中学歴史 室町時代の年表・出来事・文化のまとめ

  • 2019.04.27
  • 歴史
中学歴史 室町時代の年表・出来事・文化のまとめ

鎌倉幕府がほろび、建武の新政を後醍醐天皇が始めましたが、天皇中心の政治に対する武士の不満が高まりました。足利尊氏が兵を挙げ、建武の新政は失敗に終わります。足利尊氏は京都に幕府を開きました。これが室町幕府です。

今回は室町時代の出来事(幕府の成立、南北朝の統一、日明貿易、応仁の乱など)、産業と村の自治、北山文化と東山文化などをまとめています。年表や問題も確認して、室町時代の特徴をしっかりとらえましょう。

広告

室町時代の年表

室町時代の出来事を年表で見てみましょう。

  • 1333年 鎌倉幕府がほろぶ
  • 1334年 後醍醐天皇による建武の新政が始まる
  • 1336年 湊川の戦い(足利尊氏が、新田義貞と楠木正成を破る)
  • 後醍醐天皇が吉野に移る
  • 1338年 足利尊氏が征夷大将軍になる
  • 1368年 足利義満が第3代将軍になる
  • 元がほろび、がおこる
  • 1378年 足利義満が幕府を室町に移す
  • 1392年 高麗がほろび、李氏朝鮮がおこる
  • 足利義満により南北朝が統一される
  • 1397年 足利義満が金閣を建てる
  • 1402年 足利義満が倭寇を禁止する
  • 1404年 日明貿易(勘合貿易)を始める
  • 1429年 播磨の土一揆が起こる
  • 1457年 コシャマインの戦いが起こる
  • 1467年 応仁の乱(~1477年)
  • 1485年 山城国一揆が起こる
  • 1488年 加賀の一向一揆が起こる
  • 1489年 足利義政が銀閣を建てる
  • 1495年 北条早雲が小田原城を奪う
  • 1543年 ポルトガル人が種子島に漂着、鉄砲を伝える
  • 1549年 フランシスコ・ザビエルキリスト教を伝える
  • 1553年 川中島の戦い
  • 1560年 桶狭間の戦い
  • 1568年 織田信長が京都に入る
  • 1573年 信長が足利義昭を河内へ追放、室町幕府が滅びる

室町幕府の将軍

室町幕府の将軍は15人、特に足利尊氏、義満、義政、義昭の名前は覚えておきましょう。

初代 1338-1358年 足利尊氏
(たかうじ)
鎌倉幕府をたおす、建武式目制定
2代 1358-1367年 足利義詮
(よしあきら)
3代 1368-1394年 足利義満
(よしみつ)
南北朝統一、金閣、日明貿易、側室に春日局
4代 1394-1423年 足利義持
(よしもち)
5代 1423-1425年 足利義量
(よしかず)
6代 1429-1441年 足利義教
(よしのり)
恐怖政治、嘉吉の乱で殺される
7代 1442-1443年 足利義勝
(よしかつ)
8代 1449-1473年 足利義政
(よしまさ)
応仁の乱、銀閣、正室に日野富子
9代 1473-1489年 足利義尚
(よしひさ)
10代軍 1490-1493年 足利義材
(よしき)
11代 1495-1508年 足利義澄
(よしずみ)
(10代) 1508-1522年 足利義稙
(よしたね)
義材が改名、再度将軍職に
12代 1521-1546年 足利義晴
(よしはる)
13代 1546-1565年 足利義輝
(よしてる)
14代 1568年 足利義栄
(よしひで)
15代 1568-1588年 足利義昭
(よしあき)
信長と対立、1573年に京都を追放される
広告

室町時代の出来事

室町時代の主な出来事を見てみましょう。

室町幕府の成立

後醍醐天皇は天皇中心の政治を行おうと、御家人の足利尊氏、新田義貞、悪党(※)の楠木正成の協力を得て、鎌倉幕府を倒しました。新しい天皇中心の政治(建武の新政)を始めましたが、武士の不満を買います。

悪党…鎌倉時代後期にあらわれた、幕府や荘園の領主に従わず、年貢などを奪う武士集団。

後醍醐天皇の命に背き、京都を攻撃した尊氏は新田義貞、楠正成らに敗北、九州に逃れますが再び京都に兵を進め、湊川の戦いで新田義貞、楠正成らに勝利します。

尊氏軍が勝利して建武の新政が終わり、後醍醐天皇は吉野(奈良)に逃れました。尊氏は光明天皇を新しい天皇にたてて室町幕府を開きます。南北朝時代の始まりです。

北朝…京都(幕府側の天皇、光明天皇)/南朝…吉野(後醍醐天皇)

光明天皇の兄である光厳(こうごん)天皇は、後醍醐天皇が即位を認めませんでした。弟の光明天皇が即位した後、上皇として院政を行いました。

足利尊氏は建武式目を制定し、武家政治の方針を示しました。

室町幕府では将軍の補佐役として、執権の代わりに管領がおかれるようになります。

管領には細川氏、斯波(しば)氏、畠山氏が交代で任命されました。

公家の北畠親房は歴史書「神皇正統記(じんのうしょうとき)」を著し、南朝の正当性を説きました。

南北朝の統一

朝廷が北朝と南朝に分かれ、全国の武士が2つの勢力に分かれ、争いが60年も続きました。このような南北朝の騒乱の中、守護は守護大名という一国を支配する領主へと成長していきます。

第3代将軍足利義満は南朝の後亀山天皇から三種の神器を譲り受け、南北朝を統一しました(1392年)。

日明貿易

室町時代、東アジアの海域で海賊が活動するようになり、彼らは倭寇と呼ばれ恐れられました。明や朝鮮から倭寇を取り締まるよう要請され、将軍足利義満は倭寇を禁止します。

義満は明と貿易を始めます。正式な貿易と倭寇を区別するために勘合(合札)を用いたので、日明貿易勘合貿易とも呼ばれています。主な輸入品は銅銭、輸出品はでした。

応仁の乱

8代将軍足利義政のときに、将軍の跡継ぎ争いが起こります。義政はあまり政治に興味がない将軍でした。

足利義視(よしみ) … 義政の弟、義政に後継ぎがいなかったため、養子にした

足利義尚(よしひさ) … 義政と正室日野富子の子

将軍の補佐役である細川家、侍所の所司である山名家で幕府の実権をめぐる争いが、さらに畠山氏と斯波氏の相続争いも起こります。細川勝元は将軍の味方という大義名分を掲げます。

東軍 西軍
足利義視側(義政の弟) 足利義尚側(義政の子)
総大将(管領):細川勝元 総大将(所司):山名宗全
畠山政長 畠山義就(はたけやまよしひろ)
斯波義敏(しばよしとし) 斯波義廉(しばよしかど)

しかし途中で義視は京都から逃亡、義尚、義政、日野富子は細川家に、義視は山名家の側につき、将軍の東西が入れ替わることになります。

多数の武士が参加して戦乱が日本全国に広まり、京都を中心に1467~1478年まで11年間という長い戦乱が続きました。この戦乱を応仁の乱といいます。これが戦国時代の始まりです。

京都は焼け野原に、将軍の権威が失墜する結果となりました。

室町時代の産業と村の自治

室町時代には同業者の組合ができ、運送業が発達しました。農村では自治組織が発達、一揆も起こるようになります。

室町時代の産業

農業では二毛作が広まりました。麻、桑、茶、綿の栽培、養蚕などがさかんになりました。鍛冶や鋳物業もさかんになりました。

商工業者はという同業者の組合を作るようになり、土倉(どそう)、酒屋が金貸し業を営むようになります。

また定期市が月に6回開かれるようになりました。→宋銭明銭が使われる。

室町時代の運送業(馬借・問)

馬借、車借と呼ばれる運送業者があらわれました。運送業+倉庫業を行ったのがです。

馬借 … 馬を使った陸上輸送業

車借 … 牛に荷車を引かせる陸上輸送業

(問丸)… 主に船を使った海上輸送業と倉庫業

室町時代の農村

農村にはという自治組織が発達して、寄り合いを開いて村の掟を決めました。

一揆

一揆は幕府や守護、領主に反抗して武士や農民、一向宗の信徒が集団で起こした暴動のことをいいます。

1428年 正長の土一揆(しょうちょうのつちいっき・近江の馬借や京都の農民が徳政令を求め、寺院や土倉をおそった)

1485年 山城国一揆(やましろのくにいっき、国人=地侍が畠山氏の軍の退去を要求、自治を行った)

1488年 加賀の一向一揆(一向宗の信徒が守護をたおして、約100年間自治を行った)

広告

室町時代の文化とその特徴

室町時代の文化は将軍義満のころの北山文化、義政の頃の文化を東山文化と分けることがあります。

北山文化

北山文化は貴族と武士の文化が融合してできたのが特徴です。

金閣(鹿苑寺)

水墨画が発達

観阿弥・世阿弥(能楽)の大成(観阿弥「風姿花伝」)

狂言 … 能の合間に演じられた喜劇

平安時代からあった田楽・猿楽(さるがく)が、観阿弥・世阿弥によって能に大成されました。

東山文化

東山文化は禅宗の影響を受け、武士中心の簡素で品のあるのが特徴です。

銀閣(慈照寺)→ 書院造

雪舟水墨画 「四季山水図」「天橋立図」

連歌(和歌の上の句(五七五)と下の句(七七)を2人以上の人が次々と詠み合う)

・茶の湯

・生け花

御伽草子「浦島太郎」「一寸法師」

【問題編】室町時代の基本を確認

問1 1338年、室町幕府を開いたのは誰ですか。

▼答え

問2 問1の人物が擁立した北朝の天皇は次の誰ですか。

後醍醐天皇・光厳天皇・光明天皇

▼答え

問3 南朝を立てた天皇は誰ですか。

▼答え

問4 南北朝を統一した将軍は誰ですか。

▼答え

問5 室町幕府では将軍の補佐役をなんといいますか。

▼答え

問6 問3には(   )氏、斯波氏と(   )氏が交代でついた。(   )に入る名前を答えなさい。

▼答え

問7 義満は日明貿易で合い札の証明書を貿易船に持たせた。この合い札のことを何といいますか。

▼答え

問8 問5でなぜそのような合い札を持たせたのですか。

▼答え

問9 義満の行った日明貿易で、日本は主に何を輸入しましたか。

▼答え

問10 義満の行った日明貿易で、日本は主に何を輸出しましたか。

▼答え

問11 8代将軍足利義政のとき、将軍の後継問題や細川氏・山名氏の対立が原因で起きた争乱を何といいますか。

▼答え

問12 問9は何年に起きましたか。

▼答え

問13 山城で国人が起こした一揆を何といいますか。また何年に起きましたか。

▼答え

問14 1428年、近江の馬借や京都の農民が徳政令を求め、寺院や土倉をおそったことを何というか。

▼答え

問15 1488年、一向宗の信徒が守護をたおして、約100年間自治を行ったことを何といいますか。

▼答え

問16 室町時代に農村で発達した自治組織を何といいますか。

▼答え

問17 室町時代に発達した、商工業者が作った同業者の組合を何といいますか。

▼答え

問18 室町時代に陸上輸送を行った運送業者を何といいますか。

▼答え

問19 室町時代に海上輸送と倉庫業も行っていた運送業者を何といいますか。

▼答え

問20 足利義満が北山の別荘に建てた、北山文化の代表的な建築物は何と呼ばれていますか。

▼答え

問21 観阿弥・世阿弥親子が大成したものは何ですか。

▼答え

問22 足利義政が建てた銀閣は何という建築様式ですか。

▼答え

問23 水墨画を大成した人物は誰ですか。

▼答え

問24 能の合間に演じられる、喜劇を何といいますか。

▼答え

問25 「神皇正統記」を著して、南朝の正当性を説いたのは誰ですか。

▼答え

まとめ

室町時代の出来事や産業、文化の基本を確認してきました。

室町幕府の成立と南北朝の分裂、日明貿易、応仁の乱は特に重要なところです。また室町時代の産業の発展、惣、一揆、文化も覚えておきましょう。

次の単元

社会の目次はコチラ→