高校数学Ⅰ 三角比の方程式の解き方まとめと問題

  • 2020.01.28
  • 数学
高校数学Ⅰ 三角比の方程式の解き方まとめと問題

三角比の方程式の解き方に関するまとめと問題です。

単位円を利用して解く基本的な三角比の方程式と、三角比の相互関係を利用して解く2次方程式について説明しています。

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三角比の方程式 解き方

\(\sin\theta、\cos\theta、\tan\theta\)の単位円を利用して解く方程式の解き方について説明します。

sinθの方程式

\(0^\circ≦\theta≦180^\circ\)のとき、\(\sin\theta=a\)を満たす\(\theta\)を求めるには、単位円と直線\(y=a\)をかき、円と直線の2つの交点を調べます。\(x\)軸から原点と交点を結ぶ線まで回転した角度が\(\theta\)の値になります。

 

例えば\(0^\circ≦\theta≦180^\circ\)のときの、\(\sin\theta=\displaystyle\frac{1}{2}\)を解きたければ、下の図のようにかきます。

\(\theta=30^\circ, 150^\circ\)となります。

\(\sin\theta=\displaystyle\frac{1}{2}\)からすぐに角度が思いつかないときは、\(\sin\theta=\displaystyle\frac{高さ}{斜辺}=\displaystyle\frac{1}{2}\)より、\(1:2:\sqrt{3}\)の直角三角形がかけることから考えてみましょう。(\(\cos\theta、\tan\theta\)も同様)

特別な直角三角形の比を利用した三角比の考え方はコチラの記事を。

関連記事:高校数学Ⅰ 30°・45°・60°の三角比まとめと問題

cosθの方程式

\(0^\circ≦\theta≦180^\circ\)のとき、\(\cos\theta=a\)を満たす\(\theta\)を求めるには、単位円と直線\(x=a\)をかき、円と直線の交点を調べます。\(x\)軸から原点と交点を結ぶ線まで回転した角度が\(\theta\)の値になります。

\(\cos\theta=-\displaystyle\frac{1}{\sqrt{2}}\)なら下の図のようになり、\(\theta=135^\circ\)となります。

tanθの方程式

\(0^\circ≦\theta≦180^\circ\)のとき、\(\tan\theta=a\)を満たす\(\theta\)を求めるには、単位円と直線\(x=1\)上の点\((1, a)\)をかき、\(x\)軸から原点と点\((1, a)\)を結んだ直線まで回転した角度が\(\theta\)の値になります。

\(\tan\theta=-\displaystyle\frac{1}{\sqrt{3}}\)なら下の図のようになり、\(\theta=150^\circ\)となります。

この考え方は\(\tan\theta\)の値が負の数のとき少し難しいかもしれません。

\(\tan\theta=\displaystyle\frac{高さ}{底辺}\)から、底辺\(\sqrt{3}\)、高さ1の直角三角形をかき(マイナスだから左側に)、直角三角形の比から角度を答えるようにしても良いでしょう。

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三角比の2次方程式

三角比の2次方程式の解き方について説明します。

文字に置き換える

\(0^\circ≦\theta≦180^\circ\)のとき、次の方程式を解きましょう。

\(2\sin^2\theta+\sin\theta-1=0\)

\(\sin\theta=t\)とおき、\(2t^2+t-1=0\)

\((2t-1)(t+1)=0\)

\(t=\displaystyle\frac{1}{2}, -1\)

\(0^\circ≦\theta≦180^\circ\)より

\(\sin\theta=\displaystyle\frac{1}{2}\)

\(\theta=30^\circ, 150^\circ\)

置き換えずにそのまま計算してもOKです。

sinθまたはcosθに統一する

sinθとcosθが交じった2次方程式では三角比の相互関係を用いて、一方の三角比に統一します。

\(0^\circ≦\theta≦180^\circ\)のとき、次の方程式を解きましょう。

\(2\sin ^2\theta+5\cos\theta+1=0\)

\(\sin ^2\theta+\cos ^2\theta=1\)より\(\sin ^2\theta=1-\cos ^2\theta\)を代入し、

\(2(1-\cos ^2\theta)+5\cos\theta+1=0\)

式を整理すると

\(2\cos ^2\theta-5\cos\theta-3=0\)

\(\cos\theta=t\)とおくと、

\(2t^2-5t-3=0\)

\((2t+1)(t-3)=0\)

\(t=-\displaystyle\frac{1}{2}, t=3\)

\(0^\circ≦\theta≦180^\circ\)より

\(\cos\theta=-\displaystyle\frac{1}{2}\)

\(\theta=120^\circ\)

【問題編】三角比の方程式

次の方程式を解きましょう。ただし\(0^\circ≦\theta≦180^\circ\)とします。

問1 \(\sin\theta=\displaystyle\frac{\sqrt{3}}{2}\)

→答え

問2 \(\cos\theta=-\displaystyle\frac{1}{2}\)

→答え

問3 \(\tan\theta=-1\)

→答え

問4 \(2\sin ^2\theta+(\sqrt{3}-2)\cos\theta+\sqrt{3}-2=0\)

→答え