中学国文法 助詞の識別問題「ばかり」

中学国文法 助詞の識別問題「ばかり」

副助詞「ばかり」は限定、程度以外にも、複数の意味で使われます。どの意味で使われているのかを選ばせる問題が試験でもよく出題されます。副助詞「ばかり」のさまざまな意味と使い方、見分け方を確認、問題にも取り組んでみましょう。

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副助詞「ばかり」の意味・用法

副助詞の一つ「ばかり」は主に物事を限定したり、程度を表すときに使われます。会話では限定、完了直後の意味では「ばっかり」「ばっかし」「ばっか」と言うこともあります。

限定の「ばかり」

だけ」「のみ」と言い換えられ、それ以外のことはほとんどしていないことを指します。

・毎日サッカーばかり見ています。

・ファーストフードばかり食べるのは良くありません。

・赤ん坊はただ泣くばかりだった。

・いつも怒られるのは私ばかりだ。

・心ばかりの品ですが。

程度の「ばかり」

おおよそ、大体の意味で使われる「ばかり」です。「おおよそ」を前につけたり、「ほど」で言い換えることができます。数量に関わる語句と合わせてよく使われます。

・料理が出てくるのに30分ばかりかかった。

・1時間ばかり遅れてしまった。

・半分ばかり飲んだ。

完了の「ばかり」

完了した直後であることを示したいときに、「~たばかり」という形で使われます。「たった今」「最近」などの語句を前に補うことができます。

・山田さんなら今帰ったばかりです。

・ちょうどご飯を食べ終えたばかりです。

・ここに引っ越してきたばかりです。

・彼女はこの学校に転校してきたばかりです。

原因の「ばかり」

原因を示す「ばかり」は、「~たばかりに」の形でよく使われます。「~たせいで」と言い換えることができます。大抵は悪いことが起きたことを伝えます。

・余計なことをしたばかりに、かえって迷惑をかけたね。

・彼を行かせたばかりに、大変なことになった。

・彼をキャプテンに選んだばかりに、チームワークが乱れた。

始まる寸前の「ばかり」

今にも~しそう」と伝えたいときの「ばかり」です。ん(ぬ)や連体形に接続しますが、よく「~んばかり」の形で使われています。

・赤ちゃんが泣き出さんばかりの表情をしていた。

・帰ってくれと言わんばかりのそっけない素振りだった。

参考:格助詞「の」の見分け方

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副助詞「ばかり」の見分け方

副助詞「ばかり」の識別問題ではよく「限定、程度、完了した直後」が問われることが多いですが、他の用法も含めて見分け方をまとめました。

・「だけ」「のみ」と言い換えられれば限定の「ばかり」

・「ほど」と言い換えられれば程度の「ばかり」

・「たった今」「最近」が補えるなら完了した直後の「ばかり」(「~たばかり」の形)

・「~たせいで」と言い換えられれば原因の「ばかり」(「~たばかりに」の形)

・「今にも」を補えるなら始まる寸前の「ばかり」(「~んばかりに」の形など)

※限定の「ばかり」は接続する語によっては言い換えに多少工夫が必要になります。

見分け方のポイントをふまえた上で、次の問題を解いてみましょう。

【問題編】副助詞「ばかり」の識別

問 次の下線部「ばかり」と同じ意味で使われているものを、あとのア~ウから選び記号で答えなさい。

(1) あの子ばかりひいきされている。

ア アイスをさっき食べたばかりだ。

イ アイスをただ食べるばかりだった。

ウ アイスを食べたばかりにお腹が冷えた。

答えを確認

(2) 1時間ばかりで帰ってくるよ。

ア グラスに半分ばかり残っていた。

イ ワイングラスばかり集めていた。

ウ グラスを飲み干したばかりです。

答えを確認

(3) ロンドンに到着したばかりです。

ア ご飯を食べ過ぎたばかりに、夕飯が入らなくなった。

イ ご飯を食べたばかりなので、お腹は空いていない。

ウ ご飯ばかり食べていないで野菜や肉も食べなさい。

答えを確認

(4) 完成を急いだばかりに失敗してしまった。

ア 泣き出すばかりでなく、大声でわめきちらした。

イ その子は今にも泣き出さんばかりだった。

ウ 私が泣き出したばかりに、兄が父に怒られた。

答えを確認
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まとめ

副助詞「ばかり」の意味・用法、見分け方について確認してきました。

「ばかり」が限定、程度、完了した直後、原因、始まる寸前のどの意味で使われているのか見分けるには、「ばかり」を他の語で言い換えたり、語を補うようにしましょう。

限定なら「だけ、のみ」、程度「ほど」、完了「今、さっき」、原因「~したせいで」、始まる寸前「今にも~しそう」