中学受験算数で扱われるニュートン算、今回は「行列は何分でなくなるか」という問題の解き方、例題を紹介します。映画館やコンサート会場、野球場などの入場口やチケット売り場に関するものが、よく出題されます。
ニュートン算は難しいと思われがちですが、特に今回紹介するニュートン算の行列に関する問題は線分図を書かなくても解けますので、比較的取り組みやすいと思いますよ。
ニュートン算「行列」問題の考え方
【例題】ある会場の入口に100人の行列が並んでいて、毎分5人がこの行列に加わります。入場口を1つあけると、行列が10分でなくなります。
(1) 入場口1つで1分何人の人が会場に入れますか。
(2) 入場口を2つあけると、何分で行列がなくなりますか。
(1) まずは行列がなくなった10分間で、何人の人がこの会場に入ったのかを考えます。
はじめに並んでいた100人の人に加え、毎分5人が10分の間に行列に加わってきたので
\(100+5×10=150\)人…10分で入場した人の数
つまり1つの入場口から10分で150人の人が会場に入場したことになるので、
\(150÷10=15\)人
(1) の答え … 15人
(2) 1つの入場口から1分で15人の人が入るので、2つの入場口で
\(15×2=30\)人
より、1分で30人の人が会場に入れます。
毎分5人がこの行列に加わるので、2つの入場口だとこの30人のうち5人は行列に加わる分を会場内に入れることができ、
残りの
\(30-5=25\)人
は、はじめに並んでいた100人の人から、1分で25人会場内に入れることができます。
\(100÷25=4\)分
よって4分でこの行列がなくなります。
(2)の答え … 4分
ニュートン算「行列」問題
【問題】会場入り口に600人の行列が並んでいて、毎分6人がこの行列に加わります。入場口を1つあけると、行列が100分でなくなります。
(1) 入場口1つで1分何人の人が会場に入れますか。
(2) 入場口を3つあけると、何分で行列がなくなりますか。
まとめ
「行列が何分でなくなるか」を求めるニュートン算では、はじめに並んでいた人の数と毎分行列に加わる人数、1つの入口(窓口)で何分で行列がなくなったかわかっているとき、次のような手順で解くことができます。
はじめに並んでいた人数+毎分加わる人数×行列がなくなった時間…入場した人数
入場した人数÷行列がなくなった時間[分]=毎分1つの入口から入る数
入口の数を□とおくと、
はじめに並んでいた人数÷(毎分1つの入口から入る数×□-毎分行列に加わる数)=行列がなくなる時間[分]
これで、行列が何分でなくなるかを求められます。