圧力の計算問題について今回は解説します。圧力の公式を覚えてもどうも計算で引っかかりやすい、という声が中学生の生徒からよく聞こえてきます。おそらく小数の計算が苦手な人が多いからかもしれませんね。
圧力の基本の計算方法と、解きやすくなる圧力の計算方法を解説しますので、圧力の計算問題が苦手という人はぜひ解説を読み、練習問題にもチャレンジしてみてくださいね。
圧力の公式
圧力(単位Pa・パスカル)は、1m2の面積にかかる力(N)を表すものです。下のような公式で圧力が求められます。
$$圧力(Pa)={力の大きさ(N)\over 力を受ける面積(m^{2})}$$
力の大きさの単位はN、面積の単位はm2になっているので注意してください。1Paは1N/m2と表すこともあります。
同じ力の大きさがかかっているとき、力を受ける面積が小さいほど圧力が大きくなります。
スニーカーで足を踏まれたときより、ハイヒールのかかとで踏まれたときの方が痛いのは想像できますよね。ハイヒールのかかとの面積は小さいため、踏んだ人の体重がそれほど重くなくても大きな圧力が足にかかるからです。
圧力の計算方法(例題)
例題1 基本の圧力の計算問題
1.5Nの力が面積0.3m2の面に垂直にはたらいているとき、圧力は何Paになるか。
圧力は力の大きさ(N)÷面積(m2)で求められるので、1.5÷0.3=5Paと求めることができます。
例題2 圧力を利用する計算問題
圧力が20Paのとき、2m2の面にはたらく全体の力は何Nになるか。
圧力は1m2あたりの力(N)を表したものなので、圧力(Pa)×面積(m2)でその面にはたらく力が求められます。
よって、20×2=4Nになります。
例題3 単位の換算が必要な圧力の計算問題
1.8Nの力が、面積300cm2の面にかかっているとき、圧力は何Paになるか。
1m2=10000cm2なので、300cm2=0.03m2となります。よって1.8÷0.03=60Paとなります。
最初に単位の換算をせずに、1.8÷300×10000=60Paと面積をcm2のままでわり算して、最後に10000をかけてPaを求める方法もあります。
cm2からm2に換算すると小数の0が多くなるときは、最後に10000をかけた方が解きやすいこともあります。
問題編 圧力の計算問題
質量100gにかかる重力を1Nとして、次の問いに答えなさい。なお床は水平な床とする。
問1 質量1.6kg、底面積4m2の物体が、床に置かれている。この物体が床におよぼす圧力は何Paか。
答えを確認問2 300Paの圧力が1.5m2の面にはたらいているとき、この面が受ける力は何Nになるか。
答えを確認問3 底面積400cm2で2kgの直方体が床に置かれている。この物体が床におよぼす圧力は何Paになるか。
答えを確認問4 1.5kgの直方体を下の図のように床に置いた。この直方体が床を押す圧力は何Paか。
答えを確認問5 下の図のような1kgの直方体を床に置いた。この直方体が床を押す圧力が最も大きくなるようにするには、ABCのどの面を下にしたときか。またそのときの圧力も答えなさい。
答えを確認まとめ
圧力の計算問題の解説、いかがでしたでしょうか。
圧力(Pa)の公式は
$$圧力(Pa)={力の大きさ(N)\over 力を受ける面積(m^{2})}$$
ですが、必ずしも問題文でNやm2の単位が使われているとは限りません。使われていないときは単位を換算してから、計算するようにしてください。
特に力がはたらく面積が小さいとき、m2単位だと0の多い小数になって計算ミスが出やすくなります。計算ミスに気をつけてくださいね。cm2のままで計算して、あとから10000倍しても良いでしょう。