今回は市場経済の仕組みに関するまとめと問題です。
市場と市場経済、市場経済における需要と供給、均衡価格、需要量・供給量と価格との関係、需要曲線と供給曲線について学習します。
スポンサーリンク
市場経済の仕組み
商品が売り買いできる場を市場(しじょう)といいます。市場(いちば)とは違い、現実にお店や人が集まって商品の売り買いをしている場所を指しているのではありません。為替市場、野菜市場、労働市場などと言ったりします。
さまざまな市場が社会で広がり、自由に商品を売買できるような経済の仕組みを市場経済といいます。市場経済では売り手が自由に価格を決定することができます。
需要と供給、価格との関係
需要とは買い手が購入したいという欲求、供給は商品を提供しようとすることを指します。
・需要量 … ある価格で買い手が購入したいという量
・供給量 … ある価格で売り手が売ろうとしている量
需要量と供給量は商品の価格によって変動します。価格が下がれば需要量が上がって供給量が下がり、価格が上がれば需要量が下がり供給量が上がります。
スーパーでは閉店間際や賞味期限(消費期限)が近い食品を値引きして売ったり、季節の変わり目には服がセールで値引きされたりします。価格を下げることで需要量を上げて、売れ残りや在庫をなるべく減らそうとしているからです。
また需要量が上がり需要量>供給量になれば価格が上がり、需要量が下がって需要量<供給量になると価格が下がります。需要量と供給量がつりあったときの価格を均衡価格といいます。
需要曲線と供給曲線
価格と需要量の関係を表したグラフを需要曲線、価格と供給量の関係を表したグラフを供給曲線といいます。需要曲線は右下がり、供給曲線は右上がりになります。需要曲線と供給曲線が交わる点を均衡価格といいます。
上のグラフで価格がXのときは供給量>需要量となり、価格が下がっていきます。価格がYのときは需要量>供給量となち、価格が上がっていきます。
【参考】価格の自動調節機能
市場経済において価格が変動すると需要量と供給量が一致し、自動的に調節される機能のことを価格の自動調節機能(市場メカニズム)といいます。
この自動調節機能はアダム・スミス(『国富論』)の述べた「神の見えざる手」と呼ばれることもありますが、「見えざる手」は個人の利益追求が社会の利益になることを述べたもので、必ずしも同じものを指しているわけではありません。
スポンサーリンク
【問題編】市場経済の仕組み
次の問いに答えなさい。または( )に適切な語句を入れなさい。(答えは▼をクリック)
問1 商品が売り買いできる場を何といいますか。
▼答え問2 個人や企業が自由に商品を売り買いできる経済の仕組みを何といいますか。
▼答え問3 価格を見て消費者が商品を購入しようとしている量を何といいますか。
▼答え問4 価格を見て生産者が商品を提供しようとしている量を何といいますか。
▼答え問5 市場経済において、価格が下がれば需要量が( ① )、供給量が( ② )。
▼答え問6 市場経済において、価格が上がれば需要量が( ① )、供給量が( ② )。
▼答え問7 市場経済において、需要量より供給量が多くなれば価格が( ① )、需要量より供給量が多くなると価格が( ② )。
▼答え問8 需要量と供給量がつりあったときの価格を何といいますか。
▼答え問9 次の図を見て、問いに答えなさい。
(1) Aを( ① )曲線、Bを( ② )曲線といいます。
▼答え(2) Cの価格を何といいますか。
▼答え(3) 価格がXのとき( ① )が( ② )を上回っているので、価格がやがて下がります。価格がYのとき( ② )が( ① )を上回っているので、価格がやがて上がります。
▼答えまとめ
・市場経済 → 価格が需要量と供給量で決まる
・価格が上がると、需要量が下がり供給量が上がる
・価格が下がると、需要量が上がり供給量が下がる
・需要量>供給量 → 価格が上がる、需要量<供給量 → 価格が下がる、一致するところが均衡価格