国の財政、歳入・歳出の内訳に関するまとめと問題です。
財政、歳入、歳出とは何か、歳入の内訳で多いもの、税収で多いもの、公債の割合はどれぐらいなのか、歳出の内訳と一般歳出の内容、国債の割合などを確認します。
国の財政と歳入・歳出
財政とは
財政とは国の経済活動のことを指します。
政府は国のために収入を得てそれを支出しますが、国の一年間の収入を歳入、支出を歳出といいます。
歳入・歳出の内訳も見てみましょう。(参照:財務省「平成31年度予算のポイント」)
歳入の内訳
2019年度予算の歳入内訳は以下のようになっています。
・税収(租税及び印紙収入) 624,950億円
・公債金 318,786億円
・その他 50,556億円
●計 994,291円
歳入の合計が約99兆円で、税が約62兆円、公債が約32兆円、その他が約5兆円となり、歳入の半分以上が税金であることがわかります。
また歳入の3分の1近くは借金である公債に頼っていることもわかります。
税
税の中でも特に多いのは所得税、法人税、消費税です。
・所得税(199,340億円、全体の20%)
・法人税(128,580億円、全体の12.9%)
・消費税(193,920億円、全体の19.5%)
公債
公債は借金のことであり、建設公債、特例公債があります。
・建設公債(257,085億円、全体の25.9%)
・特例公債(61,701億円、全体の6.2%)
建設公債は住宅や道路、港湾などの建設費を調達するための公債です。特例公債は歳出が歳入より多いとき補てんするための公債で、赤字国債とも呼ばれています。
また公債には国の公債である国債と、地方公共団体が発行する地方債があります。
その他
JRA(日本中央競馬会)など事業による営業収入、日銀の国債利息、外為特会(外国為替資金特別会計)の運用による収入などがあります。
歳出の内訳
2019年度予算の歳出内訳は以下のようになっています。
・一般歳出(社会保障関係費他) 599,359億円
・地方交付税交付金など 159,850億円
・国債費 235,082億円
●計 994,291円
歳出の合計が約99兆円で、一般歳出が約60兆円、国債費が約24兆円、地方交付税交付金などが約16兆円となり、歳出の4分の1近くが国債費にあてられていることがわかります。
一般歳出費
・社会保障関係費(339,914億円、全体の34.2%)
・公共事業関係費(60,596億円、全体の6.1%)
・文教及び科学振興費(53,824億円、全体の5.4%)
・防衛費(52,066億円、全体の5.2%)
・その他(92,960億円、全体の9.3%)
最も多いのが社会保障関係費です。社会保障関係費は年金、医療、介護、少子化対策、生活保護、保険衛生、失業対策などの費用です。
地方交付税交付金など
地方交付税交付金とは、地方公共団体の収入格差を少なくするために、政府が交付するお金です。すべての地方公共団体に交付されるわけではありません。また交付金の目的は政府が限定するものではありません。
国債費
国債の債務償還費、利払費などにあてられている費用で、簡単にいえば国の借金を返済するための費用です。
◆歳入と歳出の内訳を見ると、国の財政は借金をしながら借金を返しているという状況であることがわかります。
【問題編】国の財政と歳入・歳出
次の問いに答えましょう。または( )に適切な語句を入れましょう。(答えは▶をクリック)
問1 国の経済活動のことを何といいますか。▶答え
問2 国の一年間の収入のことを何といいますか。▶答え
問3 国の一年間の支出のことを何といいますか。▶答え
問4 国の歳入で最も割合が大きいものを下の中から選びましょう。
▶答え税金 公債 営業収入
問5 国の税収で特に多いものを下から3つ選びましょう。▶答え
所得税 法人税 相続税 消費税 固定資産税
問6 赤字公債と呼ばれているのは建設公債と特例公債のどちらですか。▶答え
問7 公債には( )と( )があります。
▶答え問8 歳出のうち、国債費はどれぐらいを占めていますか。
ア 2分の1 イ 3分の1 ウ 4分の1
▶答え問9 一般歳出のうち、最も多いのは下のどれですか。▶答え
公共事業関係費 社会保障関係費 文教及び科学振興費 防衛費
問10 歳出のうち、地方公共団体の収入格差を少なくするために、政府が交付するお金を何といいますか。▶答え
まとめ
・国の財政 … 国の経済活動(会計年度一年間の収入が歳入、支出が歳出)
・歳入…税収(半分以上)、公債(3分の1近く)
・歳出…一般歳出(社会保障関係費、公共事業関係費、文教及び科学振興費、防衛費など)、国債、地方交付税交付金
国の財政は借金を払いながら借金をしているという状況といえます。歳入、歳出とも公債や国債の割合が減るのが理想です。