたいですね。
乗法・除法はルールもシンプルなので、加法・減法よりもわかりやすいようです。
ところがひととおり正の数・負の数の計算基本ルールを習ったところで、加法・減法を復習したり、四則混合になると「アレッ?どうやるんだっけ?」と混乱が起きやすいです。ここで超時間がかかります。下手すると1か月以上かかります。
ということで計算に少しでも不安のあるお子さんこそ、早めに計算のルールを覚えるよう練習をしておくことをおすすめします。
英単語を覚える(発音・意味・つづり)
小学校のうちから耳で聴くことに慣れているからか、年々リスニング問題のハードルが上がってきていてるにもかかわらず、割と中学生のお子さんたちがついてこれているように感じます(あくまでも個人的な体感ですが)。
ただし英単語でつまずいているお子さんは多いように感じます。簡単な英単語は読めるようにしておくのはもちろん、意味とつづりも書けるように。
特にaとe、lとrなど。1文字ぐらいの間違いだと自分でも「うっかりやっちゃった」とあまり大事にとらえないことが多いですが、ほんの1文字でも間違えたらテストでは減点されます。
1学期に習うぐらいの英単語は読みも意味もつづりも書けるようにしてほしいところです。
漢字を覚える
国語は小学校までに習った漢字の読み・書きを完璧にしておきましょう。余力があれば検定試験にチャレンジするのも良いですね。文章題は余力があれば。本を読むのも良いですね。
地理は都道府県や世界の主な国
都道府県は地図を見てすぐに何県と答えられるように、県庁所在地も答えられるようにしておきましょう。中学のテストでもよく出題されます。世界の主な国も答えられるように。インド、ニュージーランド、インドネシア、ナイジェリアぐらいはどこにあるか覚えててほしいです。
歴史は時代の順序
歴史は時代の順序を最低限覚えておくと良いと思います。歴史が苦手なお子さんは「縄文→鎌倉→平安」とか答えることもありますが、各時代のイメージがつかめられてないためと思われます。(時代ごとのエピソードやインパクトのある人物は結構覚えてたりします。)
年号の暗記とか「詰め込み」系の学習は不要ですが、時代ごとのイメージと流れさえつかんでおけば、歴史の勉強もスムーズに進められます。
その他にも国語の読解問題とか理科の基礎知識とかいろいろありますが、上にあげたことをクリアできてから(クリアしているなら)進めればいいと思います。中学に入ってからでも間に合うでしょう。あとは運動すること、規則正しい生活も必要かもしれませんね。
どうやって小6生が中学準備の勉強を進めたら良い?
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まとめ
小6生が中学生になる前にやっておくべき勉強について見てきました。特に算数の計算分野、国語の漢字については、不安があればしっかり復習していただきたいところです。中学校の予習は英語・数学を中心に。英語は書く練習も重視。単語が正しく書けないと英作文でも減点されてしまいます。
当然お子さんによって今の学力状況が異なり、勉強すべきところはまちまちかと思いますが、中学入学前に学習の習慣をつけておくことは非常に重要だと感じます。お子さんに合った学習スタイルで、充実した中学校生活を迎えられると良いですね。