中学数学 因数分解!基本から発展問題まで

  • 2018.06.19
  • 数学
中学数学 因数分解!基本から発展問題まで

因数分解は公式を使うだけですぐに解けるものもあれば、公式を使わないもの、解くまでにくふうが必要なものもあったりします。展開より因数分解の方が難しい、と感じている人も多いようです。

そんな因数分解の共通因数や公式を使った基本問題から、文字の置き換えやくふうが必要な問題まで、いろんなタイプの因数分解の解き方をご紹介します。因数分解が苦手な人はぜひ参考にしてみてください。テスト直前の確認にも!

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因数分解とは?

数や式を積の形で表したとき、かけられている数や式のことを因数といいます。例えば…

6=2×3

a2-2a=a(a2)

↑で赤字の部分が因数になります。

2と3は6の因数、aとa-2はa2-2aの因数になっています。

このように因数の積の形に直すことを因数分解といいます。

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共通因数でくくる因数分解

共通因数とは?

共通因数とは各項に共通の因数のことです。上のa2-2a=a(a2)の例だとa2、-2aのどちらの項にもある因数がaです。ですから共通因数はaということになります。

共通因数を使った因数分解

共通因数を使った因数分解の例を下に挙げてみます。

ab+acad=a(b+c-d)

2x2+2xy=2x(x+y)

-3x3+6x2-9x=-3x(x22x+3)

共通因数は数字だけのこともあれば文字だけのことも、数字と文字両方のこともあります。共通因数の見落としがないように注意しましょう。

因数分解の基本公式

  1. x2+(a+b)x+ab=(x+a)(x+b)
  2. x2+2ax+a2=(x+a)2
  3. x2-2ax+a2=(x−a)2
  4. x2−a2=(x+a)(x−a)

因数分解の公式1

因数分解の公式1. x2+(a+b)x+ab=(x+a)(x+b)

x2+5x+4を因数分解するとき、ab=4、a+b=5となる組み合わせを考えます。つまりかけて4、たして5になる組み合わせです。(先にかけ算の組み合わせを考えるようにします)

かけて4になるのは1×4や2×2がありますが、たして5になるのは1+4で1と4の組み合わせが良いとわかります。

したがってx2+5x+4=(x+1)(x+4)

x2-5x+4=(x-1)(x-4)
x2+x-12=(x+4)(x-3)
x2-x-12=(x+3)(x-4)

符号にも注意しましょう。

因数分解の公式2

因数分解の公式2. x2+2ax+a2=(x+a)2

x2+4x+4を因数分解するとき、1の公式でも解くことができますが、2a=4、a2=4となるのがa=2であることに注目すると、この公式を利用してx2+4x+4=(x+2)2と因数分解できます。x2+○x+□である数の2倍が○、ある数の2乗が□になっているときに、この公式が使えます。

x2+2x+1=(x+1)2⇒1の2倍が2、1の2乗が1

x2+6x+9=(x+3)2⇒3の2倍が6、3の2乗が9

x2+20x+100=(x+10)2⇒10の2倍が20、10の2乗が100

因数分解の公式3

因数分解の公式3. x2-2ax+a2=(x−a)2

x2-4x+4を因数分解するとき、1の公式でも解くことができますが、2a=4、a2=4となるのがa=2であること(※)に注目すると、この公式を利用してx2-4x+4=(x-2)2と因数分解できます。x2-○x+□である数の2倍が○、ある数の2乗が□になっているときに、この公式が使えます。

※または2a=-4、a2=4になる数が-2であると考えて、2の公式を使うこともできます。

x22x+1=(x-1)2⇒1の2倍が2、1の2乗が1

x26x+9=(x-3)2⇒3の2倍が6、3の2乗が9

x220x+100=(x-10)2⇒10の2倍が20、10の2乗が100

因数分解の公式4

因数分解の公式4. x2-a2=(x+a)(x-a)

x2-4を因数分解するとき、この公式を利用してx2-4=(x+2)(x-2)と因数分解できます。(数・式の2乗)-(数・式の2乗)の形になっているときに、この公式が使えます。

x2-9=(x+3)(x-3)

x2-16=(x+4)(x-4)

x2-64=(x+8)(x-8)

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いろいろな因数分解

共通因数と公式を利用する因数分解

2x2-10x+8を因数分解しなさい、と言われても、上の公式はこのままでは利用できません。

各項に共通因数の2があることに注目して2(  )の形に変形すると、

2x2-10x+8=2(x2-5x+4)

となります。これで終わりかと思いきや、まだ(    )の中が因数分解できますね。

2x2-10x+8=2(x2-5x+4)=2(x-1)(x-4)

となります。

公式が使えないとき共通因数があれば共通因数でくくる

(    )の中をさらに因数分解する(できない場合は共通因数でくくるところで終了)

問題例

-2x2+4x-2=2(x2-2x+1)=2(x-1)2

3x2-48=3(x2-16)=3(x+4)(x-4)

置き換えを利用する因数分解

(x+1)2+(x+1)-12を因数分解するとき、このまま公式に当てはめてしまうこともできますが、x+1を他の文字に置き換えてから因数分解するとやりやすくなります。

x+1=Xとおくと、

(x+1)2+(x+1)-12=X2X-12=(X+4)(X-3)

ここまでできたら、Xを元のx+1に戻します。

(X+4)(X-3)=(x+1+4)(x+1-3)

数字の部分は計算ができますので、

(x+1+4)(x+1-3)=(x+5)(x-2)

ここまで求めて完成です。

式を文字に置き換え⇒因数分解

置き換えた文字を元の式に戻す⇒計算できるときは計算する

問題例

(2x+1)2-4(2x+1)-12

2x+1=Xとおくと、

X2-4X-12

=(X+2)(X-6)

=(2x+1+2)(2x+1-6)

=(2x+3)(2x-5)

 

(x+y)2-16

x+y=Xとおくと、

X2-16

=(X+4)(X-4)

=(x+y+4)(x+y-4)

4つの項の因数分解

ax+ay+3x+3y
=a(x+y)+3(x+y)

x+y=Xとおくと、

aX+3X

=X(a+3)

=(x+y)(a+3)

共通因数でくくる⇒式を文字で置き換え、因数分解

問題例

ax+2a−x−2

=a(x+2)−(x+2)

x+2=Xとおくと、

aX−X

=X(a−1)

=(x+2)(a−1)

 

xy−2y−3x+6

=y(x−2)-3(x−2)

x−2=Xとおくと、

yX-3X

=X(y-3)

=(x−2)(y-3)

【問題編1】因数分解(基本問題)

次の式を因数分解しなさい。

問1 x2-10x+9

答えを確認

問2 x2+16x+64

答えを確認

問3 x2+2x-15

答えを確認

問4 x2-18x+81

答えを確認

問5 x2-36

答えを確認

【問題編2】因数分解(標準問題)

次の式を因数分解しなさい。

問1 3x2-6x-24=3(x2-2x-8)=3(x+2)(x-4)

答えを確認

問2 -2x2+12x-18=-2(x2-6x+9)=-2(x-3)2

答えを確認

問3 (x-2)2+2(x-2)-48

答えを確認

問4 x2-xy+x-y

答えを確認

問5 9xy-9y+2x-2

答えを確認

まとめ

教科書に出てくるような因数分解の基本~標準問題を確認してきましたがいかがでしたか?

因数分解の基本の4つの公式をおさらいすると、

x2+(a+b)x+ab=(x+a)(x+b)

x2+2ax+a2=(x+a)2

x2-2ax+a2=(x−a)2

x2−a2=(x+a)(x−a)

公式を使えるときはまず公式を、使えないときは共通因数でくくってみてください。

  • x2-5x+4⇒公式が使える
  • 2x2-10x+8⇒このままでは公式が使えない⇒共通因数をくくり出す

同じ式がくりかえし出ているときは文字に置き換えてから因数分解します。

  • (x+1)2+(x+1)-12⇒x+1=Xとおく

4つの項の因数分解はまず項を分けて共通因数をくくり出せるか確認、さらに共通因数をくくり出します。

  • ax+ay+3x+3y⇒a(x+y)+3(x+y)⇒x+yを文字に置き換えて共通因数をくくり出す

あとは因数分解した式を展開して答えが合うかどうか確かめるのもおすすめです。

たすきがけの因数分解を楽に解く方法はコチラ

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