中学受験算数で扱われるニュートン算、今回は「牧草は何日でなくなるか」という問題の解き方、例題を紹介します。草が1日で生える量、はじめの草の量を求めるのがポイントです。
ニュートン算は難しいと思われがちですが、必ずしも線分図を書く必要はありません。「1あたり」を求める文章題が解ければ、ニュートン算の解き方をマスターできるでしょう。
ニュートン算「牧草」問題の考え方
【例題】ある牧場で牛を30頭はなすと牧草が4日でなくなり、牛を15頭はなすと牧草が10日でなくなります。
(1) 牛が何頭以下だと牧草がなくなりませんか。
(2) 55頭牛をはなすと、牧草は何日でなくなりますか。
はじめに生えていた牧草の量と、後から生えてきた牧草の量を合わせたものが、牛たちが食べた牧草全体の量になります。
(1) 1日で牛が食べる牧草の量を1とします。
牛を30頭はなすと牧草が4日でなくなる → \(30×4=120\) …★
牛を15頭はなすと牧草が10日でなくなる → \(15×10=150\)
1日で生えてくる牧草の量は10日-4日(=6日)で150-120(=30)であることから、
\((150-120)÷(10-4)=5\) …1日で生える牧草の量
わかりづらければ線分図を利用してください。
牛1頭が1日に食べる牧草の量を1とおいたので、
1日で生える牧草の量=牧草がなくならない牛の最大数
となります。
1日に生える草の量が5なので、牛が5頭以下だと1日で生える牧草の量以下しか食べられず、最初に生えていた牧草まで食べられません。
(1) の答え … 5頭以下
(2) (1)より1日に生える牧草の量は5、牛を30頭はなすと牧草が4日でなくなる(★)ことから、
\(120-5×4=100\) … はじめに生えていた牧草の量
55頭の牛をはなすと1日で牛たちが食べる牧草の量は55になります。
毎日生える牧草の量=5を食べて、さらに残りの
\(55-5=50\)
の牧草を、はじめに生えていた牧草から食べることができるので、
\(100÷50=2\)日
よって55頭の牛だと2日で牧草がなくなります。
(2)の答え … 2日
ニュートン算「牧草」問題
【問題】ある牧場で牛を30頭はなすと牧草は48日でなくなり、牛を40頭はなすと牧草が32日でなくなります。
(1) 牛が何頭以下だと牧草がなくなりませんか。
(2) 58頭牛をはなすと、牧草は何日でなくなりますか。
まとめ
「牧草がなくなる日数」を求めるニュートン算では、1日で牛が牧草を食べる量を1とおき、牧草が1日で生える量、はじめの牧草の量を求めるのがポイントになります。
〇頭だと△日、●頭だと▲日で牧草がなくなるとき、(△>▲のとき)
(〇×△-●×▲)÷(△-▲)=牧草が1日で生える量
牧草が1日で生える量は、牧草がなくならない牛の最大数にあたります。
はじめの牧草の量は
〇×△-牧草が1日で生える量=はじめの牧草の量
で求められます。さらに□頭だと牧草が何日でなくなるかというと、
はじめの牧草の量 ÷(牛の頭数-牧草が1日で生える量)=牧草がなくなる日数
で求められます。