四谷大塚の通信教育「進学くらぶ」は、四谷大塚校舎で使っている教材「予習シリーズ」と映像授業、テストで勉強を進めていきます。個別指導塾で教えてる筆者も予習シリーズで中学受験生を指導する機会が多くありましたが、中堅上位~難関校を目標にしてるお子さんにおすすめの教材です。
進学くらぶの特徴
- 小4~6年生対象
- 四谷大塚テキスト「予習シリーズ」+映像授業
- PC・タブレット教材で基礎事項を効率学習(高速マスター)
- 中学受験コース:週テスト+復習ナビ、5週に1回組み分けテスト
- 学力向上コース:月ごとに確認テスト
- 月あたりの受講料が1万円台
自宅にいながら四谷大塚校舎に通学しているのと同じペースで勉強が進められ、組み分けテストも受けられます。中学受験コースで小4生(4科)の受講費が月あたり12,980円からと通塾よりかなりリーズナブルな料金で受講できます。
中学受験したいけど近くに進学塾がない、習い事で忙しいから自宅で中学受験対策をしたい…という小学生に進学くらぶはかなりおすすめの通信教育(四谷大塚ということでも安心感大)です。しかし実際に利用している人の声も気になるところですよね。
※こちらに記載の内容は記事公開時のものです(2023年3月15日に合格実績他更新あり)。お申し込みの際は最新の情報を必ず公式サイトにてご確認ください。
※この記事は一部PRを含みます。
四谷大塚「進学くらぶ」ってどんな通信教育?
進学くらぶは四谷大塚が提供する通信教育。予習シリーズをメインテキストに授業動画で学習、テストも自宅で受けられ、四谷大塚の校舎に通っているのと同じように受験勉強を進められます。
中学受験コースと学力向上コースがあり、中学受験コースは毎週テストを実施、学力向上コースは月1でテストを行います。
中学受験コースは難関校対策を自宅で進めたい、近くに難関中を目指せる進学塾がない、習い事と両立したいといったご家庭に。学力向上コースは受験するかどうか迷っている、内部進学予定の私立小のお子さんなどにおすすめです。
進学くらぶの基本情報
対象学年 | 4~6年生 |
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教材 | 予習シリーズ・予習ナビ(授業動画)・高速基礎マスター・テスト 他 |
特長 |
|
受講料金 | 中学受験コース(4年)12,980円~/月(5年)15,180円~/月(6年)16,280円~/月 学力向上コース(4年)9,790円~/月(5年)10,780円~/月(6年)11,880円~/月 ※表示の金額は12か月一括払い月あたりの料金※別途入会金 11,000円、高速基礎マスター利用料18,700円。中受コースは別途教材費。 |
合格実績 | (2020~2022年累計)開成11名、麻布7名、筑波大附属駒場3名、早稲田 10名、桜蔭 10名、女子学院4名、聖光学院 9名、渋谷教育幕張 20名、浦和明の星 18名、市川28名、東海 9名、滝 6名、灘2名、愛光15名 他多数 |
※上記記載の内容は2023年3月15日に確認したものです。今後変更が出る場合があります。
学習の流れ
中学受験コースでは「予習ナビ(IT授業)⇒復習⇒週テスト⇒復習ナビ(IT授業)」という1週間の学習の流れで進めます。予習ナビとテストはレベル別に実施(A・B・C・Sの4レベル)。レベルは5週に1度実施される組分けテストで決まります。
学力向上コースでは「予習ナビと復習×4週間⇒学力確認テスト⇒復習」という1か月の学習の流れで進めます。
※テストはサイトからダウンロード、ご家庭で印刷します。答案のアップロード提出には複合機が必要です。
高速基礎マスター
テキストと解説授業以外に、基礎学力をつけられるオンライン教材の高速基礎マスターも用意。中学受験コース、学力向上コース共通のコンテンツです。
国語力5000、語彙演習2000、計算演習1000、一行問題演習、四科のまとめ演習、今日のコラムなどのコンテンツからなります。PC、タブレットで利用。
父母教室と成績管理
さらに中学受験コースでは保護者向けにお子さんが間違えやすい問題やつまずきやすいポイント、覚えておくべきポイント、中学受験情報などを配信する父母教室と、全国規模の母集団のテストデータを集計し、個人成績表、成績グラフ、学習診断表、S-P表などの資料を提供しています。
四谷大塚「進学くらぶ」の合格実績は?
進学くらぶでは毎年全国で300校以上の有名私立・国立中学校に合格者を出しています。以下に難関校の合格実績をまとめました。2020~2022年3か年の累計です。(進学くらぶ入会案内書を参考にまとめています。)
(東京)開成11名、麻布7名、海城 15名、筑波大附属駒場3名、駒場東邦 3名、東京都市大付属 11名、本郷 17名、早稲田 10名、桜蔭 10名、女子学院4名、洗足学園 9名、豊島岡女子 14名、渋谷教育渋谷 15名、都市大等々力 11名、筑波大附属 7名、広尾学園 7名、都立小石川 2名(神奈川)聖光学院 9名、浅野 15名(千葉)渋谷教育幕張 20名、東邦大付属東邦 31名、市川28名(埼玉)浦和明の星 18名(茨城)江戸川学園取手 19名(愛知)海陽 10名、東海 9名、滝 6名(兵庫)灘2名(奈良)西大和学園 9名(愛媛)愛光15名(福岡)久留米大附設 2名、西南学院 4名(鹿児島)ラ・サール 5名(北海道)北嶺 12名、函館ラ・サール 5名 他多数
四谷大塚の通信教育「進学くらぶ」の口コミ・評判は?
進学くらぶの利用者の声が気になる方のために、口コミ・評判をTwitterで調べてみました。いくつか気になったものをピックアップ、ご紹介していきます。
進学くらぶ生です。うちの息子も先生大好きです~!ナビに1時間集中するのが難しい子ですが、先生のは1.5倍速じゃなくて普通のペースで全部見たいんだと。理科に興味がなかった息子ですが、先生のおかげで「理科楽しい」って言っていてありがたいな~って思ってます♡
— バナナママ@2024 (@shiimama) March 5, 2021
元公立小学校の教師なので、塾講師には負けないぞ!ってずっと思ってた。でも進学くらぶを始めてみて考えが変わった。塾講師は塾講師で色んな人がいるし、進学くらぶの動画の講師は大体尊敬に値する。
— 辟易うさぎ🐰2024中受母塾ワンオペ (@hekiekiusagi) December 27, 2021
進学くらぶの授業は口コミでも評価が高いようで、受講生の間で人気の高い先生もいらっしゃるようです。(筆者も映像授業のサンプルを見ましたが楽しい雰囲気でわかりやすいと思いました。四谷の先生は優しいイメージあります。)
久しぶりに学習や受験について、プロに相談できてとても有意義でした。進学くらぶだけで一時はいけるかも?と、とても良いシステムなので思うこともあったけど、私のメンタルがだめでした。親塾は子供の能力以上に親のメンタル、技量、知識がプロ並みにいるのかなっと。
— 海外からの中学受験 (@ncqxwlmoB7JkyWB) November 24, 2021
ただし通信教育は塾のように直接先生に質問できないのがネック、サポートもあるようですが結局親御さんのサポート(親塾)が必要に。
特に難関校志望なら元塾講師か難関校出身の親御さんでないと指導が厳しいでしょう。
進学くらぶはカリキュラム通りに授業とテストが配信されるたけであとは自由なので、一度中受経験されたら次は伴走しやすいかもですぞ!
何よりお安いのです🫡— ちゃたん (@chatanchante) December 13, 2022
中学受験を経験しているご家庭なら、割と進めやすいという声も。
進学くらぶは、いいコンテンツだけど、理科の演習問題集の予習ナビが無いのが欠点(予習シリーズの演習問題集の解説が簡素すぎるので、予習シリーズの欠点でもあるが)
5年時の大きなマイナス要素はこれかな…— たぶん三田🎅🏻 (@lovelyd86097563) March 14, 2023
コンテンツにはおおむね満足である一方、理科の演習問題集の予習ナビがないのが残念という声もありました。
四谷大塚の通信教育「進学くらぶ」のメリット・デメリットは?
口コミ・評判も参考にしつつ、進学くらぶのメリット・デメリットについてまとめました。
進学くらぶのメリット
- 通塾する経済的負担、送迎の負担がない
- 都合の良い時間に学習できる
- 予習ナビ(映像授業)がわかりやすい
- 学習内容のボリュームがある
- 映像授業は苦手教科だけ利用したり、1.5倍速で見ることができる
- 予習ナビ・テストがレベル別なので学力に見合った対策が可能
- 自宅学習でもテストが受けられるので、受験を意識しやすい
進学くらぶのような通信教育は通塾するほど経済的負担がかからず、送迎や通塾に時間をとられることがありません。
予習シリーズはよくできた教材ですが、テキストを読むだけで1人で進められるお子さんはそう多くはないでしょう。予習ナビがあることでスムーズに進めやすくなります。また一般的な通信教育は「すぐ終わってしまう」という声が多いですが、進学くらぶは週1・2単元進めるのでかなりのボリューム。
四谷大塚校舎と同じくA/B/C/Sのコース(レベル)があるので、「難しすぎる」「簡単すぎる」という事態になりにくいでしょう。(小5以降はSに入るとかなり大変かもしれませんが…)「次の組み分けでCに上がりたい」と勉強へのモチベにも。
進学くらぶのデメリット
- 記述対策ができない
- 志望校別の対策ができない
- 難関校は進学くらぶ以外の対策も必要
- 親のサポートが必要
- 複合機の準備が必要
進学くらぶでは添削指導をしていないので、記述対策はよほどお子さんの文章力が高くない限り、保護者の方が見てあげないといけません。また志望校別の講座はないので(特に難関校の場合)進学くらぶと並行して志望校にあわせた対策を考える必要があります。
※開成・桜蔭・筑駒・灘対策の過去問演習ナビ(解説授業+添削指導)は四谷大塚で提供中です。料金は77,000円(2コース目は55,000円)。偏差値60以上、四谷大塚週テストCコース以上が対象。
中学受験の場合通塾でも塾に丸投げとはいかず、結局保護者の方のサポートは必要にはなりますが、通信教育ではさらに保護者の負担が大きくなると予想されます。
また進学くらぶではテストをご家庭で印刷、答案提出にはプリンター・スキャナー機能のある複合機が必要なため、ご家庭にない場合は準備しなければいけません。
進学くらぶだけで中学受験は難しいのか?
進学くらぶだけでも中学受験を乗り切れるのかは、通塾も検討した方がいいのか…この辺りはお子さんの学力到達度と志望校レベルとのマッチ度、保護者の方のサポート度によっても異なってくるでしょう。志望校が最難関レベルや倍率の高い学校ではないこと、お子さんの学力到達度が高いこと、保護者の方がサポートできること…といった条件がそろっているなら、進学くらぶだけで中学受験しても乗り切れる可能性が高いでしょう。
親が指導できるなら進学くらぶだけでも(例外もあり)
志望校がオーソドックスな入試問題を出題する中学で、お子さんが問題を進めていてわからないとき、保護者の方が(解説を見ながらでも)先生になって教えられるなら進学くらぶだけでも中学受験を乗り切れるでしょう。ただし毎年特殊な問題を出題する学校、倍率が非常に高い学校となると特別な対策も必要に。
6年生からは通塾もおすすめ
うちの子は通信教育だけでも大丈夫そう、でも塾に全く通わせないのもなんだか心配…というお気持ちもわかります。6年生からは四谷大塚校舎(遠ければ提携塾でも)に通塾させたり、講習会や志望校別対策講座を受講してみるのもおすすめです。周囲のお子さんたちが頑張る姿を見て受験に向けてさらに気合が入るかも。
難関校対策で通信教育の併用も
通塾が難しいのでなるべく通信教育で済ませたいご家庭には、記述対策のできるZ会や進研ゼミもおすすめ。特にZ会は1講座(教科)から受講できるので、国語の記述対策だけどうにかしたいというご家庭にもおすすめ。また最難関中を目指すご家庭に、3~4教科セットの志望校別予想演習(筑駒・開成・桜蔭・灘・甲陽・神女)も受講できます。
Z会は3・4年は「割と」基礎固めで5年以降は応用~実戦演習、進研ゼミは4、5年で基礎固め、6年で実戦演習。
進学くらぶをZ会・進研ゼミと比較すると?
中学受験の通信教育といえばZ会や進研ゼミも有名。教材や実績・料金を簡単に比較してみました。
教材の内容
まずは進学くらぶ・Z会・進研ゼミの教材を比較してみます。
進学くらぶ | Z会 | 進研ゼミ |
---|---|---|
小4~6 テキスト+映像授業 週テスト(中学受験コース) |
小3~6 タブレット・テキスト+映像授業 添削指導 |
小4~6 テキスト+映像授業 添削指導 |
Z会はiPadが必要。小3のうちから先取りを進めますが、4年生ぐらいまでは割と易しい印象。5年から特に算数が難しくなってきます。進研ゼミは紙のテキストと映像授業を使い、わかりやすい解説で基礎固めをしやすいのが特長。
いずれの教材も質が高いですが、ボリュームの多さとテストの質は進学くらぶが圧勝。(予習シリーズは個別指導塾で教えていても、90分の授業+宿題で毎週1単元進めるのが難しいと感じました。)
難易度は学年・単元にもよりますが、進学くらぶとZ会は同じぐらいと考えておいても差し支えないと思います。
合格実績
気になる合格実績、進学くらぶ・Z会・進研ゼミで比べてみました。進研ゼミは難関校限定ではないので合格者数が比較的多い難関校も紹介。進学くらぶは2020~2022年の3か年累計、進研ゼミとZ会は2022年の合格実績です。
進学くらぶ | Z会 | 進研ゼミ |
---|---|---|
開成 11名、麻布 7名、筑駒 3名、灘2名、桜蔭 10名、女子学院 4名、聖光学院 9名、渋谷教育幕張 20名、浦和明の星 18名 他多数 |
開成 32名、筑駒 12名、灘 14名、桜蔭 18名、麻布 13名、武蔵 12名、女子学院 6名、豊島岡女子 18名、駒場東邦 12名 他多数 |
青山学院 13名、東洋英和女学院 11名、山脇学園 11名、学習院女子 11名、東京学芸大学附属世田谷 10名、開智(埼玉)13名 他多数 |
※Z会の合格実績・・・小6でZ会の通信教育、映像授業、プレミアム講座、教室本科・講習、提携塾のZ会講座を受講した人を対象に集計。内部進学除く。
※進研ゼミの合格実績・・・5・6年生で進研ゼミ小学講座を3か月以上、作文・表現力講座2回以上、考える力・プラス講座3か月以上か、4~6年生で考える力・プラス中学受験講座3か月以上のいずれを受講したことがある小学生が対象。1人で複数校合格している場合は重複してカウント。
進学くらぶは関東の実績が多いわりに関西の方が少ない印象ですが、関西は大手進学塾のWebスクールが多い影響もあるのかもしれません。
Z会は難関中対象ということもあり、さすがの難関中実績。進研ゼミは御三家レベルだと数は多くありませんが名門中でも2ケタの実績、中堅~難関中で幅広く合格者を出しています。
料金
進学くらぶ・Z会・進研ゼミの月額受講費を比較しました。(進学くらぶは中学受験コース、Z会はトータル指導プラン4科での受講費です。いずれも表示されてる金額は12か月一括払いでの月あたりの料金です。)
進学くらぶ | Z会 | 進研ゼミ |
---|---|---|
中学受験コース 小4:12,980円~ 小5:15,180円~ 小6:16,280円~ |
2023年度 トータル指導プラン4科 小3:14,960円~ 小4:16,320円~ 小5:19,720円~ 小6:20,400円~ |
2023年度 小4~6 7,480円~ |
※2022年12月16日調べ。(今後料金が変更される場合があります。)
※進学くらぶはその他にも入会金:11,000円、高速基礎マスター利用料18,700円、教材費が別途かかります。
4科受講だとZ会(トータル指導プラン)が最も高くなり、その次に進学くらぶ。ただし進学くらぶの場合入会金や教材費などがかかります。Z会は1教科のみの受講も可能なので他の通信や塾とも併用がしやすいです。
進研ゼミは4科セットでも月あたり7,000円台から、中学受験の教材としてはかなりお安いです。
まとめ
四谷大塚の通信教育「進学くらぶ」はなかなか評判が良いようです。自宅学習の難しさはどの通信教育でも共通ですが週テストが自宅でも受けられるのはかなりメリット、意識の高いお子さんにはいい刺激になりそうです。
親御さんのサポートもある程度覚悟は必要ですが、進学くらぶは通塾が難しいご家庭の大きな助けに。月払いでも利用できるのでまずは数か月利用してみて、通塾するかどうか決めても良いかもしれません。