因数分解をたすきがけで解くコツをまとめました。
因数分解でたすきがけを解く問題に慣れていくうちに、もっと早く解けないかな?と思う人は多いと思います。
こうすると早く解けるというコツやヒントをまとめましたので、たすきがけでやみくもに組み合わせを考えるのは面倒だ!とお考えの人は参考にしてください。
ちょっと難しいかもしれませんので、たすきがけ初心者の人にはかえって「?」となってしまうかもしれません。まだたすきがけの手順そのものに慣れていない人は基本の解き方を確認してから読んでみてください。
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因数分解をたすきがけで簡単に解くコツ
\(acx^2+(ad+bc)x+bd\)の因数分解をたすきがけで解くとき、下のように数字をかいて考えます。
例えば\(6x^2 -x-2\)なら、
より、因数分解をすると\((2x+1)(3x-2)\)となります。この仕組みがわかっても\(a,b,c,d\)に当たる数字をすぐに見つけにくいことがあります。
このとき\(ac、(ad+bc)、bd\)にあたる3つの数字に1以外共通の約数はないことが前提となっています。共通な約数がある場合は先に共通因数でくくります。
\(12x^2 -2x-4\)なら、\(2(6x^2 -x-2)\)としてから( )内を因数分解して、\(2(2x+1)(3x-2)\)が答えになります。
したがって次のようにたすきがけして\((4x+2)(3x-2)\)を答えにするのは間違いです。
aとb、cとdで(1以外の)公約数がない(※)のも、たすきがけを解くときのポイントになります。(※1以外の公約数がないことを「互いに素」といいます。)
acが素数のとき
\(acx^2+(ad+bc)x+bd\)で\(ac\)が素数の場合は暗算で解いたり、場当たり的に解いてもすぐに答えが求められることがあります。
ただしちょっとした暗算をすることで、少し早く求めることもできます。
例えば\(3x^2 +8x+5\)は\(ac\)にあたる\(x^2\)の係数が素数のため、組み合わせが1つ(\(3, 1\))しか考えられません。
\(a,c\)だけたすきがけにあてはめて考えると、下の図のようになります。
\(3d=D\)とすると、bD=15、b+D=8となるような組み合わせを考えれば良いことになります。これなら簡単、\(5\)と\(3\)ですよね。\(5\)は\(3\)で割りれないから\(D=3d=3\)、\(d=1\)と見当がつきます。
理屈がわかりにくいかもしれませんが、要はかけてabcdの値になるもの、たして\(ac+bd\)になる数字の組み合わせを探せば良いということです(acが素数のとき)。
例題 \(7x^2+20x-3\)を因数分解しましょう。
\(7x^2+20x-3\)なら、かけて\(7\times 3=-21\)、たして\(20\)になる組み合わせを考えると\(21\)と\(-1\)になります。\(21\)は\(7\)でわりきれて\(3\)になるので、下の図のようにたすきがけできます。
ということで\((7x-1)(x+3)\)が答えになります。
acが素数でないとき
\(ac\)の部分が\(6\)だったり\(12\)だったりすると、いくつかの組み合わせが考えられ、やみくもにたすきがけしても時間がかかってしまいます。
\(ac\)が素数でないときも上と似たような手順で解くことができます。
まずは上の\(bc\)、\(ad\)を求めるため、かけてabcd、たしてad+bcとなる組み合わせを考えます。
例題 \(12x^2 +29x-8\)を因数分解しましょう。
\(12x^2 +29x-8\)を因数分解したいとき、まずは\(ac\)にあたる数\(12\)を\(-8\)にかけ、\(-96\)が求められます。そこでかけて\(-96\)、たして\(29\)になる組み合わせを考え、\(32\)と\(-3\)を考えます。
ここでかけて\(ac\)つまり\(12\)になる組み合わせは\((1,12)、(2,6)、(3,4)\)などが考えられますが、
\(32\)が\(4\)の倍数、\(-3\)が\(3\)の倍数であることから\(a=3\)が\(c=4\)とわかり、
上のたすきがけより\((3x+8)(4x-1)\)と因数分解することができます。
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【問題編】たすきがけの因数分解
問 次の式を因数分解しましょう。
(1) \(5x^2 +33x-14\)
→答え(2) \(6x^2 +17x+12\)
→答え