社会保障制度に関するまとめと問題です。
ゆりかごから墓場まで実施されるという社会保障は憲法でも言及されおり、国がその義務を果たすことが規定されています。
社会保障制度とは何か、社会保障の4つの柱と3つの機能、社会保障の4つの柱である社会保険、公的扶助、社会福祉、公衆衛生について見ていきます。
スポンサーリンク
社会保障制度とは
個人にかわって国が個人の生活を保障する制度が、社会保障制度です。
日本の社会保障の4つの柱が社会保険、公的扶助、社会福祉、公衆衛生で、社会保険が社会保障の中心になっています。
社会保障には所得の再分配(格差の縮小)、生活の安定と向上、経済の安定という機能があります。
▼所得の再分配についてはコチラの記事を
ゆりかごから墓場まで
「ゆりかごから墓場まで」は戦後のイギリス経済政策のスローガンです。ゆりかごから墓場まで(生まれてから死ぬまで)、一生にわたって最低限度の生活を保障する「社会保障」が実施されることを表しています。
社会保障と日本国憲法
日本国憲法25条には、
すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する
と生存権の保障が定められ、国が生存権を保障する義務があることも規定しています。
スポンサーリンク
社会保障制度 4つの柱
日本の社会保障の4つの柱である、社会保険、公的扶助、社会福祉、公衆衛生について確認します。
社会保険
社会保険は事故や病気にあったときなど、必要なときに給付される制度です。社会保険費は社会保障関係費の中で最も割合が大きいです。原則として国民が保険料を支払います。社会保険には医療保険、介護保険、年金保険、雇用保険、労災保険があります。
✦ 医療保険(健康保険、国民健康保険、共済組合)
→ 病気やけがの治療費が給付される保険(個人が3割、国が7割負担)
✦ 介護保険
→ 介護が必要だと認定された人に給付される保険(保険料の支払い・被保険者は40歳以上、利用者は1~3割負担)
✦ 年金保険(国民年金、厚生年金)
→ 老齢年金(20~60歳まで保険料満額納入で、65歳から老齢基礎年金が支給)、障害年金(事故・病気で障害を負った場合支給される年金)、遺族年金(加入者が死亡したとき遺族に支給される年金)
✦雇用保険
→ 失業者に支給される保険
✦労災保険
→ 労働者災害補償保険のこと、労働上の事故で病気・けがになったとき、支給される保険
会社員は組合・協会の健保(けんぽ、健康保険)と厚生年金に、自営業・個人事業主は国保(国民健康保険)と国民年金、公務員は共済組合と厚生年金に加入しますが、国民年金に関しては未納者が多いことが問題になっています。
公的扶助
公的扶助(生活保護)は生活保護法にもとづき、生活が困難な人に対して生活費などを給付することです。
8つの公的扶助
✦生活扶助
✦住宅扶助
✦医療扶助
✦教育扶助
✦介護扶助
✦出産扶助
✦生業扶助
✦葬祭扶助
社会福祉
社会福祉は各種福祉法にもとづき、社会的に立場が弱い人に施設やサービスを提供する制度です。
✦高齢者福祉
✦障害者福祉
✦児童福祉
✦母子福祉
公衆衛生
公衆衛生は病気や感染の予防し、衛生のために下水道などの環境整備をする制度です。保健所や保健センターが中心になって行います。
✦予防接種
✦感染症予防
✦下水道整備
✦廃棄物処理
✦動物の保護
【問題編】社会保障制度とその4つの柱
( )に適切な語句を入れましょう。(答えは▶をクリック)
問1 個人にかわって( )が個人の生活を保障する制度が、社会保障制度です。
▶答え問2 社会保障の機能には格差を縮小する所得の( )、生活の安定と向上、経済の安定という機能があります。
▶答え問3 戦後のイギリス経済政策のスローガンである「( ① ) から ( ② ) まで」は、生涯にわたり社会保障が実施されることを表しています。
▶答え問4 日本国憲法25条に、「すべて国民は、( ① ) で的 ( ② ) な最低限度の生活を営む権利を有する」と書かれており、 ( ③ ) 権の保障が定められています。
問5 日本の社会保障の4つの柱は、医療・介護・年金などを支援する、( ① ) 、高齢者や母子家庭、障碍者を支援する( ② ) 、生活保護法にもとづく ( ③ ) 、病気の伝染予防などの ( ④ ) があります。
▶答え問6 社会保障制度の4つの柱の中で中心となっているのは( )です。
▶答え問7 介護保険は( )歳以上の人が被保険者となり、保険料は( )歳から支払います。[同じ数字が入ります]
▶答え問8 65歳以上に支給される保険を( )といいます。
▶答え問9 未納が問題になっている年金は( )です。
▶答え問10 労働者が業務上の病気やけがをしたとき、給付される保険を( )といいます。
▶答え問11 国が失業した人に給付する保険を( )といいます。
▶答え問12 公的扶助は( )法にもとづき、生活が困難な人に対して生活費などを給付することです。
▶答え問13 予防接種、下水道整備、動物保護は社会保障4つの柱のうち( )にあたります。
▶答えまとめ
・社会保障制度 … 「ゆりかごから墓場まで」、憲法25条「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する (生存権の保障)」
・社会保障の4つの柱 … 社会保険、公的扶助、社会福祉、公衆衛生
社会保険:医療保険、介護保険、年金保険、雇用保険、労災保険
公的扶助(生活保護):生活、住宅、教育、医療、介護など
社会福祉:高齢者、障碍者、自動、母子
公衆衛生:予防接種、感染予防、下水道整備など、保健所・保健センターが中心