四谷大塚の「進学くらぶ」は、四谷大塚校舎で使っている教材(予習シリーズほか)と映像授業、テストで受験対策を進められる通信教育です。
かつて個別指導塾で教えていた筆者も予習シリーズで中学受験生を指導する機会が多くありましたが、中堅~難関校を目標にしているお子さんにおすすめの教材です。この記事では進学くらぶの特徴や実績、メリット・デメリットなどについてまとめましたので、進学くらぶに興味がある方は参考にしてみてください。
※記載の内容は情報取得時のものです。最新の情報は公式サイトにてご確認ください。
中学受験対策におすすめな通信教育は次の記事でも紹介しています。

四谷大塚の通信教育「進学くらぶ」を解説!
進学くらぶは四谷大塚が提供する通信教育。予習シリーズをメインテキストに授業動画で学習、テストも自宅で受けられ、四谷大塚の校舎に通っているのと同じように受験勉強を進められます。
中学受験コースと学力向上コースがあり、中学受験コースは毎週テストを実施、学力向上コースは月1でテストを行います。
中学受験コースは難関校対策を自宅で進めたい、近くに難関中を目指せる進学塾がない、習い事と両立したいといったご家庭に。学力向上コースは受験するかどうか迷っている、内部進学予定の私立小のお子さんなどにおすすめです。
進学くらぶの基本情報
学年 | 4~6年生 |
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教材 | 予習シリーズ・予習ナビ(授業動画)・高速基礎マスター・テスト 他 |
特長 |
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料金(税込) | <2024年1月13日時点での情報> 中学受験コース(4年)12,980円~/月(5年)15,180円~/月(6年)16,280円~/月 学力向上コース(4年)9,790円~/月(5年)10,780円~/月(6年)11,880円~/月 ※表示の金額は12か月一括払い月あたりの料金 ※別途入会金 11,000円、高速基礎マスター利用料18,700円。中受コースは別途教材費。 |
合格実績 | (2024年度)開成、筑波大附属駒場、麻布、聖光学院、灘、ラ・サール、桜蔭、雙葉、渋谷教育幕張、渋谷教育渋谷、駒場東邦、海城、豊島岡女子、浦和明の星女子、筑波大附属、西大和学園、東海、愛光 他多数 |
中学受験コースでは「予習ナビ(IT授業)⇒復習⇒週テスト⇒復習ナビ(IT授業)」という1週間の学習の流れで進めます。予習ナビとテストはレベル別に実施(A・B・C・Sの4レベル)。レベルは5週に1度実施される組分けテストで決まります。
学力向上コースでは「予習ナビと復習×4週間⇒学力確認テスト⇒復習」という1か月の学習の流れで進めます。
※テストはサイトからダウンロード、ご家庭で印刷します。答案のアップロード提出には複合機が必要です。
高速基礎マスター
テキストと解説授業以外に、基礎学力をつけられるオンライン教材の高速基礎マスターも用意。中学受験コース、学力向上コース共通のコンテンツです。
国語力5000、語彙演習2000、計算演習1000、一行問題演習、四科のまとめ演習、今日のコラムなどのコンテンツからなります。PC、タブレットで利用。
父母教室と成績管理
さらに中学受験コースでは保護者向けにお子さんが間違えやすい問題やつまずきやすいポイント、覚えておくべきポイント、中学受験情報などを配信する父母教室と、全国規模の母集団のテストデータを集計し、個人成績表、成績グラフ、学習診断表、S-P表などの資料を提供しています。
四谷大塚「進学くらぶ」の合格実績は?
進学くらぶでは2024年度で開成に6名、麻布に4名、渋谷幕張に6名、海城に10名など、首都圏に限らず関西や東海ほか全国の難関中学で合格実績を出しています。
🌸2024年度進学くらぶの合格実績
開成、筑波大附属駒場、麻布、聖光学院、灘、ラ・サール、桜蔭、雙葉、渋谷教育幕張、渋谷教育渋谷、駒場東邦、海城、豊島岡女子、浦和明の星女子、筑波大附属、西大和学園、東海、愛光 他多数
四谷大塚の通信教育「進学くらぶ」のメリットは?
進学くらぶのメリットについてまとめました。
- 自宅で質の高い授業が視聴できる
- 長年の実績がある四谷大塚の教材で安心
- 通塾より経済的負担が少ない
- 問題のボリュームが多い
- 通塾生と同様にテストがある(中学受験コース)
自宅で質の高い授業が視聴できる
進学くらぶでは自宅にいながら四谷大塚講師の質の高い授業が受けられるのがメリット。送迎や通塾に時間をとられることがありません。
長年の実績がある四谷大塚のカリキュラム
中学受験で長年の実績がある四谷大塚のカリキュラムということで、このカリキュラムにしっかりついていければ難関中学に合格できる力もつけられます。もちろんコース別で学習できるので、中堅校志望の受験生にもおすすめです。
通塾より経済的負担が少ない
四谷大塚の校舎に通塾すると受講料が4・5年生で月3万~4万円台、6年生になると月約5万~8万円程度もかかります。一方進学くらぶなら中学受験コースで月1万円台から利用できます。(※いずれも2024年度受講料を参考にしています。)通信教育だと経済的な負担が少なく済みます。
問題のボリュームが多い
筆者は予習シリーズを使って塾で教える機会が多かったですが、メインテキストのシリーズと副教材も利用すると、かなり問題のボリュームがあるように感じました。生徒も大変そうでしたが、その分しっかりやりきれば力がつけられると言えます。
通塾生と同様にテストがある(中学受験コース)
進学くらぶの中学受験コースは通信教育でも通塾生と同様に週テストがあり、組み分けテストも定期的にあって緊張感があります。次の組み分けで上に上がりたい、と勉強へのモチベも高められる機会があります。
進学くらぶのデメリット
進学くらぶのデメリットもあげてみました。志望校別対策と保護者のサポートに関しては、他の通信教育にもいえるデメリットです。
- 志望校別の対策はできない
- 保護者のサポートが必要
- 複合機の準備が必要
志望校別の対策はできない
どの通信教育にもいえることですが、志望校別の対策は別途進める必要があります。6年の夏にはひととおり学習すべき内容が終わるので、夏休み明け以降は過去問に取り組みます。
志望校の候補がある程度上がったら必要な勉強が何なのかを確認するため、各中学校の入試問題の傾向を確認しておくことをおすすめします。
保護者のサポートが必要
映像授業のわかりやすい解説があるとはいえ、予習シリーズは決して簡単な内容ではありません。完全に一人で進められるというお子さんはかなりまれと思われます。わからない問題やテスト対策のサポート、理解度のチェックなど保護者のサポートが必要になります。
複合機の準備が必要
また進学くらぶではテストをご家庭で印刷、答案提出にはプリンター・スキャナー機能のある複合機が必要なため、ご家庭にない場合は準備しなければなりません。
進学くらぶだけで中学受験対策できる?
進学くらぶだけでも中学受験を乗り切れるのかは、通塾も検討した方がいいのか…この辺りはお子さんの学力到達度と志望校レベルとのマッチ度、保護者の方のサポート度によっても異なってくるでしょう。
志望校が最難関レベルや倍率の高い学校ではないこと、お子さんの学力到達度が高いこと、保護者の方がサポートできること…といった条件がそろっているなら、進学くらぶだけで中学受験しても乗り切れる可能性も。
親が指導できるなら進学くらぶだけでも(例外もあり)
志望校がオーソドックスな入試問題を出題する中学で、お子さんが問題を進めていてわからないとき、保護者の方が(解説を見ながらでも)先生になって教えられるなら進学くらぶだけでも中学受験を乗り切れるでしょう。
ただし毎年特殊な問題を出題する学校、倍率が非常に高い学校となると特別な対策も必要に。
6年生からは通塾もおすすめ
通信教育だけでも大丈夫そう、でも塾に全く通わせないのもなんだか心配…という保護者の方もいらっしゃるでしょう。6年生からは四谷大塚校舎(遠ければ提携塾でも)に通塾させたり、講習会や志望校別対策講座を受講してみるのもおすすめです。周囲のお子さんたちが頑張る姿を見て受験に向けてモチベーションも高められそうです。
まとめ
四谷大塚の通信教育「進学くらぶ」の特徴を簡単にまとめました。
- 小4~6年生対象
- 四谷大塚テキスト「予習シリーズ」+映像授業
- PC・タブレット教材で基礎事項を効率学習(高速マスター)
- 中学受験コースは週テスト+復習ナビ、5週に1回組み分けテスト
- 学力向上コースは月ごとに確認テスト
- 月あたりの受講料が1万円台でおさめられる
自宅学習の難しさはどの通信教育でも共通ですが、進学塾の週テストが自宅でも受けられるのはかなりメリット。通塾同様受験への意識も高められそうです。
親御さんのサポートもある程度覚悟は必要ですが、進学くらぶは通塾が難しいご家庭の大きな助けに。通信と塾どちらかお迷い中の方は月払いでも利用できるのでまずは数か月利用してみて、通信教育のみにするか通塾するかを決めても良いかもしれません。
中学受験の通信教育についてもっと知りたい方は次の記事も参考にしてみてください。