今の高2生からスタートする大学入学共通テスト。センター試験は今年度(2020年1月)で終了し、新しいテストが大学の入学選抜に利用されます。
大学入学共通テストはセンター試験とはどう変わるのか、日程や各教科の内容、対策のしかたについてもまとめました。
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大学入学共通テストとセンター試験の比較
大学入学共通テストは従来のセンター試験からどう変わるのか、比較して表に簡単にまとめました。
センター試験 | 共通テスト | |
---|---|---|
日程 | 1月中旬(13日以降の最初の土日) | |
教科・科目 | 6教科30科目 | |
出題形式 | マーク式 | マーク式 + 記述式(国数) |
試験時間 | 国語80分 数Ⅰ・A 60分 |
国語100分 数Ⅰ・A 70分 |
英語 | 読む・聞く | 読む・聞く・話す・書く 民間の資格・検定試験を利用 |
センター試験と共通テストでは日程は変更はありません。ただし英語に関しては2020年度から4技能(読む・聞く・話す・書く)を評価するため民間の資格・検定試験が導入、高3の4~12月の間に受けた2回までの結果が利用され、試験が実質「前倒し」されます。
【’19年11月1日追記】
英語の民間の資格・検定試験を受けるのに必要な共通IDが入試センターから発行される予定でしたが、民間試験は延期になりました(高校2年の11月が集中発行申込期間で、12月から1月にIDが発行される予定でした)。
英語の資格・検定試験は、ケンブリッジ英語検定試験、実用英語技能検定、GTEC、IELTS、TEAP、TOEFL iBTが利用さる予定です。
各試験の結果はCEFR(セファール、英語力をはかる国際基準)で表され、大学によって必要なCEFRのレベルが異なります。
ただ英語の民間試験導入には反対意見が多く、今後どうなるかはわかりません。
国語と数学はマーク式だけでなく記述式が採用、その影響で試験時間もセンター試験より共通テストの方が長くなります。
2025年度以降は地理・公民・理科でも記述式を導入することが検討されています。
国語と数学は記述式も導入⇒見送り
国語と数学は従来同様のマーク式と、一部で次のように記述式の問題も導入される予定でした。
- 国語は古文・漢文を除いた国語総合で、80~120字程度を上限に、大問1問(小問3問)の記述式問題を出題
- 数学は数Ⅰの範囲内で、数式などを答える記述式問題を小問3問出題
しかし12月にこれら記述式はいったん見送りと文部科学省より表明されました(12月)。
受験までの流れ
新大学入試 | |
---|---|
高3 9月1日以降 |
総合型選抜(11月1日以降合格発表) |
11月1日以降 | 学校推薦型選抜(12月以降合格発表) |
1月中旬 | 大学入学共通テスト |
2~3月 | 各大学の個別学力検査 |
英語はリスニングとリーディングが1:1に
センター試験では英語のリスニング問題とリーディング問題の配点比率が1:4でしたが、大学入学共通テストではリスニングとリーディングの配点比率が1:1の各100点になります。
またセンター試験ではリスニング問題が2回読まれていましたが、共通テストでは1回しか読まれない問題も出題されます。
出題レベルはCEFR(セファール)のA1~B1レベルとされています。英検でいうと3級(広く見れば5級)~2級レベルに該当します。
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大学入学共通テストの対策は?
大学入学共通テストはセンター試験と問題傾向が異なり、英語の民間試験も導入されます。学校の勉強を高2まで頑張って、3年で赤本を進めればいいや…というわけにもいかないようです。
高校でも共通テストなど新大学入試を意識した対策をしてくれているところもありますが、現役塾講師の筆者が担当している高校生の学校のテストや提出用のプリントを見ていても、従来の学校のテスト傾向と大きな差はないように思われます。
大学入学共通テストを受けるのなら、前倒しで対策しておくことがおすすめです。
共通テストの対策本を活用する
新しい大学入試では「学力の三要素」である「知識・技能」、「思考力・判断力・表現力」、「主体性・多様性・協働性」を評価することが意識されています。
そのため大学入学共通テストのプレテストでも、従来のセンター試験と比較すると設問数は少ないが問題文が長い、思考力を問うような問題が増加していました。
現状では「過去問」は存在していませんが、プレテストの見直しに加え、対策本を活用、独特の問題傾向に早くから慣れておくのがおすすめです。
英語民間試験対策は高1~2で準備を
高2で受けた民間試験の結果は自分には関係ない(※)ので、高3から頑張ればいい…では遅すぎます。4月~12月の結果が成績に利用されるので、良いスコアが取れるよう高1、2年生のうちに目標のスコアが取れるだけの実力をつけておくことがおすすめです。
(※ 大学に直接成績を提供する場合は、大学によって高2の成績も活用されることがあります。)
本当に2024年度から実施されるのかについても懸念がありますが、センターでのリスニングの配点が50%と高くなり、英検やTOEICなどの成績を活用する大学もありますので、英語4技能の力をつけておくことは重要でしょう。
まとめ
大学入学共通テストとセンター入試の違いは、
・思考力を問う問題が出題される
・英語はリスニングの比重が大きくなる(リスニングとリーディングが1:1)
・2024年度より英語は民間の検定・資格試験が併用される?(4~12月に2回)
とまとめられます。(記述式はいったん見送りと表明されました。)
問題傾向として、一問一答ができることは前提で、知識を活かして身近な問題に関わるような長文問題にも答えられるような応用力が必要になります。
特に英語におけるリスニング配分が大きいことから、リスニングが苦手な人にはかなり不利な試験になります。共通てすとではいったん見送りになりましたが、民間試験を活用する大学は増えています。
大学受験、さらにその先の将来を考えれば、早い時期から英語のリスニング力をつける訓練をする必要があるでしょう。
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