日本漢字能力検定(漢検)は年齢を問わず人気の検定です。今回は漢検のメリット、漢検各級のレベルと合格基準、その申込方法(日程や検定料)、おすすめの漢検の対策教材や勉強法についてまとめました。
- 漢検って受けた方がいいの?
- 何かメリットある?
- 漢検CBTって何?
- 今中1だけど何級を受けたらいい?
- 漢検を受けてみたいけれど、どうやって申し込むといいの?
- 漢検ってどうやって対策したらいいの?
などの疑問をお持ちの方に、役立つ記事となっています。今回の記事は漢検の公式サイトを参考にまとめています。
※ 2020年度第1回、6/21(日)の個人受検の中止が発表されました。(4/23)
こちらで無償で教材を公開しています。
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漢検を受けるとどんなメリットがあるの?
Speedy McVroomによるPixabayからの画像
漢検は小学生から大人まで幅広く多くの人が受けています。
年齢問わず共通なメリットとして、
●漢字・語句の知識が身につく
●日本語への理解を深める
ことがあげられます。
幼稚園~小学生のうちに漢字や語句の知識を深めることで、上の学年や大人向けの本、大人の会話やニュース・新聞の内容も理解しやすくなります。
中学受験をする小学生や、中高生は先取りで漢字を学習することで、受験にも直接役立つでしょう。
さらに中高生は高校や大学によって漢検も評価に活用されているので、漢検をとっておくと何かと得でしょう。
そうはいっても今どき漢検なんて…という社会人の方もいるかもしれません。確かにこれからの時代は英語やプラグラミングが必須、子どもから大人までの習い事に選ばれています。
しかし正しい漢字の知識やボキャブラリーがないと社会人として致命的です。今は文書を作成するとき手書きよりPCでの入力が多いですが、やはりボキャブラリーがないと文書を作るのも一苦労です。
社会人として必要なボキャブラリーや言葉の常識を身につけるのに、漢検を活用することができます。
漢検は「単なる漢字の暗記」ではありません。部首を覚えて漢字のルーツを知ったり、熟語の知識を深めることで日本語力を深め、また漢文の知識も必要になります。日本人としての教養を身につけるのにうってつけの検定です。
英語はできても漢字は知らない…では日本で生きていくのが厳しいですよね。
漢検は他の検定試験のように高いお金をかけて勉強する必要はありません。スクールにわざわざ通う必要もなく、せいぜい過去問や対策問題集・テキストを購入するだけで十分です。
検定試験の中でも気軽に取り組みやすいというのも、漢検のメリットでしょう。趣味として漢検にトライするのもおすすめです。
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漢検各級のレベルは?
漢検1級から10級までのレベルと対象漢字数をまとめました。
級 | レベル(漢字数) |
---|---|
1級 | 大学・一般(約6000字) |
準1級 | 大学・一般(約3000字) |
2級 | 高卒・大学・一般(2136字) |
準2級 | 高校在学(1940字) |
3級 | 中3修了(1607字) |
4級 | 中学在学(1322字) |
5級 | 小6修了(1006字) |
6級 | 小5修了(825字) |
7級 | 小4修了(640字) |
8級 | 小3修了(440字) |
9級 | 小2修了(240字) |
10級 | 小1修了(80字) |
5級が小学校卒業レベル、3級が中学校卒業レベル、2級が高校卒業レベルということになります。
準1級から完全に大学・一般のレベルですが、準1級と1級では対象漢字数が倍違います。準1級と1級では難易度が大きく上がります。塾でも準1級をとっている高校生はちらほら見かけられます。
高校受験をする中学生なら中3までに漢検3級はとっておきたいところです。いわゆる上位校をねらっているなら、準2級までとっておいた方が良いでしょう。
準2級を視野に入れているなら中1~2年生2学期までに漢検3級をとっておくのがベストです。中3生は何かと忙しく、内申対策も力を入れないといけません。受験学年で検定対策に時間をかけるのはかなりもったいないです。3級までを目標にしている人でも早めに漢検を受けておくことをおすすめします。
漢検をどの級から受けたらいいか迷っている方は、漢検公式サイトの「漢検受験級の目安」ページで2級~10級レベルの漢字チェックができますので、受験するときの目安にしてみると良いでしょう。
合格基準
1級と準1級、8級~10級は80%程度の正解で合格、2級~7級は70%程度の正解で合格となります。
1級~7級は200点満点、8級~10級は150点満点です。
試験時間
1級~7級は60分、8級~10級は40分です。
漢検の申込方法と日程・検定料は?
漢検の申し込み方は3パターンあります。
個人受検 … 公開会場で実施(※)
団体受検 … 学校、塾、企業でまとめて申し込む、準会場と団体公開会場
漢検CBT … コンピュータで受ける漢検、約10日で合否が出る
漢検1級と準1級は公開会場でしか受けられません。
※ 2020年度は第1回 6/21(日)の実施が中止になっています。(4/23発表)
個人受検の申し込み方法と日程・検定料
個人受検では全国の主要都市にある公開会場約180か所で受けられます。
申し込み方法
公開会場で申し込むには下記の方法があります。
- インターネット(キャリタス資格・検定)での申込
- コンビニでの申込
- 取扱書店での申込
- 新聞社など取扱期間での申込
インターネットの申込サイトはコチラになっていますが、漢検公式サイトでくわしい申し込み方法が記載されていますので申し込む前にご覧になってください。
書店申込だと他の申込方法よりしめきりが3日早まります。
申込時に検定料を払いますが、返金できないので注意してください。
日程
実施日 | 申込期間 | |
---|---|---|
2019年度 第3回 |
2020年2月16日(日) | 2019年11月1日(金)~2020年1月17日(金) |
2020年度 第1回 |
2020年6月21日(日) | 2020年3月1日(金)~5月21日(木) |
2020年度 第2回 |
2020年10月18日(日) | 2020年7月1日(水)~9月18日(金) |
2020年度 第3回 |
2021年2月14日(日) | 2020年11月1日(日)~2021年1月15日(金) |
検定料
級 | 検定料 |
---|---|
1級 | 5,000円 |
準1級 | 4,500円 |
2級 | 3,500円 |
準2級~4級 | 2,500円 |
5級~7級 | 2,000円 |
8級~10級 | 1,500円 |
団体受検
団体受検は学校、塾、企業でまとめて申し込む方法です(10名以上)。準会場と団体公開会場の2種類がありますが、準会場では準1・1級は受けられません。
申し込み方法と日程
漢検を実施している各団体に申し込みます。日程は団体によって異なります。
・準会場で実施 … 平日・土曜・日曜から
・団体公開会場 … 指定の日曜
検定料
団体受検の検定料は個人受検と同じです。(1級、準1級は準会場では行いません。)
級 | 検定料 |
---|---|
1級 | 5,000円 |
準1級 | 4,500円 |
2級 | 3,500円 |
準2級~4級 | 2,500円 |
5級~7級 | 2,000円 |
8級~10級 | 1,500円 |
漢検CBT
漢検CBTはコンピュータを使って行う漢検です(対象は2級~7級)。漢検CBTを実施している会場で受検できます。海外にも会場があります。
読み問題ではキーボード入力、選択問題はマウスでの操作、書き問題ではペンにタブレットを使用して答えます。
漢検CBTは検定日が年3回と限定されておらず、都合に合わせて検定日を選びやすいのが特徴です。
検定日の4日前までに申し込めばOKなので、公開会場、準会場の受検が間に合わないときに便利です。漢検は通常は合否の結果が1か月程度かかりますが、漢検CBTだと10日程度で合否の結果がわかります。高校受験などで漢検の級が必要というときに役立ちます。
申し込み方法と日程
CBT-Solutionsから申し込みます。検定会場もここで探せます。漢検CBTでは年3回と限定されていませんので、各会場の日程から都合の良い日程を選んで受検することが可能です。
検定料
漢検CBTでも公開会場・準会場と同じ検定料です。
級 | 検定料 |
---|---|
2級 | 3,500円 |
準2級~4級 | 2,500円 |
5級~7級 | 2,000円 |
漢検対策におすすめの教材
漢検対策教材は書店でもよく見かけられます。2級までなら1冊問題集を決めて、毎日コツコツ進めていくのが良いでしょう。
日本漢字能力検定協会の「漢字学習ステップ」は1日1ステップ進めるのがおすすめです(2級~10級)。毎日1ステップ進めることで、読み、漢字、熟語などをバランスよく身につけていくことができます。
ところどころ数ステップ分のまとめ問題が入っているので、ちゃんと覚えられているかチェックできます。全ステップを完了すると、本番の漢検のような「総まとめ問題」も。
過去20年以上塾で教えてますが、塾の生徒でこの教材をしっかり進められている人で、受からなかった人は見たことない…というぐらい内容が充実してます。
過去問をやりたい人は漢検公式の問題集があります。準2、3級は漢字学習ステップのみでも大丈夫そうですが、たくさん解きたい人、それより上の級を受ける人は持っておいた方が良いかも。
直近の過去問と解答なら漢検の公式サイトでも見ることができます。(⇒ 問題例)
楽しく勉強したい!という小学生には、「いちまるとはじめよう!わくわく漢検」シリーズがおすすめです。1日10分で終わるボリュームと、パラパラマンガができたり「お楽しみ」もあるので、あきっぽいお子さんにおすすめです。
これ1つで漢検1級~10級まで対策できます。
ただし準1級、1級は1つの教材では足りないので、他の教材も。参考書も良いですが準1級なら「漢検マスター」もおすすめです。
準1級なら2冊程度の問題集でも、漢字が得意で頭の柔らかい中高生なら短期間の学習で合格することも可能です。
しかし1級に関してはとにかく対象となる漢字の数が多い(準1級の2倍にあたる6000字から出題)ので、一筋縄ではいかないです。参考書は必要でしょう。
1級には「分野別精選演習」がおすすめです。これでも足りませんが、まずはこのレベルをマスターしておきたいところです。
漢検の勉強法は?時間がない人向けの対策法も!
RappellingusaによるPixabayからの画像
おすすめの教材を紹介しましたが、勉強方法についても触れておきたいと思います。
王道は毎日コツコツ勉強すること!
2級までは「漢字学習ステップ」などボリュームのある問題集を1冊だけ決め、毎日コツコツ勉強していくことがおすすめです。
間違えた問題のみチェックをつけて、2周目や復習ではチェックのついた問題を解き直していくようにします。特に漢字の書き、熟語問題は苦手な人が多いです。覚えられるまでくりかえし確認しておきましょう。
やばい、漢検まで時間がない…という人は?
以前中3の生徒が英検・数検・漢検3級を同時期に受検するという(しかも学校の定期テスト時期とかぶってる)ハードなスケジュールだったのですが、英検3級対策に苦戦し気がつけば漢検3級はほぼ手つかずという状態に。
「漢字学習ステップ」1か月分を1週間でやるのはハードすぎるので、数ステップごとにあるまとめ問題のページ(力だめし)と総まとめのみ進めるという勉強をしていました。ギリギリでしたがなんとか合格できました。
時間がないときは1週間で対策できるこんな教材もあります。
1つ下の級は余裕で合格レベルであれば、時間がない場合はこちらだけ使って勉強しても良いでしょう。
まとめ
漢検のメリットや申し込みの方法、教材や勉強のしかたについて確認してきました。
漢検対策をすることで、社会に出たとき漢字と語句の知識があった方が役に立ちますし、中高生なら受験校によっては評価として活用されることもあります。大人なら趣味の一環としても。
他の検定試験のように特別なスクールに通ったり、高い教材を購入する必要もありません。気軽に受けられる漢検CBTもあります。
身近な検定「漢字検定」に、関心のある方はチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
国語の目次はコチラ→