中学公民 「政治と選挙制度」まとめと問題

中学公民 「政治と選挙制度」まとめと問題

政治と選挙についてのまとめと問題です。

民主政治と選挙の原理、選挙の基本原則である普通選挙・平等選挙・直接選挙・秘密選挙について、日本の選挙制度、小選挙区制と比例代表制、選挙の問題点について確認します。

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政治と選挙

政治とはルールを作って人々の間の対立や争いごとを解決することで、一般的には国や地方自治体で行われている政治のことを指します。

民主主義

国民がその国の政治を行うことを民主主義といいます。

直接民主制 … 国民が直接政治に参加する制度(憲法改正の国民投票、最高裁判所裁判官の国民審査、地方の直接請求権

間接民主制 … 国民が代表者を選挙で選び、代表者が議会で話し合って政治を行う制度(議会民主主義ともいう)

多数決の原理

多数決の原理とは話し合っても意見が一致しないときに、多数派の意見を採用するという民主主義の原理のことです。ただし少数派の意見も尊重することも重視されています。

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選挙の4つの原則

選挙の基本原則には、普通選挙・平等選挙・直接選挙・秘密選挙という4つの原則があります。

普通選挙

一定年齢以上のすべての国民に選挙権があることを普通選挙といいます。現在日本では満18歳以上のすべての国民に、選挙権があります。

普通選挙の歴史

1898年 直接国税15円以上の満25歳以上の男子に選挙権

1925年 普通選挙法成立で、満25歳以上の男子に選挙権

1945年 満20歳以上の男女に選挙権

2015年 満18歳以上の男女に選挙権

平等選挙

性別や財産にかかわらず、すべての人が一人一票を持っていることを平等選挙といいます。

直接選挙

有権者が直接代表者を選ぶ選挙を、直接選挙といいます。

間接選挙 … 有権者が中間選挙人を選び、選ばれた選挙人が代表者を選ぶ選挙(例:アメリカ大統領選挙)

秘密選挙

投票が無記名で行われる選挙を秘密選挙といいます。

日本の選挙制度

日本の国会議員の選挙では、衆議院では小選挙区比例代表並立制、参議院では選挙区制と比例代表制を組み合わせた選挙が行われています。

小選挙区制

1つの選挙区につき代表者が1人が選ばれるのが小選挙区制です。衆議院では小選挙区制がとられています。

議会で多数派が作られやすく、死票が多くなり、少数派の意見がとりいれにくいという特徴があります。

死票 … 当選しなかった人に投じられた票

比例代表制

得票に応じて各政党の議席数が決められることを比例代表制といいます。死票が少なく、小政党にも不利になりにくいという特徴があります。

比例代表制には拘束名簿式と非拘束名簿式があります。拘束名簿式は各政党が当選順位を決めた候補者の名簿をあらかじめ提出しておく方式で、非拘束名簿式は名簿の順位を決めず、個人での得票数に応じて当選者が決まる方式です。衆議院の比例代表は拘束名簿式、参議院は非拘束名簿式です。

ドント式

ドント式は日本の比例代表の方式で、各政党の得票数を得票数÷1、得票数÷2、得票数÷3…と整数で割っていき、その商が大きい順に定数になるまで議席を配分する方式です。

例えば3つの政党から5人選ぶとして、下のような得票数になったとき、

A党 B党 C党
8000 5000 4000

次のように計算して、商の大きい順に当選者を決めていきます。

A党 B党 C党
得票数÷1 7500 5200 4500
得票数÷2 3750 2600 2250
得票数÷3 2500 1733 1500

A党から2人、B党から2人、C党から1人選ばれることになります。

衆議院の小選挙区比例代表並立制

衆議院選挙で行われている選挙制度が小選挙区比例代表並立制です。定数は465人で、小選挙区が289人、比例代表は176人です。

衆議院の比例代表制は拘束名簿式で、候補者は小選挙区と比例代表の両方に立候補でき、重複立候補した候補者は小選挙区で落選しても、比例代表で復活当選できることもあります。小選挙区で供託金没収点未満の落選者は復活当選できません。

同一順位の場合は惜敗率(落選者の得票数÷当選者の投票数×100)で決まります。

参議院の選挙制度

参議院選挙では選挙区と比例代表制を組み合わせた選挙制度をとっています。定数248人で、選挙区148人、比例代表100人です。

参議院の選挙区制は都道府県を1選挙区とし、1選挙区あたり2~12名が選ばれます。参議院の比例代表制は非拘束名簿式です。参議院では重複立候補はできないため、比例代表での復活当選はありません。

選挙の問題点

小選挙区制では大きな政党の候補者が当選しやすく、政局が安定しやすい傾向にあります。ただし死票が多く、少数派の意見が反映されにくいという欠点があります。

比例代表制は逆に死票が少なく少数派の意見も反映されやすくなりますが、多党化して意見がまとまりづらいという欠点があります。

また投票率の低下と、1票の格差も問題になっています。

投票率の低下

政治への無関心が投票率低下につながっていることが問題になっています、投票日(日曜日)が仕事の人、旅行に出かける人も投票しやすいよう、期日前投票や投票時間の延長で対策されています。

1票の格差

1票の格差とは一人の議員が当選するのに、選挙区によって得票数が異なることを指します。

例えば選挙区Aでは有権者が2万人、選挙区Bでは4万人だとすると、4万÷2万=2で1票の格差が2倍になることになります。(選挙区Aの方が1票の価値が重いことになります。)

1票の格差が大きいことは法の下の平等に反するとされ、過去の選挙が「違憲状態」という判決も下されています。

【問題編】政治と選挙制度

問1 国民が直接政治に参加する制度を何といいますか。
→答え

問2 国民が代表者を選挙で選び、代表者が議会で話し合って政治を行う制度を何といいますか。

→答え

問3 話し合っても意見が一致しないときに、多数派の意見を採用するという民主主義の原理のことを何といいますか。

→答え

問4 日本の選挙では満18歳以上の国民すべてに選挙権があります。このように一定年齢以上の人すべてが有権者である選挙を何といいますか。

→答え

問5 性別や財産にかかわらず、すべての人が一人一票を持っている選挙を何といいますか。

→答え

問6 直接代表者を選ぶ選挙を何といいますか。

→答え

問7 無記名で行われる選挙を何といいますか。

→答え

問8 1つの選挙区につき代表者が1人が選ばれる選挙制度を何といいますか。

→答え

問9 政党に投票し、得票に応じて各政党の議席数が決められる選挙制度を何といいますか。

→答え

問10 衆議院の選挙制度を何といいますか。

→答え

問11 小選挙区制ではどのような問題点がありますか。

→答え

問12 比例代表制では得票数を1,2,3…と整数で割り、商が大きい順に各政党の議席数を決めるという方式がとられています。これを何といいますか。

→答え

問13 今日の選挙の課題として、投票率の低下があげられます。投票率を高めるためにとられている対策を下のア~エからすべて選びなさい。

ア アプリを利用して投票できるようにした

イ 投票日より前に、期日前投票が行えるようにした

ウ 投票日より後でも、手続きした人は投票が行えるようにした

エ 投票時間を延長した

→答え

問14 一人の議員が当選するのに必要な得票数が、選挙区によって大きく異なっていることも「法の下の平等に反する」と問題視されています。このことを何といいますか。

→答え

まとめ

・民主主義 … 直接民主制と間接民主制

・選挙 → 多数決の原理

・選挙の基本原則 … 普通選挙・平等選挙・直接選挙・秘密選挙

・衆議院 → 小選挙区比例代表並立制、参議院 → 選挙区制+比例代表制

・選挙の問題点 … 投票率の低下、1票の格差