中学国語文法 品詞の種類と見分け方まとめと問題

中学国語文法 品詞の種類と見分け方まとめと問題

中学国語や中学受験でも必要になる品詞の見分け方。どれがどの品詞なのかよくわからないという人も少なくないのではないでしょうか。

今回は10種類ある品詞の見分け方と、その特徴について解説、練習問題も準備しました。各品詞の解説を読んだ上で練習問題にチャレンジしてみてくださいね。品詞を見分けるのが自信ないという人も、これで得意になれるかも!?

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品詞の種類【自立語と付属語】

単語はこれ以上分けられない言語の単位です。単語を大まかに分けると自立語と付属語に分けられます。

  • 自立語…単独で意味がわかるもの
  • 付属語…単独で意味がわからないもの(自立語に意味を添える)

さらに種類分けされたものが品詞です。名詞、動詞、形容詞…など全部で10種類あります。(名詞と代名詞を分けて11種類とすることもあります。)

品詞の一覧表

各品詞の種類と特徴、例を一覧表にまとめました。

自立語 活用する【用言】 動詞ウ段で終わる、例:食べる、遊ぶ)
形容詞~イで終わる、例:白い、美しい)
形容動詞~ダで終わる、きれいだ、元気だ)
活用しない 名詞【体言】(主語になる、例:花、日本)
副詞(主に用言を修飾する、例:ゆっくり、かなり)
連体詞(体言を修飾する、例:ある、この)
接続詞(文と文をつなぐ、例:だから、しかし)
感動詞(例:はい、まあ)
付属語 活用する 助動詞(文節の最後、例:れる、られる、ない)
活用しない 助詞(文節の最後、単語をつなぐ、例:が、の)

自立語と付属語、活用するかしないかという分け方も注目です。

活用する自立語

活用する自立語には動詞・形容詞・形容動詞があり、これらをまとめて用言といいます。用言は単独で述語になります。

動詞

動詞は動作や存在、状態などを表す品詞です。食べ、誘、遊、寝、泳、話、歩、見、聞、あ、い…などが動詞です。動詞の語尾(赤字の部分)を伸ばすとウの音(ウ段)になります。

「遊ない・遊ます・遊・遊とき・遊ば・遊」のように、動詞は活用します。

ウ段になるといっても学校(がっこう)、さっそく、などは動作や存在を表す用言にはなりませんし、活用もしませんので、動詞ではありません。

形容詞

形容詞は性質や状態を表す用言です。イの音で終わり、かわい、白、美し、大き、小さ、高、低、優し、厳し、難しなどの形容詞があります。

「かわいかろう・かわいかった・かわい・かわい・かわいもの・かわいければ」のように、形容詞は活用します。

台、食べたいの「たい」もイで終わりますが、「性質や状態を表し、単独で述語になる+活用する」という性質を持っていませんので、形容詞ではありません。

形容動詞

形容動詞は性質や状態を表す用言です。ダの音で終わり、穏やか、元気、静か、きれい、大変、急、などの形容動詞があります。

「きれいだろう・きれいだった・きれい・きれい・きれい・きれい花・きれいならば」のように、形容動詞は活用します。

「名詞+だ」は一つの文節になり、形容動詞と紛らわしいのでよく文法問題でも出題されます。この場合、「だ」を「な」に変えることができれば、形容動詞と判断できます。

きれい→きれい(○)

学校→学校(×)

遊ん→遊ん(×)

読んだ、読むそうだ、晴れのようだ、なども「だ」で終わりますが、これらの「だ」は助動詞(の一部)であり、形容動詞ではありません。(「そうだ」、「ようだ」の「だ」は「な」に変えられますが、形容動詞ではありません。)

活用しない自立語

活用しない自立語には名詞・副詞・連体詞・接続詞・感動詞があります。

名詞

名詞は体言ともいいます。ものの名前を表す品詞で、「が」「は」「も」などの助詞をつけて主語にすることができます。

名詞の種類

普通名詞…机、空、かばん、服、りんご、飛行機、山、国、植物

固有名詞…富士山、アメリカ、鈴木さん

数詞…三人、四枚、五匹、いくつ

代名詞…私、君、彼、あれ、ここ

形式名詞…こと、もの、とおり、とき

転成名詞…(動詞、形容詞、形容動詞が名詞化したもの)楽しみ、寒さ、重さ、流れ

例えば下のように区別されます。

通りをまっすぐ進む。→普通名詞

相生通りを歩いた。→固有名詞

彼の言うとおりだよ。→形式名詞

副詞

副詞は主に用言を修飾する品詞です。(副詞や体言を修飾することもあります。)

下の赤字部分が副詞です。

ゆっくり歩く。→「ゆっくり」が「歩く」を修飾

そっとドアを閉めた。→「そっと」が「閉めた」を修飾

ずっと先の話だ。→「ずっと」が「先」を修飾

もっとゆっくり歩きませんか。→「もっと」が副詞の「ゆっくり」を修飾、「ゆっくり」が「歩きませんか」を修飾

副詞の種類】※陳述の副詞の(  )内は副詞ではありません

・状態の副詞…ときどき、いきなり、ふと、ゴロゴロ、にっこり

・程度の副詞…かなり、とても、ちょっと、ずいぶん

・陳述の副詞…決して(~ない)、もし(~なら、~たら)、まるで(~のようだ)

連体詞

連体詞は体言を修飾する自立語です。「の、な、た、る、が」で終わります。

「の」で終わる…この、その

「な」で終わる…大きな、おかしな

「た」で終わる…たいした

「る」で終わる…いわゆる、あらゆる

「が」で終わる…わが

なお「こんな」「そんな」も「な」で終わり体言を修飾するので連体詞に分類されることもありますが、「こんなだ」「そんなだ」という形容動詞に分類されることが多いです。

接続詞

接続詞は「だから」「しかし」「つまり」「あるいは」「ところが」「しかも」など文や文節をつなぐ品詞です。

雨が降った。だから外出しなかった。(文と文をつなぐ「だから」は接続詞)

雨が降ったので、外出しなかった。(文節の一部である「ので」は接続助詞)

感動詞

感動詞は「おや」「まあ」「あら」「はい」「いいえ」「ねえ」「おはよう」「もしもし」などの、感動、応答、呼びかけ、あいさつなどを表す品詞です。

付属語

付属語には助動詞、助詞があります。単独では使えず、自立語に続けて使います。

助動詞

せる・させる、れる・られる、ない、まい、ぬ、らしい、う・よう、そうだ、ようだ、た、だ、ます…のように単独では使われない付属語でも活用するのが助動詞です。

「助動詞が活用するってどういうこと?」

「食べます」が「食べました」のように下に続く語に合わせて変化します。これが活用です。

それぞれの助動詞で受け身や尊敬、過去、完了、断定、丁寧など、さまざまな意味を添えます。述語の文末に使われることが多いです。

助詞

の、が、は、も、に、から、より…のように単独では使われない付属語で活用しないのが助詞です。

助詞の種類

・格助詞…が、から、の、へ、や、で、と、より、を、に

・副助詞…も、は、こそ、さえ、ばかり、だけ、くらい

・接続助詞…が、と、ので、から、けれど、ても、し、ながら

・終助詞…の、か、ね、よ、ぞ、わ

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10種類の品詞 見分け方

品詞の見分け方手順

品詞の見分け方は自立語か付属語か、活用するかしないか、各品詞の特徴で見分けることができます。特に自立語で活用する「用言」は言い切りの形の語尾でどの品詞か判断することができます。

自立語か付属語か

単独で文節になる、意味が通るなら自立語です。「私/納豆/食べられる」の「は」「を」「られる」は単独で文節にできないので付属語です。私、納豆、食べる(「食べ」の言い切りの形=終止形)は単独でも意味が通じるので自立語です。

付属語は活用すれば助動詞、しなければ助詞

「私/納豆/食べられる」の「は」「を」「られる」は付属語です。

「は」「を」を勝手に変化させる(活用する)ことはできませんが、「られる」は「食べられない、食べられます、食べられるもの、食べられれば」のように変化させる(活用する)ことができます。

活用できない「は」や「を」は助詞、活用できる「られる」は助動詞と判断することができます。

自立語で述語になるのは用言

「私は/納豆を/食べられる」「遊園地は/楽しかった」「桜の/花が/きれいだね」の「食べる」「楽しい」「きれいだ」はいずれも活用する自立語であり、述語になっているので用言です。

用言の見分け方は、言い切りの形(=終止形)を考えたときに、

ウ段で終わる → 動詞(例:遊ぶ、食べる、泳ぐ、など)

で終わる → 形容詞(例:楽しい、悲しい、うれしい、など)

で終わる → 形容動詞(例:きれいだ、穏やかだ、不思議だ、など)

で判断することができます。ただし文の中では活用して必ずしも終止形にはなっていないので、注意が必要です。

自立語で主語になるのは体言

の/が/きれいだね」のうち、活用しない自立語は「桜」「花」です。ものの名前であり、いずれも主語にすることができます(この文の主語は「花が」)。つまりこれらは体言=名詞と見分けることができます。

その他の自立語の見分け方

名詞(体言)以外の自立語には副詞、連体詞、接続詞、感動詞があります。これらは各品詞の特徴・性質で見分けるようにします。

副詞と連体詞はいずれも修飾語になりますが、副詞は主に用言を、連体詞は体言を修飾します

ゆっくり歩く、ざあざあ雨が降っている

→「ゆっくり」は「歩く」、「ざあざあ」は「降っている」を修飾しているので副詞

この話はつまらない、あんなこと言わなきゃよかった

→「この」は「話」、「あんな」は「こと」を修飾しているので連体詞

接続詞は文と文をつなぐつなぎ言葉(そして、だから、など)、感動詞はどれにも属さない、返答や感動を表す言葉(はい、おや、まあ、など)です。

【問題編】品詞の見分け方を確認!

品詞の問題にチャレンジしてみましょう。(答えは▼をクリック)

品詞の基本問題

次の下線部の品詞を答えなさい。

問1 夜空の星を見てみよう。

▼答え

問2 お店があるのを見つけ

▼答え

問3 今日は家の中が静かだ

▼答え

問4 学校へ行った。しかし今日は休校日だった。

▼答え

問5 学校へ行った、今日は休校日だった。

▼答え

問6 白い花を見つけた。

▼答え

問7 もしもし、田中ですが。

▼答え

問8 もっとしっかりしなくちゃ。

▼答え

問9 あの花の名前は何かしら。

▼答え

問10 広い海で泳ぐのが好き。

▼答え

間違えやすい品詞の識別

問1 次の下線部の品詞を答えなさい。

(1) ある朝、私は港まで行ってみた。

▼答え

(2) 朝、家の前に自転車があるのを見た。

▼答え

問2 次のア~エの下線部「ない」の中から、助動詞を選びなさい。

ア 朝はご飯を食べないのですか。

イ 探したけれどペンがない

ウ つまらない話をしないでください。

エ 一人で遊んでても楽しくない

▼答え

問3 次のア~エの下線部の中から、形容動詞を選びなさい。

ア 明日は雨が降るそうだ

イ 明日は雨が降るようだ

ウ あれがぼくの通う学校だ

エ 庭に咲く花がきれいだ

オ 放課後友だちと一緒に遊んだ

▼答え

問4 「なるべく食べるようにする。」を品詞に分けると?

▼答え
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まとめ

10種類の品詞とその見分け方について見てきましたが、いかがでしたでしょうか。

まずは各品詞の見分け方と特徴をつかむこと、それができたら「ある(連体詞・動詞)」や「ない(形容詞・助動詞)」「~だ(形容動詞・助動詞)」などのような紛らわしいものを確認すると良いでしょう。
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