古典文法 形容詞のク活用・シク活用まとめと問題

古典文法 形容詞のク活用・シク活用まとめと問題

今回は古文形容詞のク活用・シク活用に関するまとめと、活用表の問題です。

古文の形容詞は「よし」「をかし」「うつくし」「かなし」など、「し」で終わるのが特徴です。古文の形容詞にはク活用とシク活用の2種類の活用のしかたがあり、それぞれに補助活用のカリ活用があります。

ク活用・シク活用の活用のしかた、活用例、ク活用・シク活用の見分け方、音便、形容詞の語幹用法についても確認します。

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古文形容詞 ク活用とシク活用

古典文法 形容詞のク活用・シク活用まとめと問題

形容詞には「よし」「つらし」「にくし」などのク活用と、「をかし」「うつくし」「めづらし」などのシク活用をするものがあります。

ク活用とシク活用のの活用表と活用例、ク活用とシク活用の形容詞の見分け方、音便と語幹用法について見ていきます。

ク活用・シク活用の活用表

ク活用とシク活用の活用表です。未然形は「ば」「ず」、連用形は「て」、連体形は「とき」、已然形は「ども」に続く形です。それぞれの活用の上段が本活用で、下段が補助活用(カリ活用)です。カリ活用はラ変型の活用です。

















よし (く)

から

かり

かる

けれ

かれ

をかし をか (しく)

しから

しく

しかり

しき

しかる

しけれ

しかれ

「いみじ」「すさまじ」のように濁点で終わる形容詞は、じく・じから、じく・じかり…のように「゛」をつけて活用します。

▼動詞の活用9種類と見分け方はコチラの記事を

参考:古典文法 動詞の活用の種類・見分け方のまとめと問題

ク活用の活用形 例

ク活用の形容詞は、次のように活用します。

・よし+ば → よくば(未然形)

※「未然形+ば」で順接の仮定条件(もし~ならば)

・よし+ず → よからず(未然形)

・なし+て → なくて(連用形)

・なし+けり → なかりけり(連用形)

・つらし+と → つらしと(終止形)

・つらし+こと → つらきこと(連体形)

・なし+べし → なかるべし(連体形)

※ 助動詞「べし」はラ変型の活用は連体形に接続

・くらし+ば → くらければ(已然形)

※「已然形+ば」で順接の確定条件(~ので)、偶然条件(~と)など

・よし→ よかれ(命令形)

シク活用の活用形 例

シク活用の形容詞は、次のように活用します。

・騒がし+ば → 騒がしくば(未然形)

※「未然形+ば」で順接の仮定条件(もし~ならば)

・をかし+ず → をかしからず(未然形)

・すさまじ+て → すさまじくて(連用形)

・楽し+けり → 楽しかりけり(連用形)

・をかし+と → をかしと(終止形)

・かなし+こと → かなしきこと(連体形)

・いみじ+べし → いみじかるべし(連体形)

※ 助動詞「べし」はラ変型の活用は連体形に接続

・うつくし+ば → うつくしければ(已然形)

※「已然形+ば」で順接の確定条件(~ので)、偶然条件(~と)など

・をかし→ をかしかれ(命令形)

ク活用・シク活用の見分け方

形容詞の後に「」をつけたとき、「~くは」となるのがシク活用で、「~くは」となるのがク活用になります。(動詞の「なる」を続けたときも同様です。)

例えば「苦(にが)し」に「は」をつけると「苦(にが)くは」と「し」が入りませんが、「苦(くる)し」に「は」をつけると「苦(くる)しくは」となるので、「苦(くる)し」はシク活用になります。

また現代語で「~しい」となるのはシク活用です。苦(くる)し→苦しい、うれし→うれしい、たのし→たのしい、すさまじ→すさまじい、となるので、これらはシク活用と考えられますが、重し→重い、よし→よい、わろし→わるい、となり「~しい」にはならないのでク活用とわかります。

・「は」をつけると「~しくは」になるのがシク活用、ならないのはク活用

・現代語で「~しい」になるのがシク活用、ならないのがク活用

形容詞の音便

形容詞ではイ音便、ウ音便、撥音便があります。連体形の「~き」が「~い」(イ音便)、連用形の「~く」が「~う」(ウ音便)、カリ活用連体形の「~かる」が「~ん」(撥音便)になります。

イ音便】おさなき人→おさない

音便】めづらしくて → めづらしう

音便】長かるなり → 長かんなり → 長かなり(読み方は長かんなり)

形容詞の語幹用法

形容詞の語幹用法はク活用は語幹ですが、シク活用は終止形が使われます。語幹で止めて感動を強めるもの、「語幹+の」の形で感動を強めるもの、「~を+語幹+み」で「~が…ので」という意味になるものがあります。

・語幹で止める → あなかしこ(かしこしの語幹)

・語幹+の → うつくしの花(うつくしの語幹)

・~を+語幹+み(~が…ので)→ 夜を長(長しの語幹)

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【問題編】形容詞のク活用・シク活用

次の問いに答えましょう。(答えは▶をクリック)

問1 次の形容詞の活用表を完成させましょう。















かなし
にくし
とし
すさまじ

問2 次のア~オの形容詞から、シク活用であるものをすべて選びなさい。(答えは▼をクリックして見られます)

ア わろし イ いみじ ウ つきづきし エ うし オ いとほし

▶答え

問3 [     ]内の現代語の意味になるように、(    )内の形容詞を活用しなさい。

(1) ( よし )ず [よくない]

▶答え

(2)( にくし )人 [嫌な人]

▶答え

(3)( あらまほし )べし [望ましいだろう]

▶答え

まとめ

・形容詞は「し」で終わり、ク活用・シク活用がある(それぞれの補助活用がカリ活用)

・ク活用は「く・から、く・かり、し、き・かる、けれ、かれ」

・シク活用は「しく・しから、しく・しかり、し、しき・しかる、しけれ、しかれ」

・ク活用の例は「よし」「わろし」「にくし」「苦(にが)し」

・シク活用の例は「をかし」「うつくし」「いみじ」「苦(くる)し」

・ク活用とシク活用の見分け方 →「は」をつけて「~しくは」になるものがシク活用