今回は三権分立のしくみに関するまとめと問題です。
三権とは何なのか、三権分立の目的とは、三権分立のしくみ(立法権と行政権、行政権と司法権、司法権と立法権の関わり)、国民と三権の関わりについて確認します。
三権分立とは
三権と三権分立の目的について確認しましょう。
三権とは
三権分立の「三権」とは、立法権・行政権・司法権のことです。
・立法権 … 国会が担当する
・行政権 … 内閣が担当する
・司法権 … 裁判所が担当する
三権分立の目的
三権分立はフランスのモンテスキューが「法の精神」で主張したもので、権力を3つに分散させてそれぞれ独立した機関に担当させ、権力の濫用を抑止するしくみです。
権力を1か所に集中させると権力が濫用されて、国民の自由や権利が侵害される恐れがあります。三権分立では権力が3つに分散されることで、三権がたがいに行き過ぎを抑えるようなしくみになっています。
三権分立のしくみ
三権と国民の関わりを表したのが下の図です。
国会(立法権)と裁判所(司法権)
国会には裁判官を裁く弾劾裁判所を設置する権利があります。裁判所は国会がつくる法律が憲法に違反していないか審査する違憲立法審査権があります。
裁判所(司法権)と内閣(行政権)
内閣は最高裁判所長官の指名と、裁判官の任命を行います。裁判所は行政の違憲・違法審査を行う権利があります。
内閣(行政権)と国会(立法権)
内閣は衆議院の解散を決定できます。国会は内閣総理大臣を指名し、衆議院は内閣不信任決議をすることができます。(内閣は国会の信任のもとに成立し、国会に対する連帯責任を負っていることを議院内閣制といいます。)
国民と三権
国民は国会を構成する国会議員を選挙で選びます。内閣に対しては世論(せろん…世間一般の意見)として国民の意思が伝えられます。裁判所に対しては国民審査で最高裁判所裁判官の罷免(ひめん…やめさせること)を決めることができます(有効投票の過半数で罷免)。
【問題編】三権分立のしくみ
問1 立法権、行政権、司法権はそれぞれどの国家機関が担当していますか。
→答え問2 三権分立を「法の精神」で主張したフランスの思想家はだれですか。
→答え問3三権分立について、( )内に入る語句を答えなさい。
権力を3つに分散させてそれぞれ独立した機関に担当させることで、( ① )の濫用を防ぎ、国民の( ② )や( ③ )が侵害されないようにするしくみです。
→答え問4 下の図の①~⑨の( )に入る語句を答えなさい。
まとめ
・三権 … 立法権(国会)、行政権(内閣)、司法権(裁判所)
・三権分立を主張したのは … フランスのモンテスキュー(法の精神)
・三権分立の目的 … 権力を分散させて権力の濫用を防ぐ
・国会は内閣に総理大臣の指名、内閣不信任決議、内閣は国会に衆議院の解散
・内閣は裁判所に最高裁判所の長官を指名、裁判官を任命、裁判所は内閣に行政の違憲・違法審査
・裁判所は国会に違憲立法審査、国会は裁判所に弾劾裁判
・国民は国会に選挙、内閣に世論、裁判所に国民審査で関わる