今回は地層のでき方についてまとめました。
特に風化や川・流れる水のはたらきによる侵食・運搬・堆積のはたらきについて、大地の変動による断層、しゅう曲などの地層の変化について学習します。
地層のでき方に関する確認問題もあります。
地層のでき方と川のはたらき
地層がどのようにできるのか、川(流れる水)のはたらきとそれによってできる地形について確認してみましょう。
地層とは
地層は土砂や火山灰などが堆積して層状になったものを指します。多くの地層は川で運ばれた土砂が河口~沿岸部に積もってできます。火山灰が堆積したり、風が砂を運んで堆積してできた地層もあります。
地層はふつう平行に積もってできますが、大地の変動により形が変化することもあります。
かぎ層
地層の中には生物の化石や火山灰が含まれる層があり、離れた地域の地層を比較するときの基準にもなります。このような広範囲に分布する特徴的な地層をかぎ層といいます。
風化と川の3つの作用
自然のはたらき(風雨、日光など)によって、岩石の表面がもろくなって崩れることを風化といいます。風化によって起こる作用を風化作用といいます。
風化した岩石は川や雨水の流れにより削られ、下流に運ばれて河口や海底に積もっていきます。
【川の3つの作用】
・侵食(浸食作用) 地表や川底の岩石をけずるはたらき
・運搬(運搬作用)けずりとった岩石を下流に運ぶはたらき
・堆積(堆積作用)河口や海底に運搬したものを積もらせるはたらき
川のはたらきでできる地形
川のはたらきによって、V字谷(Vじこく)、扇状地、三角州などの地形ができます。
・V字谷(Vじこく)川の上流に見られる、横断面がV地の形をした谷
・扇状地 山地から平野に出るところに土砂が堆積し、扇形に広がった地形
・三角州 平野から海に出る河口付近で土砂が堆積してできた、三角形の形をした地形
れき・砂・泥の堆積
れきとは石のことです。れきは粒の直径が2mm以上、砂は0.06~2mm、泥は0.06mm以下のものを指します。
粒の大きいれきは重いので下に沈みやすく、遠くまで運ばれません。粒が小さいほど軽くて沈みにくく、遠くまで運ばれます。
海水面が上昇すると沿岸部では上から泥、砂、れきの順に堆積します。海水面が下降するときは堆積物が沖の方に積もっていくため、沿岸部では上かられき、砂、泥の順に堆積し、粒の大きなものが上に堆積することがあります。
地層の変化(断層・しゅう曲・不整合)
大地の変動によって断層、しゅう曲、不整合が起き、地層が変化することがあります。
断層
地層が横に引っ張られたり横から押されることで、地層が切れてずれたものを断層といいます。
横に引っ張る力でできた断層を正断層といいます。
、
横から押される力でできた断層を逆断層といいます。
横に引っ張る力でできた断層(正断層)か、押す力でできた断層(逆断層)かを、図を見て答えさせる問題もよく出題されます。
どうして上のようなずれが起きるのかわからないという方は、両手の手のひらを使って断層のずれを実感してみましょう。両手の手のひらを合わせて右手を上側にして斜めに倒します。手のひらを合わせたまま両手を引っ張ると右手が下の方に下がり(正断層)、両手を押したときは右手が上の方にずれていく(逆断層)でしょう。
その他に、水平方向にずれる水平断層(水平ずれ断層・横ずれ断層)もあります。
しゅう曲
地層に両端から押す力が加わり、水平だった地層が曲がってしまうことをしゅう曲といいます。
不整合
ふつう地層は平行に重なっていますが、何らかの原因で平行に重なっていない地層もあります。平行に重なっているものは整合、そうでないものを不整合といいます。
海底に堆積した地層が陸上に出たとき、風化・侵食を受けたのが原因で、地層の境目がはっきりしないものも不整合で、そのような部分を不整合面といいます。
隆起と沈降
土地が周囲より上昇することを隆起、土地が周囲より下降することを沈降といいます。
プレートの運動により隆起が起こります。断層やしゅう曲もプレートの運動によるものです。
山脈、山地 … 土地の隆起
海岸段丘 … 海岸線の隆起と波の侵食による階段状の地形
河岸(かがん)段丘 … 川での土地の隆起と侵食による階段状の地形
リアス海岸 … 土地の沈降や海面上昇などにより、谷に海水が侵入してできた海岸
【問題編】地層のでき方と川のはたらき
問1 生物の化石や火山灰などが含まれた、離れた地域の地層を比較するときの基準となる地層は何といいますか。
→答え問2 長い期間風雨や日光、空気にさらされることで、岩石がもろく崩れる現象をなんといいますか。
→答え問3 川の水が地表や川底の岩石をけずるはたらきを何といいますか。
→答え問4 川の水がけずりとった岩石を下流に運ぶはたらきを何といいますか。
→答え問5 川の水が河口や海底に運搬したものを積もらせるはたらきを何といいますか。
→答え問6 川の上流に見られる、横断面がV地の形をした谷を何といいますか。
→答え問7 山地から平野に出るところに土砂が堆積し、扇形に広がった地形を何といいますか。
→答え問8 平野から海に出る河口付近で土砂が堆積してできた、三角形の形をした地形を何といいますか。
→答え問9 海底の河口付近で堆積しやすいのは、れき、砂、泥の中のどれですか。
→答え問10 地層が横に引っ張られたり横から押されることで、地層が切れてずれたものを何といいますか。
→答え問11 問10で、特に地層が横に引っ張られてできたものを何といいますか。
→答え問12 地層に両端から押す力が加わり、水平だった地層が曲がってしまうことを何といいますか。
→答え問13 地層が下の図のようにある層から平行になっていないことがありますが、これを何といいますか。
→答え問14 土地が周囲から上昇することを何といいますか。
→答え問15 海岸線で起きる問14の現象と、波による侵食でできた、階段状の地形を何といいますか。
→答えまとめ
地層のでき方について確認してきました。地層は主に川(流れる水)のはたらきで河口~沿岸に土砂などが積もってできます。プレートの運動により地層が変化することもあります。
風化+川のはたらき「侵食+運搬+堆積」→ 地層
粒の大きい順にれき・砂・泥(粒が小さいほど沖に運ばれる)
※かぎ層 → 特徴的な地層で離れた地域の地層を比較する基準に
地層の変化 … 断層(正断層・逆断層)、しゅう曲、不整合
隆起と沈降 … 海岸段丘、河岸段丘、リアス海岸