円に内接する四角形の面積を求める問題の解き方をまとめました。
対角線と余弦定理を利用し、三角形の面積の和から四角形の面積を求める方法と、ブラーマグプタの公式を使った方法について説明しています。
三角比で円に内接する四角形の面積を求める手順
下の図のように円に内接している四角形の面積を求めるにはどうしたら良いのでしょうか。
手順を説明していきます。
Step1 対角線をひき、余弦定理を使う
下の図のように対角線ACをひき、四角形を2つの三角形に分けます。
\(△ABC\)と\(△ACD\)に分けられています。余弦定理を使うと、
\(△ABC\)より\(AC^2=AB^2+BC^2-2AB\cdot BC\cos B\)…①
\(△ACD\)より\(AC^2=CD^2+DA^2-2CD\cdot DA\cos D\)…②
円に内接する四角形の対角の和は\(180^\circ\)なので\(\angle B+\angle D =180^\circ\)となり、\(\angle D =180^\circ-\angle B\)
よって\(\cos D =\cos (180^\circ-B)=-\cos B\)となるので、②の式に代入して
\(AC^2=CD^2+DA^2-2CD\cdot DA(-\cos B)=CD^2+DA^2+2CD\cdot DA\cos B\)…②’
①、②’より
\(AB^2+BC^2-2AB\cdot BC\cos B=CD^2+DA^2+2CD\cdot DA\cos B\)
ここから\(\cos B\)を求めて、\(\sin B\)を求めます。
なお\(\sin D=\sin (180^\circ – B)=\sin B\)となります。
Step2 2つの三角形の面積の和を求める
\(\sin B(=\sin D)\)の値が求められたら、\(△ABC\)と\(△ACD\)の面積が求めらます。これら三角形の面積の和が四角形の面積になります。
\(四角形ABCD=△ABC+△ACD=\displaystyle\frac{1}{2}AB\cdot BC\cdot sinB+\displaystyle\frac{1}{2}DA\cdot AC\cdot sinD\)
対角線\(AC\)の長さを求めて、ヘロンの公式を使うという手もあります。(面積の前に、対角線の長さを求める問題もよく出されます)
対角線を求めてヘロンの公式を使うより、さらに簡単に円に内接する四角形の面積を求められる公式もあります。
ブラーマグプタの公式を使う
円に内接する四角形の辺の長さが\(a, b, c, d\)のとき、四角形の面積は
ブラーマグプタの公式
\(S=\sqrt{(s-a)(s-b)(s-c)(s-d)}\)
\(s=\displaystyle\frac{a+b+c+d}{2}\)
で求められます。
【問題編】四角形の面積を求めてみよう
実際に問題を解いてみましょう。
問1 円に内接する四角形\(ABCD\)があります。\(AB=4\)、\(BC=10\)、\(CD=7\)、\(DA=5\)のとき、四角形\(ABCD\)の面積を求めましょう。
問2 円に内接する四角形\(ABCD\)があります。\(AB=6\)、\(BC=5\)、\(CD=6\)、\(DA=7\)のとき、四角形\(ABCD\)の面積を求めましょう。