【雑学】春の七草・秋の七草 違いと覚え方

  • 2019.01.02
  • 理科
【雑学】春の七草・秋の七草 違いと覚え方

今回は春の七草と秋の七草についてまとめました。

春の七草といえばお正月に疲れた胃を休める、七草粥を連想しますね。

春の七草と秋の七草にはどんな草花があるのか、春の七草と秋の七草の違いと覚え方についても確認します。

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七草(ななくさ)とは

七草とは春、秋の代表的な七種の菜や草花を指し、七種とも書きます。春の七草は「せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろ」、秋の七草は「はぎ、おばな、くず、なでしこ、おみなえし、ふじばかま、ききょう」を指します。

春の七草と秋の七草の違い

春の七草は食べられるもので、秋の七草は(食用にされるものもありますが)基本的には見て楽しむもの、という違いがあります。

春の七草は正月七日におかゆに入れて、「七草粥(ななくさがゆ)」として食べられています。七草粥は無病息災を祈って食べられます。お正月はおせちやお雑煮、お汁粉、お赤飯…などなど、おいしいものをたくさん食べて胃が疲れ気味になります。そんなお疲れ状態の胃や腸の調子をととのえる役割もあります。

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春の七草

春の七草は、せり(芹)、なずな(薺)、ごぎょう(御形、五形)、はこべら(繁縷)、ほとけのざ(仏の座)、すずな(菘)、すずしろ(蘿蔔)で、七草粥に使われる七草です。

せり(芹)

春の七草

せり(芹)はセリ科の植物で多年草です。1ヶ所に競(せ)り合って生えるから「せり」の名前になったそうです。食欲増進に効果があるとされています。

なずな(薺)

なずな(薺)はアブラナ科、越年草の植物で、ペンペン草や撥草(ばちぐさ)、三味線草の名で知られています。実が三味線のばちのようだから、(ペンペンは三味線の音のイメージ)これらの名がついたそうです。

高血圧の予防、利尿作用、解熱に効果があるそうです。

ごぎょう、おぎょう(五形、御形)

ごぎょう(五形、御形)は「おぎょう」とも読み、ほうこぐさ・ははこぐさ(母子草)の名で知られています。キク科の越年草で、ロゼットで冬越しします。

ごぎょうは風邪の予防、解熱、咳や痰に効果があるとされています。

はこべら(繁縷)

はこべら(繁縷)はナデシコ科の植物で、ハコベの名で知られています。もともと波久倍良(はくべら)という和名もありました。ハコベ属は多数ありますが、春の七草といえばコハコベを指します(コハコベは越年草)。

はこべらは利尿作用、胃炎に効果があるとされています。

ほとけのざ(仏の座)

ほとけのざ(仏の座)はキク科の植物で、コオニタビラコ(小鬼田平子)の名で知られています。仏の座は上の絵のようにロゼットで冬を越します。

ほとけのざには食物繊維が多く、筋肉痛、消炎作用があるとされています。

すずな(菘)

すずな(菘、鈴菜)はカブ(蕪)のことです。鈴のような形がその名の由来など、諸説あるようです。アブラナ科の越年草です。七草粥では葉だけでなく白い茎の部分も食べられています。

すずなは整腸作用と解熱、しもやけにも効果があるとされています。

すずしろ(蘿蔔)

すずしろ(蘿蔔、清白)は大根のことです。すずな同様アブラナ科の越年草です。「清白」の字が当てられていますが、大根にもいろいろな色があるそうです。七草粥では葉だけでなく白い根の部分も食べられています。といっても大きいのを丸々食べるわけではなく、葉大根のような小さいのをいただくことが多いです。

大根の白い部分はカブの白い部分はです。

すずしろには整腸作用と解熱作用、しもやけにも効果があるそうです。

大根・かぶの葉にはビタミンEが多く含まれています。ビタミンEは血流を良くするはたらきがあります。

春の七草 覚え方

せりなずな 五形はこべら仏の座 すずなすずしろ これぞ七草

という有名な短歌があります。何度か唱えるだけで覚えられそうです。

その他にも

り・ずな・ぎょう・こべら・ほとけのざ・ずな・ずしろ

→「せなさん ごはんで ほっとするする」

と強引に語呂合わせを作って覚える方法もあります。

秋の七草

秋の七草ははぎ(萩)、おばな(尾花)、くず(葛)、なでしこ(撫子)、おみなえし(女郎花)、ふじばかま(藤袴)、ききょう(桔梗)です。

はぎ(萩)はマメ科の植物で、きれいな花を咲かせます。ピンク(赤紫)色のものが多いです。

おばな(尾花)はススキのことです。くず(葛)の花は赤紫色で、稲穂や蘭を連想させる花のつき方です。葛といえば葛餅も有名ですね。

秋の七草のなでしこ(撫子)は上の絵のようなカワラナデシコを指します。花びらは5枚ですが、先端にたくさんの切れ込みが入っています。可憐でかわいらしい花です。

おみなえし(女郎花)は多数の小さく黄色い花が、茎の先端についているのが特徴です。ふじばかま(藤袴)は小さく淡い紫色の花を茎の先端に多数つける花で、花びらが袴のような形をしていることからその名がつけられました。

ききょう

ききょう(桔梗)は青紫色の可憐な花です。

こうして絵で見ても春の七草と秋の七草は全然違うものだとわかりますね。

秋の七草 覚え方

春の七草同様、短歌(五七五七七)を唱えると覚えやすいです。(花の順序は覚えやすいように入れ替えても良いでしょう。)

はぎおばな くずなでしこに おみなえし ふじばかまききょう 秋の七草

他にも「ぎ、スキ、きょう、でしこ、みなえし、じばかま、ず」の1文字目をつなげて、

「ハスキーなおふくろ」

という覚え方もあります。

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まとめ

春の七草、秋の七草(七種)について確認しました。草花のイメージをつかむと覚えやすくなりますね。

・春の七草 … せり(芹)、なずな(薺)、ごぎょう(御形、五形)、はこべら(繁縷)、ほとけのざ(仏の座)、すずな(菘)、すずしろ(蘿蔔)

・秋の七草 … はぎ(萩)、おばな(尾花)、くず(葛)、なでしこ(撫子)、おみなえし(女郎花)、ふじばかま(藤袴)、ききょう(桔梗)

※すずなはカブ、すずしろは大根、尾花はススキのことです。