セキツイ動物と無セキツイ動物の分類についてまとめています。
セキツイ動物(魚類、両生類、ハチュウ類、鳥類、ホニュウ類)の生活場所、卵のうみ方、体温などの特徴、肉食動物・草食動物の特徴、無セキツイ動物(節足動物、軟体動物など)の特徴を確認していきます。確認問題もあります。
セキツイ動物
セキツイ動物は背骨のある動物のことです。セキツイ動物は魚類、両生類、ハチュウ類、鳥類、ホニュウ類に分けられます。
セキツイ動物の生活場所・呼吸・体温・例など
セキツイ動物の特徴を下の表にまとめました。
種類 | 生活場所 | 呼吸 | 体温 | 生まれ方 | 体表 | 例 |
---|---|---|---|---|---|---|
魚類 | 水中 | えら | 変温 | 卵生 からのない卵 水中に卵をうむ |
うろこ | サケ、フナ、ナマズ、サメ、エイ、タツノオトシゴ |
両生類 | 子は水中 親は陸上 |
子はえら 親は肺と皮膚 |
変温 | 卵生 からのない卵 水中に卵をうむ |
うろこ | カエル、イモリ、サンショウウオ |
ハチュウ類 | 陸上 | 肺 | 変温 | 卵生 からのある卵 陸上に卵をうむ |
かたいうろこ・こうら | ヘビ、カメ、ヤモリ、ワニ |
鳥類 | 陸上 | 肺 | 恒温 | 卵生 からのある卵 陸上に卵をうむ |
羽毛 歯がない(くちばしがある) |
ハト、タンチョウ(ツル)、アヒル、ダチョウ、ペンギン、ニワトリ |
ホニュウ類 | 陸上 | 肺 | 恒温 | 胎生 | 毛 | ヒト、イヌ、ネコ、イルカ、クジラ、コウモリ、アザラシ、シャチ、アシカ |
※タンチョウは頭のてっぺんが赤い鶴のことです。(タンチョウヅル)
卵生は母親が卵を生み、卵が孵化(ふか)して生まれること、胎生は母親の胎内である程度発育してから生まれることです。
魚類、両生類は卵を多くうむことも特徴です(特に魚類の産卵数は多いです)。魚類や両生類の卵は他の動物に食べられることが多いため、多くの卵をうむ必要があります。
ほとんどのセキツイ動物は歯がありますが、鳥類にはありません。代わりにくちばしがあります。ハチュウ類はふつう歯がありますが、カメには歯がありません。
変温動物は外部の温度により体温が変わる動物、恒温動物は体温を一定に保つ動物のことです。
【参考】多くの魚類は変温動物ですが、アカマンボウは体温を一定に保つ恒温魚ということがサイエンス誌で発表されています。(参照:AFP BBニュース)
まちがえやすいセキツイ動物
他の動物とまちがえやすい(まぎらわしい)ものをまとめました。
魚類 | サメ、タツノオトシゴ |
---|---|
両生類 | イモリ、サンショウウオ |
ハチュウ類 | ヤモリ、ヘビ |
鳥類 | ペンギン、ダチョウ |
ホニュウ類 | コウモリ、シャチ、クジラ、イルカ、アザラシ、ラッコ |
サメ、シャチ、クジラ、イルカの中で魚類はサメのみ、シャチ、クジラ、イルカはホニュウ類になります。タツノオトシゴは形が魚には見えませんが魚類です。
イモリは両生類、ヤモリはハチュウ類です。ヤモリやトカゲはしっぽが切れても再生しますが、イモリはしっぽや足、あごなどを切っても再生する能力があります。
ヘビは足がありませんが、トカゲの仲間でセキツイ動物です。(トカゲの中にも手足のないものがあります。)
サンショウウオは「ウオ」とついていますが、魚ではなく両生類です。
ペンギン、ダチョウは飛べない鳥です(つまり鳥類)。一方コウモリは飛べますが羽毛におおわれておらず、胎生で母乳で子どもを育てますのでホニュウ類です。
アザラシやラッコ、オットセイ、セイウチは海で生活しますが、ホニュウ類です。(クジラも含めて海で生活するホニュウ類は海獣と呼ばれます。)
卵生・胎生の例外
- 卵胎生の魚類 … グッピー、シロワニ(サメの仲間)
- 卵胎生のハチュウ類 … マムシ
- 卵を生むホニュウ類 … カモノハシ、ハリモグラ
卵胎生とは卵が体内で孵化し、親と同じ姿で生まれることです。カモノハシ、ハリモグラは柔らかい殻の卵を生みますが、母乳で育てるのでホニュウ類です。(ホニュウ=哺乳とは子にお乳を飲ませることを指します。)
冬眠するセキツイ動物
魚類、両生類、ハチュウ類などの変温動物は、冬になると体温が低下して活動能力も低くなります。そのため冬眠(冬越し)するものも多いです。冬眠中は呼吸も少なくなり、ほとんど仮死状態になります。恒温動物でもコウモリ、ヤマネ(ネズミの仲間)は冬眠します。
冬眠するセキツイ動物 … フナ、コイ、ヘビ、トカゲ、カメ、イモリ、カエル、コウモリ、ヤマネなど
クマも冬眠しますが仮眠状態であり、厳密な冬眠ではありません。
肉食動物と草食動物
下の表にホニュウ類の肉食動物と草食動物の特徴をまとめました。
肉食動物 | 草食動物 | |
---|---|---|
歯 | 臼歯、犬歯が発達 | 門歯、臼歯が発達 |
目の位置 | 前向き | 横向き |
あし | 速い、爪が発達 | 指先がひづめ |
消化管 | 短い | 長い |
例 | トラ、ネコ、ライオン | ウマ、ウサギ、ウシ、キリン、シカ |
肉食動物の歯は、肉を引きちぎるために犬歯が大きく発達し、臼歯はとがっています。目はえものをしとめやすいよう前向きについて、両目で見える範囲が広くなっています。あしが速く、前足にするどい爪がついているのも、えものを捕まるのに役立ちます。
草食動物は草を噛み切ったりすりつぶすのに門歯や臼歯が発達しています。目は横向きについて視野が広くなっています(両目で見える範囲は狭くなります)。ひづめを持つものが多く、長距離を走るのに適しています。草食動物の目のつき方や長距離走れる脚力は、敵から逃げるのに役立ちます。
植物は肉に比べると消化するのに時間がかかります。そのため草食動物のほうが消化管が長くなっています。
無セキツイ動物
無セキツイ動物は背骨のない動物です。節足動物、軟体動物などに分けられます。
節足動物
節足動物は外骨格をもち、からだやあしに節があります。節足動物には昆虫類、甲殻類、クモ類、多足類などがあります。
節足動物の種類 | 特徴 | 例 |
---|---|---|
昆虫類 | 頭部・胸部・腹部 あしが胸部に3対 はねが胸部に2対あるものが多い 気管で呼吸 |
バッタ、アリ、チョウ、トンボ、セミ、ゴキブリなど |
甲殻類 | 頭胸部・腹部 あしは頭胸部に5対 えら呼吸 |
エビ、カニ、ザリガニ、ミジンコ、フジツボ、カメノテなど |
クモ類 | 頭胸部・腹部 あしは頭胸部に4対 気管、書肺で呼吸 |
クモ、サソリ、ダニなど |
多足類 | 頭部・胴部 あしは節ごとに1または2対気管で呼吸 |
ムカデ、ヤスデなど |
ミジンコ、フジツボは節足動物(甲殻類)であるところに注意しましょう。
軟体動物
軟体動物は骨格を持ちません。外とう膜で内臓がおおわれており、筋肉でできたあしで移動します。
軟体動物の例… イカ、タコ、ウミウシ、アサリ、サザエ、ホタテガイ、クリオネ、ナメクジ、カタツムリ
昆虫類、陸生貝、カタツムリなどの軟体動物は冬眠します。
その他の無セキツイ動物
その他の無セキツイ動物に、ミミズ、ゴカイ、イソギンチャク、クラゲ、カイチュウ、ギョウチュウ、アメーバ、ゾウリムシ、ワムシなどがあります。(これらの無セキツイ動物を、節足動物や軟体動物に含めないように注意しましょう。)
【問題編】セキツイ動物と無セキツイ動物
問1 次のセキツイ動物は何類になるか、答えなさい。
(1) ワニ
→答え(2) カエル
→答え(3) ペンギン
→答え(4) アザラシ
→答え(5) サメ
→答え(6) ダチョウ
→答え(7) イルカ
→答え(8) コウモリ
→答え(9) ヘビ
→答え(10) タツノオトシゴ
→答え(11) カモノハシ
→答え(12) マムシ
→答え(13) サンショウウオ
→答え(14) ヤマネ
→答え(15) シャチ
→答え問2 次の文のセキツイ動物は、A~E のどの動物のなかまに当てはまりますか。当てはまるものをすべて答えなさい。
A タンチョウ、ワシ B カエル、イモリ C キリン、ライオン D フナ、ナマズ E ヘビ、カメ
(1) 一生肺で呼吸する動物
→答え(2) 卵に殻がある動物
→答え(3) 胎生の動物
→答え(4) しめった皮膚でおおわれている動物
→答え(5) かたいうろこでおおわれている動物
→答え(6) 羽毛でおおわれている動物
→答え(7) 恒温動物
→答え(8) 歯のない動物
→答え問3 臼歯・門歯が発達しているのは、肉食動物と草食動物のどちらですか。
→答え問4 目が前向きについているのは、肉食動物と草食動物のどちらですか。
→答え問5 ひづめがあるのは、肉食動物と草食動物のどちらですか。
→答え問6 消化管が長いのは、肉食動物と草食動物のどちらですか。
→答え問7 セキツイ動物と無セキツイ動物は、何があるかないかで分類されていますか。
→答え問8 バッタやエビ、ムカデにはからだやあしに節があることから、何と呼ばれていますか。
→答え問9 問8のなかまは体がかたい殻でおおわれています。この殻をなんといいますか。
→答え問10 次の節足動物を、昆虫類、甲殻類、クモ類、多足類の4種類に分類しなさい。
アリ エビ カニ サソリ ダニ バッタ フジツボ ミジンコ ムカデ ヤスデ
昆虫類
→答え
甲殻類
→答え
クモ類
→答え
多足類
→答え
問11 イカ、タコ、アサリなどの骨格のない動物を何といいますか。
→答え問12 問11の動物の内臓は、何という膜でおおわれていますか。
→答え問13 次の中から軟体動物に当てはまるものを選びなさい。
アメーバ ウミウシ カタツムリ クラゲ フジツボ ホタテガイ ミジンコ ミミズ ワムシ
まとめ
セキツイ動物と無セキツイ動物について確認してきました。
背骨のある、なしでセキツイ動物と無セキツイ動物に分類されます。
セキツイ動物(背骨のある動物)… 魚類、両生類、ハチュウ類、鳥類、ホニュウ類
無セキツイ動物(背骨のない動物) … 節足動物、軟体動物、その他
セキツイ動物の分類では生活場所・呼吸以外に卵のうみ方、体表、体温にも注意しましょう。
・水中にからのない卵をうむのが魚類・両生類、陸上にからのある卵をうむのがハチュウ類と鳥類
・かたいうろこにおおわれているのがハチュウ類、羽毛におおわれているのが鳥類
・変温動物が魚類・両生類・ハチュウ類、恒温動物が鳥類・ホニュウ類
・ペンギンは鳥類、コウモリ・クジラ・イルカ・シャチはホニュウ類
無セキツイ動物は特に節足動物と軟体動物の特徴と違いに注意しましょう。
・体が外骨格におおわれているのが節足動物、内臓が外とう膜におおわれているのが軟体動物
・軟体動物にも筋肉はある(骨がないので移動は遅い)
・ミジンコ、フジツボは甲殻類
・サソリはクモ類
・クラゲ、イソギンチャクは軟体動物ではない
・ミミズは節足動物ではない