「筑波大学附属駒場中学校(筑駒)」「開成中学校」「灘中学校」の3校は首都圏・関西圏を問わず全国で有名な超進学校の男子校で、毎年多数の東大合格者を輩出しています。
この記事では中学受験最難関校である筑駒・開成・灘の東大・京大・国公立大医学部合格実績を現役合格率とあわせて徹底比較、各校の基本情報や校風、偏差値や2025年度入試の倍率、入試日程・試験科目などの入試情報についてもまとめました。
ぜひ受験校選びの参考にしてください。
※2025年7月8日最終更新。合格者数を一部最新の情報に更新しました。
筑駒・開成・灘の東大・京大・医学部合格実績と現役合格率【2025年度】
筑波大附属駒場・開成・灘の東大・京大・国公立大医学部合格実績(2025年度)を比較しました。東大現役合格率(現役合格者数÷卒業生数×100)もまとめています。
筑駒・開成・灘の東大合格実績
筑駒・開成・灘の東大合格実績をまとめました。
筑駒・開成・灘の2025年度東大合格実績
筑駒 | 開成 | 灘 | |
---|---|---|---|
1学年生徒数(目安) | 156名 | 396名 | 214名 |
東大合格者数(計) | 117名 | 150名 | 78名 |
現役合格者数 | 92名 | 107名 | 59名 |
東大現役合格率 | 59% | 27% | 28% |
出典:筑波大学附属駒場中・高等学校、開成中学校・高等学校、灘中学校・高等学校、日能研入試情報
※筑駒・開成の生徒数は日能研入試情報より。
3校とも圧倒的な東大合格者数ですが、筑駒の東大現役合格率が6割近くと群を抜いています。
東大合格者の内訳もまとめました。合格者数は既卒生含みます。
筑駒・開成・灘の2025年度東大合格内訳
筑駒 | 開成 | 灘 | |
---|---|---|---|
文Ⅰ | 18名 | 22名 | 10名 |
文Ⅱ | 10名 | 19名 | 7名 |
文Ⅲ | 6名 | 7名 | 5名 |
理Ⅰ | 55名 | 74名 | 37名 |
理Ⅱ | 12名 | 23名 | 10名 |
理Ⅲ | 15名 | 5名 | 9名 |
理* | 1名 | ― | ― |
*推薦
出典:筑波大学附属駒場中・高等学校、開成中学校・高等学校、灘中学校・高等学校
筑駒・開成・灘の京大合格実績
筑駒・開成・灘の京都大学合格実績をまとめました。
筑駒・開成・灘の2025年度京大合格実績
筑駒 | 開成 | 灘 | |
---|---|---|---|
1学年生徒数 | 156名 | 396名 | 214名 |
京大合格者数(計) | 5名 | 12名 | 50名 |
現役合格者数 | 5名 | 8名 | 37名 |
京大現役合格率 | 3% | 2% | 17% |
出典:筑波大学附属駒場中・高等学校、開成中学校・高等学校、灘中学校・高等学校、日能研入試情報
※筑駒・開成の生徒数は日能研入試情報より。
灘の京大現役合格率が最も高く、開成も現役合格率が1割以上と高めとなっています。なお灘の京大合格者数50名のうち、医学部医学科合格者は19名でした。
筑駒・開成・灘の国公立大医学部合格実績
筑駒・開成・灘の国公立大学医学部合格実績をまとめました。
筑駒・開成・灘の2025年度国公立大医学部合格実績
筑駒 | 開成 | 灘 | |
---|---|---|---|
1学年生徒数 | 156名 | 396名 | 214名 |
国公医合格者数(計) | 30名 | 89名 | 67名 |
現役合格者数 | 18名 | 51名 | 46名 |
国公医現役合格率 | 12% | 13% | 21% |
出典:筑波大学附属駒場中・高等学校、開成中学校・高等学校、灘中学校・高等学校、日能研入試情報
※筑駒・開成の生徒数は日能研入試情報より。
※医学部は東大理III、京大医、大学校を含みます。
国公立大医学部の2025年度現役合格率は灘が21%と最も高かったです。
筑駒・開成・灘の現役合格率から合格実績傾向を読み解く
次のグラフは各校の2025年度現役合格率をまとめたものです。筑駒・開成は募集人数等の参考数値をもとに計算しています。
出典:筑波大学附属駒場中・高等学校、開成中学校・高等学校、灘中学校・高等学校
※国公立大医学部合格者数には東大・京大・大学校合格者数も含まれる。
筑駒は東大志向が強く、半分以上の生徒が東大に進学しています。開成は東大・国公立医学部をはじめその他の大学も選ばれている(一橋・東京科学大、早慶の進学者も少なくない)ことが実績の内訳からうかがえます。灘は東大・京大の現役合格率も高いですが、国公立大医学部で他の2校と比べて現役合格率が高いです。
これらの合格実績(進学実績)傾向は、各中学の入試科目、点数の配分とも関わっていそうです。
中学受験最難関「筑駒・開成・灘」各校の基本情報と校風を比較
中学受験最難関の男子校である筑波大附属駒場・開成・灘の基本情報をご紹介します。
筑波大学附属駒場中学校
筑波大学附属駒場中(通称:筑駒)は国立では珍しい男子校で、毎年東大に多数の合格者数を出しています。自由闊達な校風で制服がありません。SSH指定校で、中高一貫校でありがちな英数の先取り学習は行っていません。勉強だけでなく部活や行事にも力をいれており、音楽祭・体育祭・文化祭が筑駒の三大行事です。早慶の合格者も多いですが、東大や国立大学に進学する生徒が多いです。筑駒は東京・神奈川・埼玉・千葉(の一部)に通学区域が定められています。
👔筑波大附属駒場中の基本情報
種別 | 国立・男子校 |
---|---|
所在地 | 東京都世田谷区池尻 |
アクセス | 京王井の頭線「駒場東大前駅」西口より徒歩7分ほか |
募集人数 | 120名(※高校募集あり、約40名) |
合格実績 | 東京大 117名、京都大 5名、一橋大 4名、東京科学大 6名、早稲田大 100名、慶應義塾大 75名 他多数 |
開成中学校
私立最難関校の開成中学は個性を尊重する教育方針で、制服はありますが校則は最低限のもののみ、比較的自由な校風です。授業は先取り型でレベルの高い授業を提供、補習でのフォローはありません。行事も活発で特に運動会は名物行事で毎年注目されています。東大や京大、医学部で多数の実績を毎年出しています。指定校推薦はありません。
👔開成中の基本情報
種別 | 私立・男子校 |
---|---|
所在地 | 東京都荒川区西日暮里 |
アクセス | JR線/東京メトロ千代田線/日暮里・舎人ライナー「西日暮里駅」より |
募集人数 | 300名(※高校募集100名あり) |
合格実績 | 東京大 150名、京都大 12名、一橋大 17名、東京科学大 22名、早稲田大 257名、慶應義塾大 189名 他多数 |
灘中学校
関西最難関中学の灘中学は、毎年東大・京大・医学部に多数の合格者を送り出している超進学校です。自由な校風で生徒たちは私服で通学しています。文化祭や体育祭などの行事や部活も活発で、国際科学オリンピックでも功績も残しています。関西はもちろん東京からの受験生も多く、北海道や九州も含め全国から多くの受験生がチャレンジしています。
👔灘中の基本情報
種別 | 私立・男子校 |
---|---|
所在地 | 兵庫県神戸市東灘区魚崎北町 |
アクセス | JR線・六甲ライナー「住吉駅」より徒歩10分ほか |
募集人数 | 約180名(※高校募集約40名) |
合格実績 | 東京大 77名、京都大 55名、大阪大 15名、神戸大 8名 他多数 |
筑駒・開成・灘の偏差値&2025年度倍率
筑駒・開成・灘中学の偏差値及び2025年度入試の倍率をまとめました。
項目 | 👔筑駒 | 👔開成 | 👔灘 |
---|---|---|---|
四谷大塚 | 74 | 72 | 74 |
日能研 | 72 | 72 | 72 |
倍率 | 4.06倍 | 2.66倍 | 2.91倍 |
偏差値出典:四谷大塚ドットコム(第1回 合不合判定テスト偏差値)、日能研入試情報(2025年入試結果R4偏差値)
※2025年5月12日時点の情報で変動がある場合があります。
倍率出典:筑波大学附属駒場中学校・高等学校公式サイト、開成中学校・高等学校公式サイト、灘中学校・高等学校公式サイト
偏差値はいずれも70超のトップクラス、倍率は筑駒が最も高くなっています。
筑駒・開成・灘の入試日程と試験科目(2025年度・2026年度)
例年の入試日程だと最も早いのが関西の灘中(2026年は1月17日・18日に実施)、次に2月1日の開成中で、筑波大学附属駒場中は例年2月3日に入試を行います(1月に1次選考あり)。いずれの学校も入試は1回です。筑駒・開成の試験科目は4教科、灘は3教科(国算理)です。
筑波大学附属駒場中の入試日程と試験科目
筑駒では1次選考と2次選考があります。1次選考は抽選で募集人員の8倍が選考されますが、抽選を実施しない場合は全員合格となります。2次選考は学力試験で4教科ともに100点満点、理社の対策もしっかり行う必要があります。なお筑駒は通学区域が定められています。
筑波大学附属駒場中の2025年度入試日程など
1次選考 | 2025年1月15日(水) |
---|---|
2次選考 | 2025年2月3日(月) |
募集人数 | 120名 |
試験科目 | 国・算・社・理(各40分・100点) |
合格発表日 | 2025年2月5日(水) |
開成中の入試日程と試験科目
開成中は御三家の麻布・武蔵や、駒場東邦、海城など私立難関校と同じ日に試験があります。配点は国算各85点、理社各70点と国算の配点が高めに設定されています。
開成中の2026年度入試日程など
入試日程 | 2026年2月1日(日) |
---|---|
募集人数 | 300名 |
試験科目 | 国・算・理・社(国50分・85点、算60分・85点、理社各40分・70点) |
合格発表日 | 2025年2月3日(火) |
灘中の入試日程と試験科目
関西最難関である灘中の入試日は例年関西の入試解禁日と翌日の2日間にわたり設定されており、同じ兵庫県内の甲陽学院と入試日が同日となります。(2026年入試は1月17日・18日と予想されます。)国・算・理の3科目入試で、国語と算数は1日目と2日目両方で行われます。
灘中の2026年度入試日程など
入試日程 | 2026年1月17日(土)・18日(日) |
---|---|
募集人数 | 約180名 |
試験科目 | 1日目:国・理・算(国80点・理算各100点) 2日目:国・算(国120点、算100点) ※調査書の内容も判定の資料となる。 ※配点は例年のものを参考。 |
合格発表日 | 2026年1月20日(火) |
御三家中学や関西最難関中学については次の記事で紹介しています。


御三家・難関中高一貫校の東大合格者数を知りたい方は次の記事も参考になります。

関西の有名進学塾「馬渕教室」が灘中受験生向けイベントを横浜で開催
https://manab-juku.me/20250525-mabuchi/
まとめ
筑駒・開成・灘はいずれも全国屈指の東大合格実績を誇る中高一貫校であり、いずれも自由な校風で自主性を重んじているのも共通点です。ただしそれぞれの学校で異なる個性と魅力があります。受験校を選ぶ際は入試科目や出題傾向をよく把握しておくことはもちろんのこと、各校の校風やカリキュラム、実績(進学)の特徴も確認しておくことが重要です。
📣筑駒・開成・灘比較まとめ
👔筑駒⇒東大進学率が非常に高い、制服なし、先取りではない、生徒数は少ない、通学区域は限定されている、2月3日入試(1月に抽選)
👔開成⇒東大、国公立大医、都内難関国立私立で実績多数、生徒数多め、先取り、制服あり、2月1日入試
👔灘⇒東大、京大、国公立大医で実績多数、生徒少なめ、先取り、制服なし、入試は1月の第2か第3土曜に実施、国算理の3教科入試で2日間実施
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