うちの子は言ってもなかなか勉強してくれない…そんなお悩みを持つご家庭も多いのではないでしょうか?
小学生のお子さんがすすんで勉強するヒントをまとめました。
小学生に勉強させるために、NGなこと
Andrian ValeanuによるPixabayからの画像
なかなか勉強しない小学生に、勉強させる方法は難しいかもしれません。
「勉強なんて嫌い!」
とまったくやらないお子さんもいれば、中学受験のために塾に通っているけれど、塾でも勉強に集中できていない様子…
外から帰ってきてもスマホやテレビ、ゲームに夢中で、宿題をやらない、明日の漢字テストの勉強をやらないお子さんにイライラして「勉強しなさい!」なんてキレてしまう…なんて親御さんのお話も聞きます。
勉強させる方法を確認する前に、これを言われると「勉強したくなくなる」という子ども側の視点に立ったNGな声かけについても見てみましょう。
「勉強しなさい」はNG
「いつまでグダグダしてるの!はやく勉強しなさい!」
なんていって素直に勉強するお子さんはあまりいないと思います。
(今から勉強しようと思ったのに)
(疲れているから休んでいただけなのに…)
そういう言葉をのみこんでしまうお子さんもいるようです。親御さんへの反感に加え、勉強への嫌悪感まで覚えてしまう恐れも。
お母さん、お父さんが「めっちゃ怖い!」という場合は「ハイ!わかりました~!」と頑張ってくれるかもしれませんが…親子関係にもよりますね。
勉強って楽しいものだと思います(塾講師の視点ですが)。できればビビらせないでください。
テストの結果が悪くて叱るのもNG
授業中寝ていた、宿題をやっていなかった、テストに出るところを学校で教えてもらっていたにもかかわらず、サボって何もしていなかった…
何か悪い原因があるなら考えものですが、普通に頑張っていた結果、テストの点が悪かったというなら、そこであまり叱らないであげてください。
ふだんテストで90~100点ばかりだったお子さんが、たまたま苦手分野で50点を取ってしまい、泣くほどショックを受けた…そんなときに家に帰ってさらに親御さんから「なんでこんな点数取ったの!?」なんて怒られたら、さらにショックを受けてしまいます。
ガミガミ叱るよりは
「こういうところが苦手分野なんだね、次は早めに対策しようね。」
「わからないところがあったら聞いてね。」
とフォローを入れたあげた方が良いでしょう。
塾で最近頑張っている中学受験生のお子さんで、
「模試の成績下がっちゃった…お母さんに怒られちゃう(涙)」
と落ち込んでいる子がいました。
人間はロボットではないので、頑張った分そのまま成績に即反映されるというものでもないです。
頑張った結果テストの点数(正答率)は伸びても、周りの子も頑張っているので偏差値的にはちょっと落ちてしまうことだってあります。これで叱られちゃうのはちょっとかわいそうですよね。
サボっていた結果なら多少のお説教もアリ?かもしれませんが、頑張った結果ならあまり怒らないであげてください。どうすれば成績が上がるか…対策したり一緒に考えてあげると良いでしょう。
モノで釣るのもNG
勉強は将来につながることだからするものですよね。将来の夢を叶えるためにも、自分自身を高めていき、頑張ろう!という気持ちが強いお子さんは、勉強への取り組み方もしっかりできています。
自分自身を高めたいという気持ちより、物欲を満たす気持ちが強くなり、物欲を満たすことが目的になってしまいます。
勉強への否定的な発言はNG
「学校の勉強は将来何の役にも立たない」
など、やる気をそぐような発言をお子さんの前でしたらやはりやる気を失ってしまうでしょう。これを保護者の方が認めてしまったらもうお子さんが勉強しなくてもしょうがないかも。
昔の人の知恵が受け継がれ、私たちは毎日快適な生活を過ごすことができています。だからこそ次の世代につなげるためにも、 勉強は必要。
国民に勉強の機会がない国はどうなっているか、歴史が教えてくれています・・・なんて難しい話は小学生はつまらないかもしれないのでカットかもしれません。でもこんな話を真面目に聞いてくれるお子さんもいます。
ほめれば良いというものではない
よく「ほめて伸ばす」方法が良いと言われてますが、なんでもかんでもほめてしまうのはマイナスになることもあります。
「自分はもっとやれる!と思ったのに、ほめられてもあんまりうれしくない」
なんて上昇志向が強いお子さんの中には、上のように思うお子さんもいるかもしれません。
適切なタイミングで「さらり」とほめるぐらいが良いかも。
ただ塾で小学生の相手をしていると、家で普段あまりほめられないお子さんは、いい点を取ったときにほめるとめちゃくちゃうれしそうです。
お子さんの性格も見つつ、ケースバイケースでしょうね。
小学生に勉強させる方法は?
NGな方法は控えつつ、勉強させる方法を意識して実践するのがおすすめです。
勉強がなぜ必要なのかを伝える
お子さんの中には「どうして親や先生は自分の嫌がることを無理やりやらせるの?」と本気で疑問に感じているお子さんもいます。
どうして勉強しなくちゃいけないのか、そんな真面目な話も(お仕着せがましくないよう)していくとお子さんの心に響きやすいです。
お子さんの興味ある分野につながりがあると、なお良いでしょう。
進路を一緒に考えてあげる
上の話と関係がありますが、将来なりたい自分を叶えるためにどんな勉強が必要なのか、簡単なライフプランも一緒に考えてあげると良いでしょう。
いろいろ考えてくれてるんだーとお子さんも理解してくれる…かも。もちろんなかなか響かない場合もありますが…。
親子関係が良いと勉強を進めやすい
家庭内では親御さんがしょっちゅうお子さんにガミガミ言ったり、親子で口論になったり…そういうことが多いと勉強へのモチベーションも低くなってしまいます。上のような声かけも響きにくくなるでしょう。
―どうして勉強は大切なのか。
―将来はどんなことをしたいか。
―将来の夢を叶えるには?
そんなお話もしょっちゅうケンカしてたらしにくいですよね。すでにケンカばっかり…という場合難しいかもしれませんが、落ち着いて話をする時間もつくってみると良いかもしれません。
子どもの好奇心を大切にする
星を見るのが大好きなお子さんがいました。
そうか、そんなに好きなのかと家族で定期的にプラネタリウムに行ったり図鑑を買ってあげたりしていました。
そうこうしているうちに星座に関する「神話」にも興味を持ち、神話以外にもいろいろな本を読むことが好きになっていきました。
活字に慣れてくると学校で習っていないような内容の勉強もスムーズになっていきます。
また、サッカーが大好きなお子さんがいました(こちらは中学生ですが)。
夜中までサッカーの映像を見て研究したり、毎日サッカーのことで頭がいっぱいに。高校でもサッカーを続けるためにも、サッカー部の強い高校行きたい、と勉強を頑張るようになりました。
いつもゲームしてばかりいる女の子がいましたが、ゲームで頭を使うせいか算数(数学)も得意に(その逆なのかもしれませんが)。どうやったら効率よく物事を進められるかなーと勉強以外の場面でも要領良く学校生活を送っていました。
ルールを覚えて結果を出す…って社会に出ても重要ですよね。
学校の勉強に関係ないものだからと抑え込む必要はなく(反社会的なものはもちろんダメですが)、お子さんの好奇心をいい形にサポートしてあげることが、良い結果を出すことは多々あります。
ゲームはやりすぎはいけないですが…ただ成績のいいお子さんは「ゲームやスマホとうまく付き合っている」印象を受けます。
勉強しやすい環境作り
勉強しなさいよ~といいつつお母さんやお父さんが家でスマホやテレビばかり…という姿を見せてしまってはお子さんもやる気にならないですよね。
テレビの音がうるさかったり、子ども部屋に遊ぶものばかりだったり。
ゲームではなくお子さんが興味を持ちそうな図鑑や学習マンガ、電子辞書などがあれば、自然とそちらに心も向いていくでしょう。
小学生のお子さんを持つ親御さんにおすすめの本
どんな風にお子さんの勉強へのモチベーションを高めさせるようにしたらいいのか、子育てのヒントになるような本をご紹介します。
頭のいい子の親がやっている「見守る」子育て
教育専門家の小川大介先生の本です。
完璧に子育てすることはないですよ、子どもの好奇心を大事に、のびのび育てていきましょう…そんなちょっとホッとするような子育て論です。
小川先生はたくさんの本を出されていますが、「親も子もハッピーになる最強の子育て」「もう悩まない中学受験」なども参考になりそうですよ。
小川先生が創設した中学受験個別指導塾「SS-1」について知りたい方はこちらの記事を。
「やる気」を科学的に分析してわかった小学生の子が勉強にハマる方法
中学受験専門塾「伸学会」の菊池洋匡先生(代表)、秦一生先生の本です。
勉強嫌いのお子さんが勉強を好きになるよう、(戦隊ARCSが時々登場しながら)わかりやすく教えてくれます。
効果的なほめ方、叱り方、ご褒美の上げ方など、具体的な方法が書いてあるので、本を読んだその日から実践しやすいです。
人間は9タイプ 子どもとあなたの伸ばし方説明書
「ビリギャル」で有名な、坪田信貴先生の本です。
塾講師として、生徒との関わり方、コーチングに関して、とても参考になった本です。
こういうお子さんはほめてOK、こういうタイプのお子さんはむやみにほめても逆に良くない…みたいな類型論になっています。完璧にタイプ分けするのは難しいかもしれませんが、全タイプの子どもの特性や関わり方を見るだけでもなるほど、と思わされました。
子育ては心理学でラクになる
DaiGoさんの子育て本。最近ではメンタリストというより、コンサルタント、作家、ニコ生主としての活躍も目立っていますね。
どちらかといえばお子さんの視点(子ども時代の視点)に立って書いているのかな、という印象も受けました。DaiGoさんらしく科学的で論理的な内容であるのですが、易しい言葉で、かつ優しくまとめられています。
まとめ
小学生のお子さんを勉強させるのにNGなことと、勉強させる方法とヒント、おすすめの本について
見てきました。
子どもの好奇心を大事に、興味の持てることから将来のことを一緒に考えてあげれば、お子さんのやる気が上がるきっかけになるでしょう。
また勉強しやすい環境づくりも必要ですね。
家庭学習の教材もお子さんの性格に合ったものがおすすめです。
家庭学習教材をお探しの方はこちらの記事が参考になるかもしれません。