中学受験 流水算を比を使って解く方法と問題まとめ【逆比がポイント】

中学受験 流水算を比を使って解く方法と問題まとめ【逆比がポイント】

中学受験だけでなく、公務員試験、SPIでも出題される流水算問題、今回は比を使って解く方法を解説しています。

川の速さ、船の上りと下りの時間だけで静水時の速さを知りたい!というときに比を使います。

時間の逆比が速さの比になることを利用、また上りと下りの速さの比の差が何を表しているのか…を理解できれば、このタイプの問題が解けるようになります。

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流水算を比で解く方法

流水算は、

静水時の船の速さ-川の流れの速さ=上りの速さ

静水時の船の速さ+川の流れの速さ=下りの速さ

が基本になりますが、下のような問題ではどうでしょうか。

問題】流れの速さが時速4kmの川があります。船で川を上ると5時間、下ると4時間かかりました。この船の静水時の速さは時速何kmですか。

上りと下りの時間はわかっているけれど、速さがわかっていません。せめて川の距離がわかっていればそこから速さを求めることができるのですが、それもわかりません。

方程式を使えば解けますが、ここは流水算らしく比を使って解いていきます。

流水算の基本に関してはコチラの記事を

関連記事:中学受験 流水算問題の考え方と解き方【基本を確認】

時間の逆比が速さの比

仮に川の距離が20kmだったとします。そうすると川を上ったときの速さは\(20÷5=4\)より時速4km、下るときの速さは\(20÷4=5\)より時速5kmとなります。正確な距離ではないので速さではなく「速さの比」が4:5となります。

この距離をいくつに設定しても速さの比は4:5になります。時間の逆比が速さの比になります

時間の比がa:b 速さの比がb:aになる

上りの速さ、下りの速さ、静水時の速さを線分図を使って表すと、下のようになります。

図より上りの速さと下りの速さの比の差は、川の流れの速さ(時速4km)の2倍にあたる時速8kmになります。

上りの速さを時速\(x\)kmとすると

\(4×2:x=1:4\)

\(x=32\)

静水時の速さは上りの速さに川の速さを加えればよいので、

\(32+4=36\)より時速36kmとなります。

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【問題編】流水算を比を使って解いてみよう

問 流れの速さが時速3kmの川があります。船で川を上るのに4時間30分、下るのに3時間かかりました。この船の静水時の速さは時速何kmですか。

▼解説と答えを見る

まとめ

川の速さ、上りと下りでかかる時間がわかっている流水算では、

  • 上りと下りの時間の比の逆比=速さの比
  • 速さの比の差が川の速さの2倍
  • 上り(下り)と川の速さで比の式をたてる
  • 上りの速さ+川の速さ(下りの速さ-川の速さ)で静水時の速さを求める

という手順で解くことができます。

上りと下りの速さの比の差は川の速さを2倍することに注意しましょう。