中1理科 地震の伝わり方と計算問題

  • 2018.12.18
  • 理科
中1理科 地震の伝わり方と計算問題

今回の中学理科は地震のゆれの伝わり方と、地震の計算問題を中心にまとめました。

地震のゆれの伝わり方、P波とS波、初期微動と主要動、初期微動継続時間、P波・S波の速さの求め方、地震が発生した時刻の求め方について学習します。

最後にチェック問題もありますので、ぜひチャレンジしてみてください。

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地震のゆれの伝わり方

 

中1理科 地震の伝わり方と計算問題

地震の波は震源から同心円状に伝わります。

▼震源や地震の大きさについてはコチラ

参考:中1理科 地震の発生場所と大きさ(震度とマグニチュード)まとめ

地震の波には2種類あり、速い方の波をP波(Primary Wave)、遅い方の波をS波(Secondary Wave)といいます。P波は秒速6~8km、S波は秒速3~5kmとなります。(秒速自体は覚えなくても良いですが、知っていると選択問題で有利になるかもしれません。)

初期微動と主要動とは

初期微動P波による小さな地震のゆれのことです。主要動S波による大きな地震のゆれのことです。P波の方が速く伝わるので、地震が起きたとき先に初期微動、後で主要動がきます。

P波は縦波、S波は横波です。P波は液体でも固体でも伝わりますが、S波は液体中は伝わりません。

初期微動継続時間とは

初期微動が続いている時間、つまりP波が届いてからS波が届くまでの時間を初期微動継続時間といいます。震源から近いほど初期微動継続時間が短く、震源から遠いほど初期微動継続時間が長くなります(震源からの距離と初期微動継続時間は比例関係)。

震源からの距離が異なる2地点で、ある地点で発生した地震を地震計で記録すると以下のようになります。

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地震の計算問題

中1理科 地震の伝わり方と計算問題

地震計の記録やグラフから、P波・S波の速さを求めたり、地震の発生時刻を求める問題です。

P波・S波の速さの問題

下の図はある地点で起きた地震の、P波、S波が到達した時刻と距離のグラフです。P波、S波の速さ(秒速)を求めましょう。

P波はグラフより40kmの距離を5秒かけて進んでいます。よってP波の秒速は 40÷5=8(km/s)となります。

S波はグラフより40kmの距離を10秒かけて進んでいます。よってS波の秒速は 40÷10=4(km/s)となります。

また震源より40km地点での初期微動継続時間は、10-5=5(秒)と求められます。

実際の問題ではどちらがP波、S波かははっきり書いていなかったり、地震発生からの時間でなく時刻で表されていることもあります。P波の方が速いので、傾きが大きい方がP波になります。時刻で表されているときは時刻を引き算して、かかった時間に注目するようにしてください。

地震の発生時刻を求める問題

下の図はある地点で起きた地震の、震源からの距離が異なる2地点での地震計の記録を表したものです。地震が発生した時刻を求めてみましょう。

震源から35km時点でゆれ始めたのは8時10分35秒、105km時点でゆれ始めたのは8時10分45秒です。

この地震の波(P波)は105-35=70km進むのに、8時10分45秒-8時10分35秒=10秒かかっています。よってこの波の秒速は、70÷10=7(km/s)とわかります。

35km地点までにこの波が伝わるのに、35÷7=5秒かかっていることになるので、8時10分35秒-5秒=8時10分30秒がこの地震の発生時刻であることがわかります。

今回はP波を利用しましたが、S波が届いた時刻を利用しても同じように解くことができます。

グラフの読み取りでミスのないようにしましょう。また、グラフなしの文章問題で、発生時刻を求めさせる問題も多いです。

【問題編】地震の伝わり方と計算問題

中1理科 地震の伝わり方と計算問題

問1 次の(    )に適切な語句を入れなさい。

地震が発生すると(    )状に(    )として伝わる。

→答え

問2 P波とS波ではどちらの方が伝わる速さが速いですか。

→答え

問3 P波とS波ではどちらの方が大きなゆれを起こしますか。

→答え

問4 P波による地震のゆれのことを何といいますか。

→答え

問5 S波による地震のゆれのことを何といいますか。

→答え

問6 P波が届いてからS波が届くまでの時間を何といいますか。

→答え

問7 問6 の時間は震源からの距離とどのような関係がありますか。

→答え

問8 ある地点で地震が発生し、震源からの距離が45.5kmの地点をA地点、震源からの距離が91kmの地点をB地点とします。A地点、B地点にP波とS波が到達した時刻を下表にまとめました。次の問いに答えなさい。

A地点 B地点
P波 10時37分22秒 10時37分29秒
S波 10時37分28秒 10時37分41秒

(1) P波の秒速を求めなさい。

→答え

(2) S波の秒速を求めなさい。

→答え

(3) 震源から136.5km地点での初期微動継続時間は何秒と考えられますか。

→答え

(4) 地震が発生した時刻を求めなさい。

→答え
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まとめ

地震の伝わり方と2つの地震の波(P波・S波)と2つのゆれ(初期微動・主要動)、地震の発生時刻の求め方について見てきました。

地震の伝わり方 … 同心円状に波として

P波 → 最初に伝わる波、小さなゆれ(初期微動)

S波 → 後から伝わる波、大きなゆれ(主要動)

初期微動継続時間は震源からの距離と比例関係

震源からの距離、ゆれ始めの時刻がわかっているときは、距離の差を時刻の差で割れば波の速さがわかります。そして波の速さをもとに地震の発生時刻を求めることができます。