今回は特に制限用法と呼ばれる関係代名詞の基本を確認していきます。
関係代名詞は文と文をつなげる接着剤のような役割をするもので、名詞(人や物)を修飾することができます。修飾される語や格(主格・目的格・所有格)に注意して関係代名詞を使う必要があります。
関係代名詞の主格・目的格・所有格(who, which, that, whom, whose)の使い分けがよくわからないという人向けの内容になっています。基本が確認できたら最後に確認問題もありますので、理解できたか最終チェックしてみてください。
関係代名詞の主格・目的格・所有格
関係代名詞にも代名詞のように格の変化があります。
先行詞 | 主格 | 所有格 | 目的格 |
---|---|---|---|
人 | who | whose | whom(※) |
人以外 | which | whose | which |
すべて | that | ー | that |
※ 口語ではwhoがよく使われています。
上の表のように、関係代名詞は先行詞によっても格によっても使い分ける必要があります。
先行詞と関係代名詞
先行詞とは関係代名詞の節が修飾する名詞です。関係代名詞は先行詞によって使い分け、関係代名詞節は先行詞の直後に置くのが基本です。
下の例文で赤字部分が先行詞、太字部分が関係代名詞節です。
The boy who is running over there is Hisashi.(向こうで走っている男の子がヒサシです。)
I bought a watch which was made in Switzerland.(私はスイス製の腕時計を買いました。)
He has a cat whose eyes are green.(これは日本製の車です。)
主格の関係代名詞
先行詞と関係代名詞節が【主語+動詞】の関係になるとき、主格の関係代名詞(who, which, that)が使われます。主格の関係代名詞では関係代名詞の直後は動詞が置かれます。
主格の関係代名詞[例文]
主格の関係代名詞を使った例文を見てみましょう。赤字が先行詞、太字が関係代名詞節です。関係代名詞の前後が主語と動詞の関係になっています。
・The girl who is talking with Mami is my sister.(マミと話している女の子は私の妹です。)
・This is a car which was made in Japan.(これは日本製の車です。)
The girl は人なので関係代名詞の who が、 a car は人ではないので関係代名詞の which が使われています。
上の関係代名詞 who, which は that に置き換えても構いません。
・The girl that is talking with Mami is my sister.
・This is a car that was made in Japan.
目的格の関係代名詞
関係代名詞節が【主語+動詞】、先行詞が動詞の【目的語】になるとき、目的格の関係代名詞(whom, which, that)が使われます。目的格の関係代名詞では関係代名詞の直後は主語+動詞が置かれます。
目的格の関係代名詞[例文]
目的格の関係代名詞を使った例文を見てみましょう。赤字が先行詞、太字が関係代名詞節です。関係代名詞の前後が目的語と主語+動詞になっています。
・The man whom I saw yesterday is a famous musician.(私が昨日会った男性は有名なミュージシャンだ。)
・Is this a pen which you are looking for?(これがあなたの探しているペンですか。)
The man は人なので関係代名詞の whom が、 a book は人ではないので関係代名詞の which が使われています。上の関係代名詞 who, which は that に置き換えても構いません。
・The man that I saw yesterday is a famous musician.
・Is this a pen that you are looking for?
目的格の関係代名詞は省略可能
目的格の関係代名詞は省略可能であり、用いられないことが多いです。上の例文は下のように表すことができます。意味も変わりません。
・The man I saw yesterday is a famous musician.
・Is this a pen you are looking for?
所有格の関係代名詞
関係代名詞節が【主語+動詞】、先行詞と主語が【(先行詞)の(主語)】という関係になるとき、所有格の関係代名詞(whose)が使われます。所有格の関係代名詞では関係代名詞の直後は主語+動詞が置かれます。
所有格の関係代名詞[例文]
目的格の関係代名詞を使った例文を見てみましょう。(赤字が先行詞、太字が関係代名詞節です。)
関係代名詞の直後が主語+動詞になるところは目的格と同じですが、所有格では関係代名詞の前後が「の」でつなげられます。
・I know a girl whose mother is a professional pianist.(私は母親がプロのピアニストである女の子を知っています。)→ a girl の mother
・Can you see the mountain whose top is covered with snow?(頂上が雪で覆われた山が見えますか。)→ the mountain の top
所有格の関係代名詞では先行詞が人・物・動物どれでも、関係代名詞 whom が使えます。ただし所有格の関係代名詞では that に置き換えることができません。
所有の of which
所有格の関係代名詞 whose と同じように、先行詞がもののときは of which が使われることがあります。先行詞+ the 名詞 + of which の形で使われ、whose での表し方とは異なるので注意しましょう。
・I see the mountain the top of which is covered with snow.(頂上が雪で覆われた山が見えます。)
= I see the mountain whose top is covered with snow.
・That house the roof of which is red is my house.(あの屋根が赤い家は私の家です。)
= That house whose roof is red is my house.
関係代名詞 that が望ましい場合
関係代名詞 that は先行詞にかかわらず、(名詞を形容詞的に修飾する制限用法において)主格・目的格で用いられます。特に先行詞が人+物・動物になっている場合は that が使われます。
I saw a girl and a dog that were running in the park.(私は公園を走っている女の子と犬を見た。)
先行詞に最上級、序数、the only、the very、the lastなどがついているとき、先行詞がall、everything、nothing、anything などのときも、that が使われます。
This is the most beautiful sunset that I have ever seen.(今まで見た中で最も美しい夕日です。)
【問題編】関係代名詞の使い分け
問1 次の( ) 内から最も適切な関係代名詞を選びなさい。
(1) I have a bag( who/which/whose )is made in Italy.
答えを確認(2) He is a teacher( whom/which/whose ) I respect.
答えを確認(3) Look at the house ( that/which/whose )roof is black.
答えを確認(4) I saw a cat ( that/which/whose )eyes are blue.
答えを確認(5) I saw a cat ( whom/which/whose )has blue eyes.
答えを確認(6) He is the very person ( whom/that/who )I have wanted to see.
答えを確認問2 次のア~ウの文を訳し、下線部が省略できるものを選びなさい。
ア A penguin is a bird which can’t fly.
イ He gave her all the money that he had.
ウ I saw the temple whose roof was covered with snow.
答えを確認問3 次の日本語の文を英語にしなさい。
(1) 私が昨日会った男性は有名な歌手だ。
答えを確認(2) 私は公園を走っている女の子と犬を見た。
答えを確認(3) 頂上が雪で覆われた山が見えますか。
答えを確認まとめ
関係代名詞の基本の使い分けについて学習してきました。問題を解いてみて、主格・目的格・所有格の使い分けはできたでしょうか。
目的格と所有格は関係代名詞節に主語が入るのが特徴で、先行詞と関係代名詞の直後で「~の…」と言うことができれば所有格になります。
英語の目次はコチラ→