今回はオームの法則を利用した、直列回路での基本的な計算問題とその考え方をまとめました。
抵抗が1つのときはオームの法則の公式を単純に利用するだけで解けますが、抵抗が2つ以上あるときは直列回路での電流・電圧の流れ方、合成抵抗の考え方も理解しておかないといけません。
「抵抗が2つ以上あるとき、オームの法則をどう活用して計算したらよいのかわからない」という人におすすめの記事です。
直列回路での電流・電圧・抵抗
直列回路で抵抗が2つ以上あるとき、電流・電圧・抵抗の値がどのようになるかを確認します。
直列回路の電流
直列回路ではどこでも同じ電流が流れています。
上の図で
電流計の電流の値=抵抗Aを流れる電流=抵抗Bに流れる電流
となります。
つまり、上の回路ならどこも500mAの電流が流れていることになります。抵抗が3つ以上ある場合も電流は同じです。
直列回路の電圧
直列回路では電圧が抵抗ごとに分かれます。
上の図で、
電源の電圧=抵抗Aにかかる電圧+抵抗Bにかかる電圧
となります。
上の回路では、抵抗Aにかかる電圧と抵抗Bにかかる電圧の和が3Vになります。抵抗が3つ以上ある場合も、各抵抗の和が電源の電圧と考えられます。
直列回路の電流・電圧の考え方
コースを一周する流れるプールを想像してみてください。どこにいっても同じ量のプールの水が流れていますよね。電流も同じように1本道ではずっと同じ量で流れています。
そしてその一周するプールには傾斜があるとします。プールの水がスムーズに流れるには、下った高さの分上に上がらないといけません。
上に上がるとき階段状になっているとしたら、階段の高さの和=下る高さとなります。各階段の高さが各抵抗にかかる電圧、下る分の高さが電源の電圧とすれば、「各抵抗にかかる電圧の和=電源の電圧」と考えられます。
直列回路の合成抵抗
直列回路では回路全体にかかる抵抗は、各抵抗の和になります。
上の図で考えると、
回路全体の抵抗=抵抗Aの抵抗+抵抗Bの抵抗
となります。抵抗が3つ以上ある場合も、同じように各抵抗の和となります。
上の回路だと回路全体の抵抗は、2Ω+3Ω=5Ωとなります。
電熱線は長いほど抵抗の値が大きくなります。(断面積が大きいほど抵抗が小さくなります。)
直列回路で抵抗が2つ以上あるということは、長い電熱線(抵抗器)が作られたのと同じです。
直列回路の計算問題と考え方
抵抗が2つある直列回路の電流・抵抗・電圧を、オームの法則を用いた計算で求めてみましょう。
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直列回路の電流を求める問題
下の図の回路で、電流計は何Aになりますか。
電流計の値は抵抗Aを流れる電流と等しくなります。
→答え直列回路の抵抗を求める
下の図の回路で、抵抗Bは何Ωになりますか。
回路全体の抵抗から抵抗Aの抵抗をひけば、抵抗Bの抵抗が求められます。
→答え直列回路の電圧を求める
下の図の回路で、抵抗Aにかかる電圧と、電源の電圧はそれぞれ何Vになりますか。
各抵抗にかかる電圧の和が電源の電圧になりますが、回路全体の抵抗を求めて解くこともできます。解けます。
→答えまとめ
抵抗が2つ以上ある直列回路の計算問題は、
・回路を流れる電流はどこでも等しい
・回路全体の電圧=各抵抗の電圧の和
・回路全体の抵抗=各抵抗の抵抗の和
以上3つのことをふまえて、オームの法則を利用します。