お子さんがスマホを欲しがってるけれど、小学生にスマホを持たせてしまったら遊んでしまいそう。特に中学受験生に持たせるのは心配ですよね。
塾講師をしている筆者(※執筆当時)も小学生から「受験が終わったらスマホを買ってもらえるんだー、それまでは我慢」という声を聞いたことがあります。
しかし中にはご両親とも働いていて送迎ができず不安もあってか、受験生のお子さんにスマホを持たせているご家庭もあります。休憩時間中スマホの写真をお友達に見せていて、お友達がとてもうらやましそうにしていました。
お友達が持っていると欲しい気持ちが抑えられない・・・そんな受験生のお子さんもいらっしゃるのではないでしょうか。
中学受験生にスマホを持たせるのはNG?
スマホをただ渡すだけならNGだと思います。
特にお子さんが持ちたがる場合は危険なように感じます。お友達とLINEで連絡をとったり写真を送りあったりしたいというのが主な目的であることが多いと思います。中にはお友達との連絡というよりは、スマホを「持っていないこと」自体に劣等感を感じてるお子さんもいるかもしれません。
中学受験生の場合は特に、スマートフォンを持つことで勉強に差支えが出てしまう可能性があります。
しかし今の時代(地域によって事情も異なると思いますが)スマホを持っている小学生は少なくありません。スマホがないと何かと不便なこともあります。またお子さんにスマホを渡さないことで、無駄なバトルが勃発する可能性もあるでしょう。もちろん渡した後のバトルもあるようですが・・・。
小学生にスマホは早いの?
小学生にスマホを持たせること自体は決して早いとは思いません。デジタル社会の今、スマホやタブレットを使いこなして、情報を入手したりスケジュール管理できる力は小学生でも持っておいた方が良いでしょう。
必要なときに使い、使ってはいけない場面では絶対使わない、それが守れるお子さんならスマホのメリットを最大限に活用することができそうです。
スマホのメリット
- わからないことを調べる習慣がつく
- 学習アプリ・動画で勉強できる
- お子さんの居場所がわかり、安全を守れる
- LINEなどで緊急事態に連絡がとりやすい
スマホは使用の制限や履歴チェックも可能です。保護者の管理が行き届いていれば、小学生でも利用しても良いのではないでしょうか。(もちろん誰にでもおすすめ!とは言えませんが。)
塾での受験生スマホ事情は?
勉強に意欲的でしっかりしてるお子さんはちゃんと自制してます。どうしても大事な用件があるときだけ「先生すみません、ちょっといいですか・・・?」と許可を得てから席を離れて家の方に連絡、帰ってくると「すみませんでした」とすぐにスマホの電源を切ってカバンにサッとしまいます。
- 家や学校のルールをちゃんと守れる
- 学校の宿題を帰ってからすぐに進める
- 家庭学習も言われなくてもやる
- 学校や塾の準備を自分でできる
- 忘れ物をしない
こんなタイプのお子さんなら、スマホを使うときのルールを確認するだけで、スマホを渡してもおそらく大丈夫でしょう。
しかしそうでないお子さんだと、経験上かなりヤバいことになる予感がします。実際、塾に「スマホ禁止」のルールがあっても、全く無視しているお子さんもいます。(堂々と使うわけではないのですが、こっそり隠れて使っているのがバレバレです。モグラたたき状態です。)おそらくご家庭でも同様の状態になっているのでしょう。
休み時間や自習室でも勉強を頑張ってるお子さんは勉強に役立つアプリなどを入れて活用、今日は勉強をこれだけ頑張った!と学習管理アプリに表示される時間をお友達に自慢したりしています。
しかし単にスマホで遊びたいだけのお子さんはLINEのやり取りや撮りまくった写真をお友達に見せびらかしていたりします。YouTubeの話題も多く、ひょっとするとご家族に隠れて動画ばかり見ているのかもしれません。
受験生でこうなったら非常にまずい状況です。
渡すならルール作りが必要
とはいえ、ご両親とも働いていたり塾の帰りが遅いと、何らかの連絡手段があった方が安心。最近は気候変動の影響もあって自然災害も多いですが、スマホがあると災害時も連絡がとりやすいです。
スマホを渡すときにはルールをちゃんと決めて、スマホやアプリを利用できる時間に制限をかけておけばお子さんのスマホ依存を防止することができるでしょう。もちろんですがルールを破ったら取り上げるなど、厳格に接することが必要です。
スマホを使うときのルール作りとロック機能の活用を!
ご家庭でスマホを使うときのルールをお子さんと話し合って決めましょう。ロック機能も活用し使い過ぎないよう設定を。以下、ルールの例です。
スマホを使うときのルール(例)
- 勉強中はスマホを使わない(○時間勉強したら使ってもOKなど)
- 部屋にスマホを持ち込まない
- ○時間勉強したらスマホを使ってもOK
- ○時までは使用禁止(ロック)
- ロックは親がかける(パスワードは親が管理、子どもに知らせない)
- 成績が下がったら即禁止(親が預かる、使えなくする)
ガチガチに制限はかけられてますが、スマホを持っていることでお子さんも少し安心というか優越感も持て、小学生のうちならそこまで不満は言われないかなと思います。(反抗期の中学生とかだと難しいかもですが)ちょっと心配なお子さんはちゃんと「文書」で約束をさせた方がいいと思います。
もちろん上のルールが守れそうにないお子さんや、スマホを購入してから「もっと使える時間を増やして!」とルールの変更を訴えそうなお子さんには、スマホを購入することはおすすめできません。
保護者の方がお手本になる
またお子さんにスマホを渡すなら、ご家族のスマホの使い方にも配慮が必要でしょう。
お父さんやお母さんが食事中やテレビを見ているとき、お子さんが話しかけているときもスマホばかり見ていたりするのに、お子さんには「スマホ禁止」「LINE禁止」は無理がある話だと思います。
以前塾で真面目な生徒さんがスマホを見ながらソファーでゴロゴロしてるお父さんのことに触れ、「スマホは諸悪の根源ですね」と言っていたことがあります。(この場合は反面教師で逆に良かったのでしょうか。)
トゲのある書き方で申し訳ありませんが、家の方がだらしない使い方をしていたらお子さんがそのような使い方をしても仕方がないです。特にお子さんの前では「正しい使い方」を伝えるべきでしょう。
まとめ
スマホを持ちたがる小学生(中学受験生)がいたら、かつては「NG」と考えられていました。
しかし今のお子さんたちを取り巻く環境、大人たちだってスマホがないと生活に支障が出ることを考えると、スマホが絶対NGとは言い難いと状況です。
お子さんのスマホ依存に配慮した機能も各電話会社のオプション、スマートフォン、アプリなどに搭載されるようになってきました。
スマホに関するルールと保護者の方がしっかりお子さんのスマホを管理することで、スマホのメリットも活かせるのではないかと思います。
今回の記事を書くにあたって、こちらの記事も参考にさせていただきました。
- プレジデントオンライン「かわいい子にはスマホを持たせよ」脳科学者・中野信子さんがそんな極論を主張するワケ
ウィメンズパーク「スマホが欲しいと毎日訴えられる」(サービス停止)