中学理科の定期テスト対策、高校入試対策に役立つ、化学反応式の一覧、確認問題をまとめました。
化合、分解、酸化、還元、気体の発生、中和などの化学反応における、化学反応式を紹介します。
化学反応式はどのような化学反応が起きたかを、化学式と「→」を用いて表したものです。
例 2H2+ O2→ 2H2O
左辺と右辺の原子の数を合わせるのがポイントになります。
▼ 原子記号(元素記号)と化学式の一覧はコチラ
化学反応式一覧
化合(酸化)、分解、還元、中和、気体の発生での化学反応式一覧です。
化合・酸化
化合は2種類以上の物質が結びつくこと、酸化は酸素と結びつく化合です。
水素と酸素の化合(酸化)
水素 + 酸素 → 水
2H2+O2→ 2H2O
水素の燃焼では熱、光を出して燃えます。燃料電池もこの反応です。
炭素と酸素の化合(酸化)
炭素 + 酸素 → 二酸化炭素
C+O2→ CO2
木炭の燃焼では熱、光を出して燃えます。
鉄の酸素の化合(酸化)
鉄 + 酸素 → 酸化鉄
2Fe+ O2 → 2FeO … 酸化鉄(Ⅱ)
3Fe + 2O2 → Fe3O4 … 酸化鉄(Ⅲ)
スチールウールの燃焼でできる酸化鉄は、黒色で電気を通さず、磁石もつきません。
銅と酸素の化合(酸化)
銅+酸素 → 酸化銅
2Cu+ O2 → 2CuO
銅は赤褐色ですが、酸化銅は黒色です。
マグネシウムと酸素の化合(酸化)
マグネシウム + 酸素 → 酸化マグネシウム
2Mg+ O2 → 2MgO
マグネシウムリボン(銀白色)の燃焼でできる酸化マグネシウムは白色です。
硫黄と酸素の化合(酸化)
硫黄 + 酸素 → 二酸化硫黄
S+ O2 → SO2
硫黄の燃焼では青い炎を出して燃えます。
鉄と硫黄の化合
鉄 + 硫黄 → 硫化鉄
Fe+ S → FeS
銅と硫黄の化合
銅 + 硫黄 → 硫化銅
Cu+ S → CuS
銅と塩素の化合
銅 + 塩素 → 塩化銅
Cu+ Cl2 → CuCl2
分解
分解は化合物を2種類以上の物質に分かれる化学反応です。
酸化銀の熱分解
酸化銀 → 酸素 + 銀
2Ag2O → 4Ag+O2
黒色の酸化銀の粉末を加熱すると、白色の銀ができます。
炭酸水素ナトリウムの熱分解
炭酸水素ナトリウム → 炭酸ナトリウム +二酸化炭素 + 水
2NaHCO3 → Na2CO3+CO2+H2O
炭酸水素ナトリウム(重そう)は固体(炭酸ナトリウム)、気体(二酸化炭素)、液体(水)の3つの物質に分解されます。
●炭酸水素ナトリウムは弱いアルカリ性で、炭酸ナトリウムは強いアルカリ性 → フェノールフタレイン溶液がうすい赤からこい赤に
●二酸化炭素が発生したかを確認 → 石灰水を白くにごる
●水であることの確認 → 青い塩化コバルト紙が桃色に
水の電気分解
水 → 酸素 + 水素
2H2O → 2H2+O2
塩化銅の電気分解
塩化銅 → 銅 + 塩素
CuCl2 → Cu+Cl2
塩酸の電気分解
塩酸 → 塩素 + 水素
2HCl → H2+Cl2
還元
還元は物質から酸素を取り除く化学反応で、同時に酸化も起きます。
酸化銅の炭素による還元
酸化銅+炭素 → 銅 + 二酸化炭素
2CuO+C → 2Cu+CO2
酸化銅の水素による還元
酸化銅+水素 → 銅 + 水
2CuO+H2 → 2Cu+H2O
中和
中和は酸とアルカリが反応し、水と塩ができる化学反応です。
塩酸と水酸化ナトリウムの中和
塩酸+水酸化ナトリウム → 水 + 塩化ナトリウム
HCl+NaOH → H2O+NaCl
硫酸と水酸化バリウムの中和
硫酸+水酸化バリウム → 水+硫酸バリウム
H2SO4+Ba(OH)2→H2O+BaSO4
硫酸バリウムは水に溶けにくいため、白い沈殿が起こります。
▼ 中和についてはコチラの記事も参考に
気体の発生
気体の発生は入試頻出ではありませんが、発生させるのに必要な物質は最低限確認しておきましょう。(硫化水素の発生は硫化鉄の実験問題で問われることが多いです。)
酸素の発生
過酸化水素水 → 酸素 + 水(二酸化マンガンと過酸化水素水を混ぜる)
2H2O2 → O2+2H2O
二酸化炭素の発生
石灰石(炭酸カルシウム)+塩酸 → 塩化カルシウム+二酸化炭素+水
CaCO3+2HCl → CaCl2+CO2+H2O
水素の発生
マグネシウム+塩酸 → 水素+塩化マグネシウム(塩酸にマグネシウムリボンを入れる)
Mg+2HCl → H2+MgCl2
アンモニアの発生
塩化アンモニウム+水酸化カルシウム → 塩化カルシウム+アンモニア + 水
2NH4Cl+Ca(OH)2 → CaCl2+2NH3+2H2O
硫化水素の発生
硫化鉄+塩酸 → 塩化鉄 + 硫化水素
FeS+2HCl → FeCl2+H2S
硫化水素は卵が腐ったような臭いがします。
▼気体の性質・発生方法についてはコチラ
【問題編】化学反応式
次の化学反応式を答えましょう。
問1 木炭の燃焼で二酸化炭素ができる
【正解】 C+O2→ CO2
問2 銅の酸化
【正解】 2Cu+ O2 → 2CuO
問3 鉄と硫黄の化合
【正解】 Fe+ S → FeS
問4 銅と塩素の化合
【正解】 Cu+ Cl2 → CuCl2
問5 酸化銀の熱分解
【正解】 2Ag2O → 4Ag+O2
問6 炭酸水素ナトリウムの熱分解
【正解】 2NaHCO3 → Na2CO3+CO2+H2O
問7 水の電気分解
【正解】 2H2O → 2H2+O2
問8 酸化銅の炭素による還元
【正解】 2CuO+C → 2Cu+CO2
問9 酸化銅の水素による還元
【正解】 2CuO+H2 → 2Cu+H2O
問10 塩酸と水酸化ナトリウムの中和
【正解】 HCl+NaOH → H2O+NaCl
問11 硫酸と水酸化バリウムの中和
【正解】 H2SO4+Ba(OH)2→H2O+BaSO4
問12 石灰石(炭酸カルシウム、CaCO3)と塩酸を用いて、二酸化炭素を発生させる
【正解】 CaCO3+2HCl → CaCl2+CO2+H2O
問13 塩化アンモニウム(NH4Cl)と水酸化カルシウム(Ca(OH)2)でアンモニアを発生させる
【正解】 2NH4Cl+Ca(OH)2 → CaCl2+2NH3+2H2O
問14 硫化鉄と塩酸の反応
【正解】 FeS+2HCl → FeCl2+H2S