個別指導塾で中学受験対策なんて無理なのでは?そんな不安を抱える保護者の方は多いです。決して無理ではありませんが、お子さんが本当に個別指導塾に適しているか、中学受験の指導力が高い個別指導塾を選ぶことが、重要なポイントになります。この記事では個別指導塾での中学受験を失敗しやすいお子さんの特徴と成功したお子さんの特徴、個別指導塾で中学受験対策を成功させるコツや、無理だと感じたときの対応策についても元個別指導塾講師が解説しています。
これから塾に入る方もすでに塾にお通いの方も、ぜひ参考にしてみてください。
個別指導塾で中学受験対策するのは無理?
個別指導塾での中学受験対策は決して無理ではありません。筆者もかつて個別指導塾で中学受験生の指導を行っていました。ただしお子さんと個別の相性や学習状況にもよります。
決して無理ではない
個別指導塾のみ中学受験対策を行うことは決して無理ではありません。ただし個別指導塾での中学受験対策がすべてのお子さんに適しているとは言えません。基本的には学習時間が確保でき、学習意欲を上げる環境を備えている集団指導の方が特に小学生にはおすすめと考えられます。
お子さんが個別指導塾に適していることが重要
学習意欲が高い、切磋琢磨できる環境が苦手なお子さん、家や自習室で一人で勉強を進められるお子さんは個別指導塾でも受験対策が可能です。また個別指導塾の指導形式や先生との相性も重要です。
個別の志望校対策に有効
もともと受験塾や家庭で受験勉強を進めていて、6年生から個別指導塾で志望校の個別対策を行って「仕上げる」のは個別塾の良い使い方です。
モチベを保つのが難しければ集団塾との併用がおすすめ
集団塾では切磋琢磨できる環境があるため、中学受験がどれだけ大変なことか意識しにくい小学生のお子さんでも、自然と学習へ気持ちが向きやすいです。
中学受験と個別指導塾のメリットと注意点
中学受験対策という視点から個別指導塾のメリットと注意点をまとめました。
個別指導塾のメリット
個別指導塾には次のようなメリットがあります。
お子さんの理解度を確認しながら進められる
集団指導と違い個別指導では生徒一人ひとりの理解度を確認しながら授業を進められます。質問にもすぐに対応でき、わからないところを放置しないで進められます。
授業を個別にカスタマイズできる
生徒一人ひとりの学習状況や目標に合わせた学習プランを作成、教材選びや問題の取捨選択ができ、効率的な受験対策が進められます。
苦手分野を集中的に対策できる
苦手な教科や単元のみ選んで対策することができます。
途中からの受験対策にも対応できる
本格的な中学受験のカリキュラムは4年生からスタート、4年の途中やそれ以降に集団塾に入会すると授業についていけず苦労します。個別指導塾なら途中からのスタートでもお子さんが本来のカリキュラムに追いつけるよう調整しながら指導が可能です。
個別指導塾の注意点
個別指導塾での中学受験対策では次のような注意点があります。
お子さんのペースに合わせ過ぎてしまう
個別指導塾はお子さんが理解できるまで解説することができますが、そこが大きな落とし穴に。なかなかテキストを先へ進められなかったり、他の重要事項を解説する時間がとれなくなってしまうことがあります。
授業時間が足りない
個別指導塾は集団塾より授業時間が短い傾向にあり、インプットや問題演習の時間が足りなくなりがちです。授業で終わらなかった分は家庭で進めるか、予習してから塾で応用問題を中心に解くなど、家庭学習で不足分を補う必要があります。
意欲が低いお子さんはだれてしまう
学習意欲が低いお子さんは個別指導塾の穏やかな雰囲気になじんでしまい、だれてしまったり、「先生と会話するのが楽しい」とおしゃべりばかりする恐れもあります。
指導力の高い個別指導塾は限られている
元塾講師の正直な感想として、中学受験の指導力がある個別指導塾はあまり多くはありません。(高校受験にはおすすめなところが多いです。)すべての塾とは限りませんが、利用する教材や学習プランの立て方が甘かったり、先生任せなこともあります。
料金が高い(特に講習費)
個別指導塾では通常時の月謝はそれほど負担でない場合でも、講習会でコマをたくさん入れると高額な料金になることがあります。プロの個別指導塾は回数制のところも多いですが高額になりがちで、1回あたりの指導料が1~2万円台かかることもあります。
個別指導塾での中学受験で失敗しやすいお子さんの特徴
個別指導塾でお子さんが伸び悩むケースとして次のような特徴があげられます。
- 学校の勉強で苦手分野がある
- 学習意欲が低く、家庭学習の習慣がない
- 保護者が見ていないと勉強をさぼる
- 宿題の答えを丸写しする
- 質問できない、わかったふりをする
- いつも寝不足気味、授業中寝てしまう
- 勉強が嫌い、必要ないと思っている
- 先生の言うことを聞けない
- 志望校のレベルが見合っていない
個別指導塾での中学受験で成功したお子さんの特徴
個別指導塾での中学受験を成功させたお子さんには、次のような特徴がありました。
- もともと学習意欲が高く、自宅学習の習慣がある
- わからないところを質問できる
- 粘り強く学習に取り組める
- 受験で通用するレベルの得意教科がある
- わからないところをすぐに質問できる
- 予習ができる(予習シリーズ使用)
- 志望校がレベルに見合っている
個別指導塾で中学受験対策を成功させるコツ
個別指導塾を利用して中学受験を成功させるためのポイントをまとめました。
質の高い個別指導塾を選ぶ
中学受験対策に関してはどこの個別指導塾でもOKとは言えません。難関校を目指しているなら中学受験専門の個別指導塾や中学受験で実績のあるプロを指名できる個別指導塾がおすすめです。中堅校でも合格実績があり中学受験に特化した講師が指導している個別指導塾がおすすめです。
自習室を積極的に活用する
自習室を積極的に活用し、学習時間を確保。質問対応も可能な自習室だとなお良いです。
家庭学習を管理する
先生に指示された宿題やテスト対策など、一つひとつ間違えなく完璧にこなせる小学生は決して多くはいません。お子さんが「大人が驚くほどしっかり者」であるケースを除き、宿題やテスト対策を毎日コツコツ取り組めているか、学習管理することをおすすめします。
個別指導塾での中学受験対策が無理だと感じたら?
これまで述べてきたように個別指導塾のみでの中学受験対策は誰にでもおすすめとは言い難いです。個別に見てほしいけれど個別塾のみではお子さんが厳しそうであれば、次の案をおすすめします。
個別対応も可能な、面倒見の良い集団塾を選ぶ
個別のみではモチベーションを維持するのは難しそう、わからないところを質問しやすい環境で学ばせたいなら、少人数指導で面倒見の良い集団塾がおすすめです。仲間と一緒に頑張れる環境は適度な良い刺激に。質問可能な自習室や居残り補習などを行ってくれる塾を選ぶのがおすすめです。

集団塾と個別指導塾を併用する
集団塾でインプットするとともに学習のペースをつかみ、個別指導塾で苦手分野や集団塾で受講していない科目を受講するなどして、両方のメリットを活かす方法です。経済的には負担となりますが、科目を集団と個別で分けることができれば少し負担を抑えられるでしょう。
料金が高いと感じたら通信教育や映像授業を活用する
個別指導塾は時間あたりの授業料が高く、特にプロや中学受験専門の個別指導塾は高額になるため、たくさん授業を入れるのが厳しいです。通信教育や塾で提供している映像授業など(四谷大塚、浜学園、日能研関西ほか)をベースに、わからないところや苦手分野のフォローで個別指導塾を利用すれば、効率良くインプットができる上個別の対策ができ、料金も抑えられます。
良い個別塾が近所になければ家庭教師やオンライン塾を
近所で中学受験に強い個別指導塾を見つけるのが難しそうであれば、家庭教師やオンライン塾を利用するのがおすすめです。質の高いプロ講師の授業が家にいながら受けられます。
まとめ
個別指導塾での中学受験は決して無理ではありません。ただし成功するには、お子さんが個別指導という学習スタイルに合っていること、中学受験の専門性が高い個別指導塾で学ぶことが、大切なポイントとなります。
次の記事で中学受験におすすめな個別指導塾をまとめています。よかったら参考にしてみてください。