小学算数・中学数学の新学習指導要領と移行措置の内容と注意点

小学算数・中学数学の新学習指導要領と移行措置の内容と注意点

新学習指導要領が小学校は2020年度から、中学校は2021年度から開始されます。

例えば今まで小6で学習していた速さの単元が小5で習うことになったり、高校数学で学習していた四分位範囲や箱ひげ図は、中2で学習することになります。

さらに新学習指導要領のスタートにともない、移行措置として新学習指導要領をふまえた内容を先取りされています。

家庭学習でお兄さん、お姉さんの使っていた問題集を利用する場合は注意が必要です。また塾講師の方、またはこれから塾講師をしようとお考えの方は、新学習指導要領やその移行措置の内容についても頭に入れておかないといけません。

今回は小学算数と中学数学の新学習指導要領と移行措置について、文部科学省の資料を参考にまとめました。

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小学算数と中学数学の新学習指導要領

各学年の主な追加・削除(移行)内容を、下の表にまとめました。(×が削除内容)

小2 簡単な分数に1/3も
小3 数の表し方に1000倍も
メートル法の単位のしくみ(キロやミリなど)
最小目盛りが2、5などの棒グラフ
複数の棒グラフを組み合わせたグラフ
小4 小数を用いた倍
メートル法の単位のしくみ(長さと面積の単位の関係)
簡単な場合についての割合
複数系列のグラフや組み合わせたグラフ
小5 整数、小数の記数法に1000倍も
メートル法の単位のしくみ(長さと体積の単位の関係)
速さ
割合
統計的な問題解決の方法(複数の帯グラフを比較)
×素数は中1で学習
×分数×整数、分数÷整数は小6で学習
小6 分数×整数、分数÷整数
平均値、中央値、最頻値、階級ドットプロットを用いる)
統計的な問題解決の方法
×メートル法の単位のしくみ(小3、4、5で学習)
×速さ(小5で学習)
中1 素数と自然数を素数の積で表す
確率の必要性と意味、累積度数
×代表値と階級(小6で学習)
×誤差、近似値、a×10n(中3で学習)
中2 証明で反例も扱う
データの分布の比較(四分位範囲箱ひげ図
×確率の必要性と意味の一部は中1で扱う
中3 誤差、近似値、a×10n

全体的にはデータの活用関連が強化されています。

小学校で学習するグラフは従来のものよりも難易度が高くなっています。小6で代表値を学習することになり、データの散らばりや代表値を理解する手段として、ドットプロットがあげられています。

【ドットプロットの例】

ドットプロット

ドットプロットを用いると最頻値が視覚的にわかりやすくなります。

中1では累積度数が新たに導入、資料の活用単元で多くの中1生を悩ませてきた(?)誤差、近似値、a×10nは中3に移動となりました。

中2では四分位範囲箱ひげ図が導入されます。

素数と自然数を素数の積で表す方法は中1で学習することになります。素数の積は従来中3で「素因数分解」として学習していたものですが、因数という用語は新学習指導要領でも従来どおり中3で学習します。

小学算数の指導注意点

速さの単元が小6から小5に移動、分数×整数、分数÷整数は小5から小6に移動しました。

そのため、速さを求めるときに分数の計算が使えなくなります。(もちろん中学受験の算数では関係ありませんが。)

分速とかかった時間がわかっているとき、時間を分数を使って分になおしてからかけ算する、というやり方も使えないです。

また中学数学は教えていないけれど、小学生の算数をずっと教えていたという塾講師は、代表値を勉強しておく必要があります。(各塾ですでに研修済みだとは思いますが)

中学数学の指導注意点

累積度数、四分位範囲箱ひげ図、反例などが新たに出てくるので、こちらも中学数学をずっと教えていた塾講師は準備が必要です。

素数は小学校で習わなくなるので、生徒に指導するときに注意が必要です。

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小学算数と中学数学の移行措置

小学校で2020年度、中学校で2021年度に新学習指導要領が開始されますが、単元のとりこぼしがないよう移行措置がすでに実施されています。2018年~2020年度の移行措置内容は以下のとおりです。

2018年度より 小3、小4 メートル法の単位の仕組み
2019年度より 小5 メートル法の単位の仕組み、速さ
中1 素数、素数を積で表す、累積度数
2020年度より 小6 分数×整数、分数÷整数、代表値と階級、ドットプロット
中1 統計的確率
中2 反例の用語、四分位範囲と箱ひげ図
中3 誤差、近似値、a×10n

まとめ

小学算数は2020年度、中学数学は2021年度から新しい学習指導要領にもとづいた内容になるため、一部の学年と単元で移行措置が実施されています。家庭学習や塾・家庭教師の指導で注意が必要です。

小学算数、中学数学の新学習指導要領では、ドットプロット、累積度数、反例、四分位範囲、箱ひげ図などが新たに出てきました。

小学算数では以前よりグラフが難しくなり、代表値も扱うようになります。速さは小5、分数×整数、分数÷整数は小6で初めて学習するように。

中学数学では従来中1で扱っていた誤差、近似値、a×10nが、中3で学習することになります。